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展示案内

第47回企画展 小説「花はくれない」-佐藤愛子が描いた父・紅緑-

 

 

注目の展示資料

 

句稿「子規先生鉗鎚(けんつい)遺墨」
明治31年10月の佐藤紅緑の句稿「かりがね集」に、正岡子規が朱で評点・評語を加えたもの。子規は巻末に、高浜虚子・河東碧梧桐ら門人たちの近況も書き記している。本句稿は、紅緑最初の句集『俳諧紅緑子』(明治37年)に収められている。子規31歳・紅緑24歳、「新俳句」の勃興・隆盛期の息吹を伝える貴重な資料である。個人蔵

 

 

 

正岡子規書簡 佐藤紅緑宛(明治32年12月25日付)
明治32年4月、病のために富山日報社を退社した紅緑は弘前に帰郷。新聞『陸羽新報』の発刊を計画して子規に寄稿を依頼する。子規は「節季年頭何分多忙」のため寄稿できぬことを詫び、書簡の最後に「雑煮くふて第一号をいはひけり」の一句を添えた。紅緑はその後、報知新聞社、福井新聞社、萬朝報社、大阪関西日報社などを渡り歩くことになる。

 

 

 

紅緑・ハチロー父子貼交幅(はりまぜふく)

 伊太利紀行 牛と人と水平線に耕す 紅緑
 雨には母のまつ毛がある わたしをさとすまつ毛がある サトウハチロー

 

紅緑は大正 12年、外務省嘱託として映画研究のためヨーロッパに外遊している。「伊太利紀行」は、その時に訪れたイタリアの情景を詠んだものと思われる。ハチローの詩は、「雨とおかあさん」に類似する一節がある。

 

 

 

「あゝ玉杯に花うけて」挿絵下絵 斎藤五百枝・画
昭和2年、紅緑は大日本雄弁会講談社の『少年倶楽部』に「あゝ玉杯に花うけて」の連載を開始。貧乏な苦学生・チビ公が、逆境と戦いながら天下の秀才が集う旧制第一高等学校に入学するまでを描いた作品は、全国の愛読者の熱狂的な反響を呼んだ。紅緑の少年小説は『少年倶楽部』の黄金期を招来する。(パネルによる展示) 原資料は弥生美術館蔵

 

 

 

紅緑の単行本一覧(タペストリー)
佐藤紅緑は、俳句・脚本・小説とジャンルを変え、明治から昭和にかけて数多くの作品を残した。本展では、紅緑の単行本を可能な限り集め、80余冊の書影をタペストリーにまとめた。津軽文士の草分け・佐藤紅緑の文業を伝える一覧である。

 

 

 

 

一部展示替え 10月1日~

 

佐藤紅緑最晩年の書簡(初公開)

佐藤紅緑が正岡子規の従兄弟・正岡忠三郎に宛てた書簡など19通。うち16通は昭和22年の大晦日から紅緑死去の24年にかけてのもので、紅緑最晩年の書簡である。いずれも、紅緑の句集『花紅柳緑』第二輯の刊行にかかわる内容で、紅緑が死の直前まで俳句に傾けた情熱を伝えている。正岡忠三郎は、子規の叔父・加藤拓川(陸羯南の親友)の実子であるが、のちに子規の妹・律の養子となり正岡家を継いだ。司馬遼太郎の小説『ひとびとの跫音』に登場する。 個人蔵

 

 

 

 

句稿ノート「花紅柳緑 続編」(初公開)

紅緑晩年の句稿ノート。昭和18年から23年までの自作の句を季題別に自書したもので、紅緑最後の句稿ノートと思われる。紅緑は、子規門下で俳句を始めた明治27年から昭和17年にかけての4000余りの作品を収めた句集『花紅柳緑』(昭和18年)を喜寿の記念に刊行したが、最晩年、『花紅柳緑』第二輯の刊行を目指していた。それは、24年の紅緑の死によって実現しなかったが、本句稿記載の句は整理され、遺句集『紅緑句集』(昭和25年)に収録された。終生深い絆で結ばれた、詩人・福士幸次郎への弔句「死といふは再び逢へぬ秋の事ぞ」(昭和21年秋)も、このノートに記されている。 サトウハチロー記念館蔵

 

 

 

 

 

佐藤弥六書幅 

佐藤弥六は紅緑の父。福澤諭吉門下で将来を嘱望されたが故あって弘前に帰郷。佐藤愛子著『花はくれない 小説 佐藤紅緑』に「弥六は弘前にはじめて聖書やランプや銃や人力車を持ち込んだ人である」とあるように、地域の啓蒙的な指導者として尊敬されたが、頑固で変わり者であった。この書は「朝げに夕べは測られぬは寿命なり。移り易しくして頼みがたきは人の心なり」で始まり「勤倹なれは富み怠慢なれば貧す。人間の幸福は邦に勤労し家に節倹するより生ずるものなり」で終わる。大正12年2月、82歳の弥六が自らの人生訓を揮毫したものである。この年の11月15日、関東大震災の2か月後に弥六は死去する。 個人蔵

 

 

 

 

展示の構成

 

小説「花はくれない」-佐藤愛子が描いた父・紅緑-
 序章
 1 生誕の地・弘前-弥六のセガレ
 2 上京-陸羯南、正岡子規との出会い
 3 劇作家、小説家として-「俠艶録」「あん火」
 4 新聞小説で人気作家に-「鳩の家」「虎公」
 5 劇団「日本座」を旗揚げ-三笠万里子との出会い
 6 映画研究で外遊-紅緑と映画
 7 少年小説で人気沸騰-「あゝ玉杯に花うけて」
 8 晩年-句集『花紅柳緑』
 終章

 

資料紹介

 子規と紅緑

 原稿・書簡

 俳句/紅緑の俳句五十句抄 復本一郎選

 紅緑と弘前

 記念碑・墓碑

 佐藤紅緑単行本

 

 

常設展示

 

陸羯南、佐藤紅緑、葛西善蔵、福士幸次郎、一戸謙三、高木恭造、平田小六、太宰治、今官一の9名の文学者の著書、原稿、遺品などの資料を展示しています。

 

 

石坂洋次郎記念室

 

石坂洋次郎の誕生から晩年までの写真や年譜パネル、著書、原稿などを中心にした「石坂洋次郎のあゆみ」、映画化された作品の全リストと映画のポスター、スチール写真、原作の図書などで石坂文学の魅力を探った「石坂文学とシネマの世界」、家具や愛用の遺品などの実物資料により生活や人柄を紹介した「人と生活」の3つのコーナーを設けて展示し、石坂洋次郎の人と業績を詳しく紹介しています。

▶石坂洋次郎についてこのリンクは別ウィンドウで開きます

 

 

方言詩コーナー

 

一戸謙三、高木恭造、植木曜介の作品5編を、朗読と映像で鑑賞できます。

問い合わせ先

担当 郷土文学館

電話 0172-37-5505

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