二之丸虎口[にのまるこぐち]の近くでは、南北8間(約14.7m)、東西3間(約5.8m)の掘立柱建物跡が確認されています。柱が格子状に配置された総柱建物であることから、重い物を収納する倉庫などであった可能性があります。また、二之丸虎口と本丸西虎口の中間に位置し、土塁の基軸とも一致することから、視界や動線を遮断する防御的な機能を有していた可能性もありそうです。
平場北側からは鍛冶炉[かじろ]と推定される焼土遺構が20基前後確認されたほか、竪穴[たてあな]建物跡、塀跡などが確認されました。さらに、周辺からはコメ・ソバ・オオムギ・アワ・ヒエなどの炭化種実[たんかしゅじつ]も大量に出土しています。
これらの調査成果から、二之丸については、倉庫や鍛冶炉など、主に貯蔵や生産に関わる施設が配置された曲輪[くるわ]であったと想定されます。
二之丸掘立柱建物跡(2015年、北から)