(会見者: 葛西憲之 市長)
1.記者会見次第(88KB)
2.ひろさき多子家族応援パスポート事業について(256KB)
3.「優・遊・浪・漫 藤田記念庭園~和モダンの祭典~」(2436KB)
4.「ひろさき卍フェスティバル」(2121KB)
5.バス路線活性化事業(まちなかお出かけパス事業)について(1190KB)
市では、子育て世代の支援と中心市街地への誘導、公共交通の利用促進を目的に、バス路線活性化事業、まちなかお出かけパス事業を実施します。
この事業は、路線バスに乗って市内各地のバス停と市中心部のバス停を親子で移動した際の運賃を、保護者は片道100円、小学生の子どもは無料とするものです。 親子で気軽に中心市街地までお出かけいただいて、まちなかにある歴史的建築物を見ながら散策やお買いものなどを楽しんでいただきたいと考えています。
次は、ひろさき多子家族応援パスポート事業についてであります。
来週7月16日から、子どもが3人以上いらっしゃるかたに、市の文化・体育・社会教育施設の入場料、観覧料等が無料になる「ひろさき多子家族応援パスポート」を発行します。
まずは、夏休みに市のプールや体育室などを利用して、親子で楽しんでいただけるものと考えていますので、対象となる方は子育て支援課に申請していただければと思っています。
次に、国民健康保険料の口座振替キャンペーンについてであります。
7月16日から9月30日までの2か月半実施いたしまして、期間中に国民健康保険料もしくは介護保険料の納付について、口座振替に変更したかたや既に口座振替の手続きをされているかたを対象に、抽選で500名のかたに相馬やすらぎ館の御所温泉利用回数券をプレゼントいたします。
次に、市内スポーツ団体の応援についてであります。
弘前からJリーグ参入を目指す「ブランデュー弘前FC」の、東北社会人サッカーリーグ2部北第10節ホーム戦が、運動公園陸上競技場において、7月14日日曜日、午後2時にキックオフされます。
近年、市内の若者が中心となって、スポーツで街おこし、地域活性化をめざして、各種スポーツ団体等を組織して、積極的に活動しています。 以前からプロ野球選手輩出を目指す市民球団プロジェクト「弘前アレッズ」もその一つであります。
この2団体においては、個々の競技における技術力の向上だけではなく、様々な奉仕活動なども行っています。 私は、こうした「うねり」を大事にして、そのチャレンジ精神を、市民と一丸となって応援してまいりたいと考えています。 7月14日は、私も応援に駆け付けます。ぜひ、私と一緒に、運動公園陸上競技場に足を運んで、応援していただきたいと思います。
7月12日から14日まで、藤田記念庭園において「優・遊・浪・漫 藤田記念庭園~和モダンの祭典~」を開催します。
藤田記念庭園は、大正時代に造られた本格的な日本庭園で、「和モダン」を感じさせる素晴らしい景観を誇っています。 さらに、弘前公園に隣接する恵まれた立地にありながら、その魅力を生かしきれていないと感じていました。 このことから、藤田記念庭園の建物や庭園を活用して、様々な事業を展開して、利用者の増加と知名度の向上を図るとともに、新たな利活用策を探ることで旅行商品化など、観光振興につなげることを目的に開催するものであります。
内容は、ライトアップした庭園内を散策したり、市内飲食店自慢の料理やお酒を味わいながら、盛夏の夜を楽しんでいただく「ひろさき園遊会」や、弘前菓子組合各店自慢の和菓子を、箏(こと)の演奏などを聴きながら抹茶やコーヒーとともに楽しんでいただく「お茶会・コーヒー茶会」のほか、「浴衣コンテスト」「写真コンテスト」、県内初の「エアー書道体験」など多彩なものとなっています。 特に、ひろさき園遊会では、テーマの和モダンに因んで、浴衣など和装で来園された方には飲み物をサービスすることとしています。
また、開催期間中は、入園料を無料といたします。 市民の皆様には、この機会に是非ご来園いただいて、藤田記念庭園の魅力を堪能していただきたいと思います。
また、今年は、これまで9月に開催しておりました「ひろさき卍フェスティバル」を、「優・遊・浪・漫 藤田記念庭園~和モダンの祭典~」と同時期の7月13日、14日に開催いたします。
13日は、保育園児たちによる稚児行列、勇壮な武者行列に加えて、新たに津軽獅子舞や函館から参加する箱館五稜郭祭 鉄砲隊・殺陣パフォーマンスなど、総勢約500名が土手町通りを練り歩きます。
また、14日は、弘前公園を舞台に、今年で3回目となります「弘前城流鏑馬国際大会」を開催いたします。 国内外4カ国の選手による勇壮華麗な妙技を堪能できることと思います。
