だから美味しい弘前りんご
りんごの色
りんごの色にはアントシアニンという赤い色素がありますが、赤ばかりでなくカロチノイド系色素(にんじんや柿などの色素)のキサントフィルという黄色色素もあります。他に、夏りんごの夏緑や祝は緑色のクロロフィルが多い状態で収穫します。無袋のりんごはクロロフィルの緑が有袋よりも多くなるので、多少色が濃くにごりますが、味は無袋のほうがよいようです。
りんごの味
果物は、味と見た目のバランスが取れていなければ高級な果物とはいえませんが、りんごは、まさに果物の王様にふさわしい味と、姿を持っています。
舌で感じる味(フレーバー)
化学成分による味は、甘味・酸味・苦味・塩から味・うま味の5つの要素からできています。そのバランスがりんごの味をきめるのです。
物理性による味(テクスチャー)
化学成分による味は、甘味・酸味・苦味・塩から味・うま味の5つの要素からできています。そのバランスがりんごの味をきめるのです。
甘味と酸味
りんごの味は甘味と酸味のバランス、糖酸比(糖度÷酸度=糖酸比)によって知ることができます。日本人は糖分の多いものほどうまいという人が多いようですが、外国では甘味よりも酸味を適度にもったものが好まれるようです。糖も酸も多いほど味が濃くなります。
葉でつくられるりんごの味
りんごの甘さは、光合成により葉で作られたソルビトールが果実に運ばれ、果実内で果糖やブドウ糖、さらに果糖とブドウ糖が結合してショ糖に変換されます。また、生育期の果実内ではソルビトールからブドウ糖を経由してデンプンに合成され、果実に蓄積されます。成熟するにつれてデンプンが分解されるとともにショ糖が著しく増加してきます。また、成熟にともない、酸っぱい元となるリンゴ酸も減少しておいしくなります。りんごは日光を多くうけるほど、日光が当たる葉がおおいほど、同じ品種、同じ栽培方法では色がよくつくほど、また収穫をできるだけ遅らせるほどおいしくなります。
蜜りんご
ふじや北斗のような品種は約15℃以下の低温に遭うと、葉で作られたソルビトールが果実内で果糖やブドウ糖に変換できなくなります。すると細胞内の液胞に蓄積されず、行き場を失ってしまいます。結局、果実の中心線(維管束、水分やソルビトールなどの通り道)付近の細胞間隙(いつもは空気のつまっている細胞のすき間で白くみえる)に蓄積されます。すると、ソルビトールの浸透圧により水分が引き寄せられ、細胞間隙が水浸しの状態になります。これが蜜りんごです。細胞間隙が水浸しになると果実の比重が高くなり、りんごを持った感じがずしりと重く感じます。また、水浸しの状態になると嫌気状態になりエチルアルコールが作られてよい香りがしてきます。
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