令和7年度に開催した市長車座ミーティングの結果(概要)をお知らせします。
「子どもの健康と子どもの地域共生について」「教育や福祉、子どもを取り巻く地域社会のあり方について」をテーマに開催し、 弘前市におけるこどもの福祉や教育などについて意見交換をしました。
日時:令和7年5月29日(木曜日)午前10時00分~11時00分
場所:児童デイサービス きらり
参加団体:社会福祉法人 光の岬福祉研究会
全体的に弘前の子どもに関する対策は、支援を要するお子さん達への福祉も教育もすごく広がって重点的にやられていると思っています。こういう仕事上、他市の話聞くと、弘前の取組はやはり一歩二歩先を行っているのかなという感じはしています。
今日はテーマにおきたいところが、そういった支援を必要としているお子さん達への状況だったり、課題だったりというところよりはむしろ、子ども全体で見たときの子どもの健康をひとつテーマに話し合いというか、意見交換できればと思っています。
健康は肉体的とか精神的、社会的に満たされていて健康というのがあると思うんですけれども、どちらかというと今回はこの保たれていない子どもの実態、対策、対応とかではなくて、子どもをより健康な状態に保つための社会とか環境づくりに焦点をおいていきたいと思っております。
さっき言ったように、対応とか対策というのは、そういう支援を必要とするお子さんとか家庭への対策はすごく充実していると思いますが、一方で、現状からいくと子どもの心の健康の状態を保つために、この社会一般施策と言えばいいんでしょうか、一般施策と障がい福祉の施策とに分けられる。そうしたら一般施策のほうの社会環境づくりが実は追いついていなくて、どんどんそういった支援を要するお子さん達だけではなくて、健康を保てない子ども達が増えている状況じゃないのかなというのが、今われわれの障がい福祉の側からはそういうふうに見えるというところです。
対応に専門性が重視されていることもありますが、実際そういった支援を要するお子さんにとっての関わりはすごく専門性が求められています。ただその専門性があまりにも求められることによって、一般施策や一般市民の意識の中に子どもの健康が保たれていない状況が他人事のように感じられてきている傾向がある。要は専門性があるからそういった人達にお願いすればいいことだし、私達の子どもとは関係ないことと捉えられたりとかですね。
やはり特別な支援を要するお子さんと、支援を要しないお子さんが分けられていくと、支援を要するお子さんは注目されるんですが、実は、支援を要しないお子さん達が、だんだん社会性というか、いろんな人達とお付き合いするとか、いろんな子ども達と出会って話して、いろんなことを学んだりする機会が減ってきていると思うんですよ。
子どもの心をより健康な状態に保つための社会環境づくりについて考えていくと、子どもにとってやさしい大人が増えればいいなと思いますが、子どもと関わる大人自体が今かなり減っているのかなとも思います。
親は関わっているけど、親以外の大人と関わる機会がかなり少なくなっていると。やはり子どもと関わりたいと思える大人を増やしていくこととか、あとは子どもにやさしい大人をどうやって増やしていけばいいのかなと考えています。
最近、親が叱らなくなってきているというのは、親に叱られていない子どもが、近所のおじさんに叱られてその中で育っていく、まさに地域が子どもを育てるということだと思います。
そのために今、市役所としてはコミュニティをもっと重視していこうとやっていますが、このコミュニティがどんどん希薄化している。
このコミュニティを、集まる場所を作るということで、石川の小学校・中学校の建て替えをしました。去年の夏からやっていますけど、小・中学校統合の校舎にして、小学校1つと中学校1つの地区なので、統合校舎にしただけではなくて、そこに公民館と出張所と児童館、児童館は3つあったものを1つにして全部そこに集めました。学校を地域の様々な拠点にして、普段から近所の大人の目が行き届くような、子ども達も大人をよく見る、逆に大人からすると、不審者が来たら「あの人誰だ」って、学校に不審者が近寄らない、近寄りにくい環境を作ってみようというものです。変わったのはその不審者の対応もですけど、地域の大人の人達が学校を拠点にしてこれまで地区ごとにやっていたものを、連携できるものは学校でやるかという動きがでてきて意欲的にやっています。その中に子ども達が入ると、子ども達にとっては学ぶ、吸収する機会になる。
地域のコンテンツはいっぱいできてきますけど、そこにいる大人が、例えばちょっとこの子全然言うこと聞かないからこういう子は専門的なところでなければダメだとなってしまうと、やはりわれわれのような専門家といわれているところに来てしまうことになる。
そこで少し今までの固まったものがほぐれると、またそこで地域コミュニティができる。
その親御さんがそういう情報がなくて、この地域の方々にはそういう情報を持っている人もいるので、一回行ってみればいいよとなって、行った先の専門の方々から地域の方々に溶け込めるようなうまい循環ができるかどうかが問われているなと思います。
やはり子どもと関わる大人をどうやって増やしていくのかが、すごく肝になるのかなというのがひとつと、その中でわれわれ側から見ていくと、優しい大人が増えていけば、そんな専門性とかでなくてでも、われわれと今一緒にいるお子さん達も、一般施策というか、そういう社会の中に包摂的に入れるようになっていくんじゃないかなという思いがあります。
優しい大人も含めて色んな大人がいるということを認識していってもらって、逆に子ども達を通して大人もさっき話した成長していく機会がある。
私は社会的健康というのがすごく危うくなっているのではないかと思います。
専門的支援を必要とする子どもには、そういう視点で支援をしていく。この子ども達の支援は充実しているけど、それ以外の子ども達は画一化された、自分と同じような子どもと言うと極端ですけれども、自分で関わりがうまく取れる子ども達だけで集まるようになってきて、ちょっと関わりづらい子っているじゃないですか。この間もちょうど学区の子が、養護学校の子を見て、苦手だなと言うんですよ。苦手だなって言うのは色んな子どもと一緒にいるから、その子が苦手だなと思えるんじゃないかなと思います。だけど、違うからと言って分けられちゃうと、この子苦手だなとか、こういう子がいるんだなって知らないまま大人になって、そういった大人として付き合えなくなって、多様性のない中で自分だけの狭い狭いコミュニティの中だけでの生活になって。ちゃんとこれから社会の健康を保てるような状態を考えていったほうがいいんじゃないかなと思います。
子どもの数は減っているのに、特別支援学級の在籍数がどんどん増えてきている状況で、もちろん対応、対策はしているけども、これからその教育だけでなくて社会、行政関連もそうですし、あとはわれわれ市民・住民の意識の中でも問題意識・課題意識を持ちながら、取り組んでいったほうがいいんじゃないかなという気がします。
弘前市で今「健康都市弘前」というのを打ち出しています。ひとの健康・まちの健康・みらいの健康。今まさにみらいの健康を議論しているなと思います。次の時代を担う、その次の時代を担う子ども達がどう成長していくかというための健康という言葉が、肉体的にも精神的にも経済的にも色んな意味での健康ということを含めている言葉なので。
今まで私としても、このみらいの健康に関して情報が少なくて、枠組みとしては作ったものの、具体的に何をもって健康としていくのかということが、今日お話しをしていてすごくわかりやすくなってきたと思います。これから何をやっていくべきかに対して、具体性を持たせることができました。一緒に考えていきたいと思いますし、考えるだけじゃなくて、行動に移していきたいです。
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