「ひろさき卍フェスティバル」と「優・遊・浪・漫 藤田記念庭園~和モダンの祭典~」を同時期に、連携して行うことにより、相乗効果を期待しているところであります。 市民の皆様におかれましては、城下町"弘前"を彩る「和」の祭典にぜひとも足を運んでいただいて、楽しい時間をお過ごしいただきたいと思います。
次は群馬県太田市との児童生徒の交流についてであります。
7月31日から8月2日、また、8月14日から16日の各2泊3日の日程で、弘前市と太田市の双方の小・中学生並びに高校生が、互いに訪問しあう交流事業が実施されます。これまで小学4年生以上中学生までだった参加者枠を今年度は高校生まで拡大いたしました。
弘前市からは23名の参加が決定し、一方、太田市では現在32名の申込み状況にあると伺っています。 今年度は、子どもリーダー養成の要素を取り入れた交流事業とするため、7月31日から始まる受入交流内容を、弘前市の子どもたちが知恵を絞って、出し合って、メニューを創りあげることといたしました。現在週一回のペースで集まり話し合いを重ねているところであります。
また、8月14日からの訪問交流では、尾島ねぷた祭りに参加して太田市の皆さんと一緒に祭りを盛り上げてまいります。 この交流を通じて互いの子どもたちがかけがえのない実りある経験を積まれることを期待しています。
次に、太田市の話題に続きまして、友好都市北海道斜里町についてであります。
弘前市と斜里町との友好都市交流が今年で30周年を迎えます。これを記念して、7月24日から28日までの4泊5日、総勢80名による弘前市民号が斜里町を訪問します。
斜里町での主な交流事業については、25日の弘前市民号歓迎交流会への参加、26日の津軽藩士殉難慰霊祭及びしれとこ斜里ねぷたへの参加。このほか、世界自然遺産である知床の視察などを予定しています。 市民号のほか、弘前市・斜里町友好交流の会など、関係団体が斜里町を訪問する予定となっておりまして、友好の絆を更に深めていただけるものと思っています。
一方、8月1日から3日にかけて、斜里町から斜里町民号が来弘予定であります。受け入れにあたっては、歓迎交流会の開催と弘前ねぷたまつりへの参加を予定しており、まつりの躍動感を体験していただきたいと考えています。市民の皆様には、ぜひとも歓迎のお声掛けをお願いしたいと思います。
今回の友好都市交流30周年記念事業を契機として、今後とも交流の輪を広げるため、官民一丸となって取り組んでまいりたいと考えています。
最後に、弘前ねぷたまつりについてであります。
今年も8月1日に弘前ねぷたまつりが開幕します。今年は81団体が出陣予定で、6年続けて80を超える団体が出陣することになります。 弘前のねぷたは、町会や気の合う仲間で製作して、運行するというのが特徴の一つになっていまして、コミュニティの結束がまつりの盛り上がりにつながります。市民の皆さんのエネルギーを結集して、一緒にまつりを盛り上げていきたいと思っています。
そして、最終日の8月7日には、昨年に引き続き「なぬかびおくり」を開催します。岩木川を悠然と流れる姿をイメージしたねぷたの運行と、まつりへの熱い想いを集めて燃え上がるねぷたの姿に、津軽の短くも暑い夏を惜しんでいただければと思っています。
弘前駅前地区再開発ビル「ヒロロ」が、オープンまで2週間余りとなりました。
旧ジョッパルから曲折を経ての再オープンという形になりますけれども、市の公共フロア「ヒロロスクエア」も入居されるということで、そこを含めて「ヒロロ」についての市長の所感をあらためて伺いたいと思います。また併せて、オープン後「ヒロロ」を市内外にさらに浸透させていくために、現時点で考えられる課題などがあれば伺いたいと思います。
弘前駅前地区再開発ビルは、JR弘前駅前に位置した、いわば「まちの顔」であり、象徴となるビルであります。 私は、このビルの再生を駅前の賑わい創出と当市の中心市街地活性化に最も重要であると位置づけして、市長選挙のマニフェストにも掲げ、また、「弘前市アクションプラン2012」において緊急事業「ダッシュ3」として、地元経済界の方々が設立した「株式会社マイタウンひろさき」のビル再生事業に協力してきたところであります。
これにより、市政の大きなテーマであります「子ども達の笑顔あふれる弘前づくり」の実現に向け、子育て支援や健康づくりの拠点として、交通利便性の高い中心市街地で、市民ニーズに応えたサービスが提供できるものと考えています。
平成21年10月にビルが閉鎖されてから3年9か月で、今月27日にいよいよ「ヒロロ」がオープンしますが、大変喜ばしく、感慨無量の思いであります。中心市街地活性化の起爆剤として、最終的には700人の雇用が見込まれるなど、地域経済の発展に大きく貢献できるものと期待しています。
私は、子育て支援や多世代の市民交流、そして健康増進の拠点である3階の「ヒロロスクエア」は言うまでもなく、ヒロロ全体が市民に愛されるビルとなるように、関係の皆様と一体となって進めていかなければならないと考えています。
