かつて相馬には4組の獅子舞保存会が活動していましたが、
現在は紙漉沢組だけが唯一活動中です。
獅子舞は「邪気払い」「疫病退散」などのいわゆる縁起物で、
元旦に町内を巡るのが恒例となっています。
ここ数年、コロナ禍で大規模な活動は自粛していましたが、
元旦の町内巡行は続けていて、今年も町内をまわりました。
まずはお神酒を神様に奉じ、安全な巡行と今年1年の安泰をお祈りします。
獅子舞の起源は諸説あってはっきりしませんが、
日本には中国から伝わったといわれています。
現存する日本最古の正史書『日本書紀』には、
鹿の角を奉じて舞ったという記述があるそうです。
その後、各地の信仰と結びついていろんなバリエーションが生まれました。
ちなみに、紙漉沢獅子舞は鹿獅子と呼ばれる踊りです。
午前8時、交流センター「紙漉の里」を意気揚々と出発!
幸いお天気もまずまずで、メンバーのテンションもアゲアゲでした。
これが大雪だったらどうでしたでしょうか……。
保存会に新加入した中学生も、太鼓担当として囃子を頑張っていました。
巡行は、喪中のお宅などを除き、原則全戸をまわります。
楽しみにして家の前で待っていてくれるお宅もありました。
写真を撮り損ねてしまいましたが、ロマントピアスキー場では
頭を噛んでもらおうと子どもたちの列ができるほどでした。
頭を噛まれるのは、「噛みつく=神がつく」としてとても縁起のいいこととされ、
とくに子どもには「学力向上」「無病息災」などのご利益があるとされています。
予想されましたが、後半は獅子たちもだいぶバテてきました。
かくいう僕も途中から足の付け根あたりが痛み出し、
片足を引きずるように歩いていました。
それでも、子どもたちの喜ぶ顔に励まされて無事に巡行を終えました。
「紙漉の里」に帰還したのが午後1時ごろ。
途中休憩もありましたが、5時間ほど歩き続けたことになります。
紙漉沢だけではなく、ご要望のあった昴や五所のお宅にもまわりました。
今でも獅子舞は、相馬のアイデンティティの核となる伝統行事の
ひとつなのではないでしょうか。
なんとか後世にも伝えていきたいものです。
1月10日(水)には、相馬中学校で受験生を応援する演舞を行います。
興味のある方はぜひ観覧に来てみてください(要・事前連絡。相馬総合支所・
地域おこし協力隊まで)。