津軽塗
【STORY1】津軽塗
津軽地方には漆の自然林が豊かで、縄文時代の出土品からも漆を使った土器がみつかっています。
津軽塗の代表的な技法のひとつ「唐塗」は、普段使用している漆盤に、あまりにも漆が付着しすぎたので、清掃するつもりで研いでいるうちに、長年の間塗り重ねられた紅・青・緑の彩漆が雲状に浮かび上がり類稀な美しい紋様であったため、これをヒントにして研究を重ね完成されたものです。
唐塗の他に、ななこ塗、櫛目塗、ひねり塗、紋紗塗、錦塗などがあります。
土台となる木地には日本三大美林である青森県特産のヒバが使用され、軽くて強い津軽塗の特長を形成しています。
工程毎に研磨し、繰り返し塗られ、下地がしっかりしたところで、津軽塗独特の「シカケ」と「サイシキ」が施され仕上げられます。
色漆を塗ったり研いだりの繰り返しを、仕上げまで四十数回の工程と2カ月余の日数を費やして作られる馬鹿丁寧さから、「津軽の馬鹿塗り」の異名も持ちます。
昭和50年に国の伝統的工芸品の指定を受けており、現在でも脈々と若い塗師たちに受け継がれています。