その1つの方策として、NPOをはじめとした民間団体で構成するコミュニケーションゾーン運営協議会を設立して、3階フロアのコミュニケーションゾーンを、得意分野を持った市民が運営の主体を担う、市民が様々な活動を行う拠点となるよう努めてまいりたいと思っています。
オープンの7月27日まで、残り少なくなってまいりましたが、会社側と一体となった職員研修に努めるなど、「ヒロロスクエア」と商業フロアとの連動を念頭に置きながら、オープン初日からしっかりとしたサービスが提供できるように準備を進めてまいります。 一時は市民から見捨てられたビルだと、だから再生は無理だと、そういった揶揄をされた場面もございましたけれど、駅前の一等地、まちの顔として、再生に向け様々な壁を乗り越えてきた、そういう思いがあります。
市民の皆さまに、この施設を積極的に活用して盛り立てていただき、末永く愛されるビルとなるよう念願しているところです。このことを市民の皆さまにお願い申し上げたいと思います。
しっかりとしたサービスを提供したいと、「ヒロロスクエア」の部分について市長におっしゃっていただいて、そのうえで一つ質問なんですが、現在、子育て・健康・交流・行政ですか、4つの分野があって、それぞれ各担当課が持ち場を担当していると思うんですけれど、今の形でいきますと、「ヒロロスクエア」自体を統括する現場の責任者というか、そういうポジションの人は居ない状態だと思うんですけれども、今後、そういう人を置く予定はあるんですか。
私は日頃から、この「ヒロロスクエア」を統括して運営していくには、子育て、健康、交流の3つの分野、そして市役所の機能といった観点から調整を取る必要があると思っていまして、これをうまく機能させていくために全体として調整できる人間、そしてもう一つ、商業ビルの中の一角で3階を「ヒロロスクエア」とする訳ですので、ビル全体との関わりをしっかりコーディネートできる人間が必要だと常日頃から思っていました。ただ、いずれは設けるつもりでおりますが、今まだそこまでいっていない状況でございまして、その人選、それからどういう形で配置をするのかも含めて、今検討中でございます。
「ヒロロ」のことについてですね、中心市街地を活性化するということからいくと、「ヒロロ」だけが繁栄しても大変だと思うので、駅前の他の施設との連動とか、土手町との連動については、どのようにお考えでしょうか。
まずひとつ先行事例として、土手町、特に下土手ですが、土手町コミュニティパークが出来て人の流れが変わってきた、そしてその空き店舗も今無くなったという状況であります。人の流れが変わりました。それは、ひとつの核になる施設が出来て動きが出来たということであります。それに繋がって、例えば駐車場など無料化へのチャレンジも続いていると、それも最初1つの駐車場でしたが、今は3つになって1,000台を超えていると、そういう状況になりました。それがひとつの大きな先進事例になっていると思っています。ですから土手町のエリアには、土手町リバイバルプランというものも策定しています。
そしてもう一方で、今度は大町駅前のリバイバルプランという形で今進行している訳であります。商業施設は単独で存在するのではなくて、その商店街と全体として連動しながら動いていかなきゃならない。それは当然のことであります。大型店舗、隣にありますイトーヨーカ堂とそれから「ヒロロ」の連携というのも、極めて大事な要素となってくると思っています。
この連携がうまく促進できるような取り組みも、市として関わりながらやっていくというようなことも大事なことだと思っていますし、また中心商店街でありますので、その大きな2つの核店舗だけではなくて、そこに所在する様々な商店街の店舗が活力あるものに活性化していくということも同時に必要なわけです。
まずその一つは「ヒロロ」がひとつの大きな起爆剤となってイトーヨーカ堂と連携を組み、そしてそのことが相乗効果を産んで、さらにまた周辺の個々の店舗が活性化していくと。こういう状況を作り上げていくためにいろんな施策を考えていかなきゃならない、私はそう思っておりまして、そういった方向性を持ってこれからあの地区の施策を進めながら活力あるものにしていきたいと思っています。
多子家族のパスポートの関係。さくらまつりでも一部やられたと思うんですけれども、まあ本格的にこうやって多子家族支援始まるということで、改めて今回多子家族支援っていうのを注目してやられる思いとか、そういうところを伺えたらと思うんですが。
私は、子育て世代の負担感をいくらかでも軽くしたい、そういう思いでこの取り組みを進めてきています。いちばん手間暇のかかる世代に焦点をあてた形で支援をしていきたい、そういった思いです。
