二之丸虎口[にのまるこぐち]は二之丸の西端中央に位置し、西側に位置する小丸[こまる]と土橋でつながっています。
調査により、現在の園路の約1.5m下から、城に伴う時期の土橋が確認されました。この土橋は幅約3mで、南側で犬走りにつながります。犬走りは土塁外側に作られた幅約4mの通路で、南へ延びたのち土塁に突き当たり、長さ約10m、幅約5mの広場状に広がります。犬走り南側の土塁は屈曲しており、平場側の角が約1.8m の幅で開口しています。後世の掘削などにより痕跡は明確ではありませんでしたが、門などが設置されていた可能性もあります。
外堀は廃城時に大量の木製品が廃棄されたのち埋没が進みました。整備では埋土を除去し、復元を行いましたが、宅地が近接している西側は、本来の幅より狭い形状で整備しています。
虎口の調査風景(2012年、西から)
虎口南側の土塁と外堀(2008年、北西から)
整備後の虎口(2017年、西から)