大森勝山遺跡(弘前市大字大森字勝山地内)は、今から約3,000年前の縄文時代晩期につくられた、環状列石(ストーンサークル)などを有する遺跡です。
環状列石は今から約4,000年前の縄文時代後期に北東北や北海道で数多くつくられますが、縄文時代晩期の環状列石は全国では希少であり、かつ、晩期の環状列石の規模などを把握している遺跡は大森勝山遺跡のみです。
大森勝山遺跡は、平成24(2012)年9月19日に国史跡に指定され、同年12月に世界文化遺産登録を目指す「北海道・北東北の縄文遺跡群」の17の構成資産の1つに加わりました。
弘前市では、平成26(2014)年度に史跡保存管理計画、平成27(2015)年度に史跡整備計画、平成28(2016)年度に整備基本設計を策定し、同年度から史跡の整備を本格化させております。今後、自然石材による環状列石の実物大表示や、園路・便益施設・ガイダンス施設などの整備に加え、イベントなどの公開活用を進めてまいります。
「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、約1万年もの長期間、狩猟・採集・漁撈を行いながら、定住の達成と精神文化を高度に発展させた、世界的にも類を見ない文化の物証となる遺跡群です。
現在、弘前市も含む関係自治体(青森県・北海道・岩手県・秋田県並びに14市町)では、この遺跡群の令和3(2021)年の世界遺産登録を目指して取り組みを進めています。
令和元(2019)年7月30日、文化審議会より国内の世界文化遺産候補に選定され、同年12月20日、ユネスコへの推薦書提出が閣議了解されたことにより、世界遺産登録への推薦が正式に決定されました。
今回、「世界遺産と縄文-大森勝山遺跡の世界遺産登録に必要なものとは?-」と題して、シンポジウムを開催します。本シンポジウムでは、国内外から見た縄文文化の価値、そして、世界遺産登録に向けて、縄文遺跡群と大森勝山遺跡に必要とされるものについて、各分野の専門家からご講演いただきます。
【日時】令和2(2020)年2月11日(火・祝日) 午後1時から5時
【会場】ヒロロ 4階 弘前市民文化交流館ホール(弘前市駅前町9番地20)
【主催】弘前市
【共催】弘前縄文の会、史跡大森勝山遺跡保存活用推進会議
【後援】青森県、(一社)弘前文化財保存技術協会
【プログラム】
12時00分 開場・受付開始
13時00分 開会挨拶 弘前市長 櫻田宏
13時05分 報告 弘前市教育委員会文化財課主幹 岩井浩介「史跡大森勝山遺跡のこれまでとこれから-世界遺産登録に向けて-」
13時50分 休憩
14時00分 講演 東京国立博物館調査研究課考古室長 品川欣也氏「縄文文化へのまなざし-世界から見た縄文-」
14時45分 休憩
14時55分 講演 文化庁文化資源活用課世界文化遺産部門文化財調査官 鈴木地平氏「縄文遺跡群の世界遺産登録に向け必要なこと-近年の動向から-」
15時40分 休憩
15時50分 パネルディスカッション「世界文化遺産登録に向けて、縄文遺跡群と大森勝山遺跡に求められるもの」
コーディネーター 青森県企画政策部理事(世界文化遺産登録推進室長) 岡田康博氏
16時55分 閉会挨拶 弘前市教育委員会教育長 吉田健
【入場料】無料
【事前予約】不要
【その他】当日、イベント記録のため写真・動画撮影を当課職員が行いますので、ご了承ください。
【お問い合わせ】
〒036-1393 青森県弘前市大字賀田一丁目1番地1
弘前市教育委員会文化財課
電話:0172-82-1642(平日午前8時30分~午後5時00分)
大森勝山遺跡と岩木山〔令和元(2019)年撮影〕