弘前さくらまつりの時に先例としてやって、手ごたえを感じていますので、これからそういったかたちのサービスが必要だとすれば、他のサービスも含めていろんな形でアイデアを募りながら子育て世代の負担感を減らしていく。
そういう取り組みはこれからも、これだけに限らず続けていきたいと思っています。もちろんお出かけパスもこの一環だということであります。
弘南電鉄の大鰐線について伺います。先月の終わりの記者会見の際もいろいろ伺ったのですが、その後会社側、特に社長からご説明という部分があるかと思うんですけど、なにかそのへんも含めて動きがあったのかというのが一点。
その後、社長の方が報道機関のインタビューなどに対して、経営的な支援は受けないというようなお話をされていたりとか、あと上下分離とか、また新たな形態での運行というものについては協議に応じるというか、そういうような部分のお話もされていたりします。そのへんも含めて今市長の中でどういったことを検討していらっしゃるのかというのを合わせて伺いたいと思います。
まず、弘南鉄道株式会社からその後も正式な説明や協議、この申し入れは今のところございません。存続に向けた立場に立ってこれからも協議するためにも、社長の真意や現在の状況を把握するためにも、担当を通して働きかけをしているのですが、現在のところ無いという状況でございます。
市としても、一刻も早く説明に来ていただきたいと希望しています。支援を受けないとかあるいは上下分離とかですね、これは私も報道でしか知らないですけれども、まだ説明を受けていません。
なかなか難しい話でありますけれども、この補助金等に対して経営支援の考えはないというその真意が私にはよくわからないんですよ。そのことをしっかり聞かなければならないなと思っています。
市民生活の足を確保するという観点からすれば、当然その補助金等の経営支援というのは選択肢の一つとしてあるわけですよね。路線バスのような運行経費の一部を補助する、こういうことは当然あるわけです。
たとえば、弘南バスはこういった補助金での運行でやっていけているという部分もあるんですよ。ですから当然それは視野にいれなければならない話だと私は思います。それがいいかどうかという議論をする前にそういう選択肢は有りうるということですよね。そう思います。
ですから自治体からの経営支援を受けないという社長が明言することに対してはその真意がわからないとしか私は今のところ申し上げられないんですよね。ですから、会社としてはいろんな可能性を排除せずに考えてほしいなと思います。一部報道で上下分離という話とか、あるいは事業譲渡ということを示しているとされていることは承知しています。
これまで会社の考えとして具体的な計画を正式に示されたことはない、そういった状況のなかで、市では様々なハード・ソフト事業を行ってきたということです。大鰐線廃止自体について会社から正式な申し入れ等が無い状況の中でその良し悪しについて私から発言することは、適当ではないと思います。
ただ、自治体から経営支援を受けないと言いつつも上下分離ならば良いという考え方、これはいずれも公的な支援に変わりはないと私は思うのです。ですからその真意が測りかねていると、こういうことです。もう少しお話をすれば、社長が、平成21年に実施したアンケート調査の中で6割の人が大鰐線は必要だと言っているにもかかわらず、6割の人が大鰐線に乗らないと言っているという、そういった市のアンケート調査の結果をもってなかなか難しいと言っているんですよね。
けれど私が市長に就任して以来、様々な手を打ってきました。その21年のアンケート調査、私は22年度以降市長となっていますのでそれ以降、沿線の皆さんの考え方も少しずつ変わってきているのではないのかなと思っているんですよ。市民を巻き込みながらいろんな利用促進に取り組んできました。
近年は、年間利用者が前年度比で10パーセント以上も減少した年もありましたけれど、平成24年度は2パーセント減程度で留まっているんですよ。それから定期利用以外の一般利用者については、平成22年度以降横ばいで推移しているという状況もございまして、下げ止まりの兆しが見えつつあるのではという認識もあるんですよね。ですからこういった市の思いが会社に届いていないということであれば、それは大変残念なことだと私自身思っています。
これから、沿線の市町村、特に大鰐町、弘前市が中心になると思いますけれども、連携を組みながら沿線の方々にまず説明をしっかりする。それは町会あるいは学校関係ですよね、こういった方々にもしっかり説明をしながら、その反応を伺いながら、ご意見を伺いながら、市として出来る限りのことをこれから会社側と協議をし、良い解決策を見つけていきたいと思っています。