大森勝山遺跡
【STORY25】大森勝山遺跡
大森勝山遺跡は弘前市にある主に縄文時代晩期の遺跡です。大型竪穴住居跡や環状列石、縄文時代前期から晩期の土器、石器、土製品、石製品が出土しています。
検出された環状列石は、縄文時代晩期前半(今から約3,000年前)に構築されたもので48m×39m。これまで確認されたものよりも新しく、その構築方法や周辺の状況など、環状列石の年代や性格について新知見を得られたことが評価されています。
今後、遺跡の価値を高めるための整備が必要となります。例えば、ストーンサークルや竪穴住居跡の復元整備の他、子供たちの歴史教育の場として、縄文文化を体験できるイベントなどが考えられます。
そして、世界遺産暫定リストに記載されている「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」への構成資産の追加を目指すと共に他自治体と連携して、世界遺産の登録に向けた取り組みを進めたいと考えています。
「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」
特別史跡である、三内丸山遺跡(青森県青森市)、大湯環状列石(秋田県鹿角市)を含んだ、北海道・青森・岩手・秋田の1道3県に点在している15件の縄文遺跡群です。
世界遺産暫定リスト
世界遺産登録になるには、日本での世界遺産暫定リストに登録される必要があります。現在、「古都鎌倉の寺院・神社ほか」「彦根城」など12件が世界文化遺産の暫定リストに記載されており、「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」は平成21年にリストに記載されました。このなかで、日本政府は1年に1件、ユネスコに世界遺産登録を申請することができます。推薦があった遺産について、専門家が調査を行ったうえで、客観的に評価を行います。最後にユネスコ世界遺産委員会による審査・決定となります。