津軽裂織
【STORY74】津軽裂織
津軽では裂織を「サクリ」といい、江戸中期以降、津軽の海岸線地域では日本海交易の北前船により古手木綿が普及し、布を裂いて織るサクリが漁師濃民の仕事着や日常着として作られました。
サクリはその用途から薄く柔らかく仕上がるように工夫された技法で織られ、真新しいサクリは晴れ着として男たちや女たちを飾り、雪国の寒さから人々 を守ってきました。
現在では、絹布をブナやなら、栗などで染め横糸にしたコート、綴れ織り・綾織りなどの技法を使ったバック、青森の四季を実現したサクリカードなど様々に応用され、裂かれた布のささくれた風合いが独特の手ざわりを生み、時を経た深みのある色合いとともにサクリの魅力となっています。