愛媛で高校を卒業した後、とにかく一人暮らしがしたくて。場所はどこでもよかった。香川でも東京でも。受験をしていく中で、弘前の大学が受かったので青森に来ました。
ですね。代官町という所に住んでました。東京の代官山が好きなので(笑)相馬はその時知りませんでしたね。
当時、とにかくボウリングにハマっちゃって、一時期プロを目指そうと思ってたくらい夢中でしたね。ボウリング場でバイトして、そのまま正社員になりました。そこで働いていたら、まぁ、今の奥さんが正社員で入ってきたのです。それでよくよく聞いてみたら、実家が相馬の農家さんだった訳です。
そう、婿取りですよね。就農が結婚の条件。正直、自分の生き方に農業という選択肢はなかったけど、結婚したかったから、なりました。
まずは雪ですよね。愛媛で育ったこともあり、最初は雪が積もっている光景を見て感動しました。カメラ撮りましたもん。あとは寒いし、朝は早いし。あとは「りんごってこんなに美味しい食べ物なんだ」って思いましたね。
ありましたよ、不安だらけ。仕事も分からなければ、人も分からない。まずは人を覚えなきゃって思って、とにかく色々な組合や団体に入りました。結果、そこで出会った人たちに助けられましたね。
幸いにも馴染めましたね。実は組合や団体も、「来いよ」って声かけてくれて入ったものばっかり。新人やよそ者を無下にしない人たちで、お酒も好きだったし、その場ですぐに話ができた。やっぱり相馬の良いところって、「人」かなと。地区外の人から、「相馬ってみんな仲良いよね」ってよく言われるんです。村時代からの絆が強いんですかね。
部長になるかならないかは、大体年齢で決まっているんですけどね(笑)でも、先輩なり近い人がいつも声をかけてくれて、中心に招き入れてくれた。そういうところも相馬の良いところだと思ってます。
「モノ」を作る喜びを味わえること。上下関係なく仕事ができること。時間に融通が利くこと、ですね。大きな収入を得ている訳ではないけれど、のんびりした時間がほしい僕には合ってますね。ストレスが全く溜まらないですから。あ、最近ストレス溜まることあった。この間の爆弾低気圧ですね(笑)毎年強い風が吹く日はあるんだけど、あんなにりんごが落ちたのはショックでした。
相馬は豪雪地帯だし、確かに冬は寒いです。だけど、人は暖かい。結局は「住めば都」ですから。みんなが助けてくれるし、寒暖差の激しい相馬の気候だから生まれる、食べたことのないくらい美味しいりんごを自分が作る喜びを味わえると思います。