けの汁
【STORY8】けの汁
「けの汁」は津軽地方に古くから伝わる料理で、大根、人参、わらび、ごぼうなどの野菜を細かく刻んで、昆布出汁で煮込んで作る汁物です。
名前は「粥の汁」に由来するとされています。
東北地方では、1月16日の小正月を「女の正月」として祝い、けの汁を仏前に供えます。
その際に、けの汁を大鍋で大量に作り何日もかけて食べますが、これは日ごろ炊事などの家事に追われる主婦を休ませる意味合いもあります。
豪雪で春の七草が摘めない東北地方の北部には、七草粥の風習が無いかわりに、小正月のけの汁に七草粥の意味をこめています。