(会見者: 葛西憲之 市長)
1.記者会見次第(82KB)
2.弘前産りんご・米「つがるロマン」の消費拡大に係るトップセールスについて(99KB)
3.平成23年度弘前市公衆無線LAN環境整備事業について(736KB)
まず、豪雪への対応についてであります。
強い冬型の気圧配置が続いた影響で、連日大雪が続き、平成17年度以来の豪雪に見舞われております。市では、1月30日、午前8時30分に「弘前市豪雪対策本部」を設置し、地域防災計画に基づき、市のあらゆる手段を総動員し、市民生活を支え、この豪雪を乗り切るよう、各種対策を講じております。たとえば、小中学生の通学時の安全確保のため、市職員を動員して通学路の除雪を実施しております。
市民の皆さまにおかれましても、除雪や雪下ろしに際しては、ご近所と助けあい、声をかけ合うなど、ケガ予防・事故防止に十分気をつけながら、この冬を乗り切っていただきたいと思います。
次に、3市合同の台湾観光プロモーション活動についてであります。
2月5日から4日間の日程で、函館、青森、弘前の3市長のほか、商工会議所、観光コンベンション協会のトップが合同で台湾の台北、台中を訪問し、観光プロモーション活動を行ってまいりました。トップシーズンのさくらまつり期間中に、外国人観光客のための一定数の宿泊先を確保したほか、青森空港から弘前市内までの無料送迎など、具体的な提案を持ってセールス活動を行ってまいりました。
青森-ソウル便の維持発展に今後とも貢献していくほか、台湾からの青森空港へのチャーター便の運航促進など、急拡大している東アジア地域のマーケットを見据え、アクションプランに基づき、積極的な情報発信と受け入れ態勢の整備に力を入れてまいります。
次に、弘前産りんごのトップセールスについてであります。
先月11日から5日間の日程で、台湾で弘前産りんごの販売促進キャンペーンを行ってまいりました。13日は、会場となった台南市の百貨店「大遠百」において、りんごとアップルマンゴーの果実交流の実現と、観光・文化等の交流の発展について、顔(イェン)台南副市長と共同記者会見を行い、弘前産りんご販売促進キャンペーンを行いました。
会場には30社を超えるマスメディアが集まり、台湾の主要テレビ局であるFTVやTVBSは、その日のうちに台湾全土に記者会見の様子を放映しております。また、台湾時報、自由時報、中華日報には、顔副市長などと一緒の写真入りで取り上げられ、台湾での弘前市の知名度アップに繋がったものと考えております。14日は頼(ライ)市長と会談し、6月の、弘前でのアップルマンゴーのキャンペーン開催について、ぜひ実現したいと積極的なお返事をいただきました。
13日から15日までのキャンペーン期間中に行ったりんごの試食販売では、初日と2日目が完売だったほか、台南市政府内からも多数注文をいただくなど、台南市でのりんご消費拡大に大きな成果があったと考えております。国内においては、「パワーアップる!弘前産りんごPRキャラバン」を、今後、札幌、名古屋、仙台において実施し、弘前産りんごのPRを継続してまいります。
次に、弘前産米「つがるロマン」のトップセールスについてであります。
昨年、弘前産米の「つがるロマン」が、大阪府学校給食会の学校給食専用銘柄米に採用されたことを受け、更なる販路拡大を図るため、2月20日、大阪府学校給食会と大手米穀卸売業の津田物産株式会社を訪問し、弘前産米「つがるロマン」のPRを行ってまいります。
次に、防災体制の強化についてであります。
未曽有の被害をもたらした東日本大震災の発生から、あと1か月で1年が経過しようとしております。当市では幸い、大きな被害はなかったものの、避難所の開設、災害時要援護者の見守り体制、食料備蓄、市民への情報伝達などが課題として浮き彫りとなりました。
そのため、これまでに市役所や総合支所、地区公民館を新たに避難所として整備したり、ツイッターによる情報提供や災害時要援護者の見守り体制の強化などを行ってまいりました。
残る課題である食料備蓄対策としては、東部学校給食センターにおいて、6,000食分、420キログラムの精米を常時備蓄する体制を構築することといたしました。
また、このほか阪神・淡路大震災で被災した兵庫県西宮市が開発した「被災者支援システム」を導入することといたしました。このシステムの導入により、被災証明書の発行、義援金の交付、避難所の管理、被災者台帳作成などを一括で管理できるようになります。
東日本大震災の発生からちょうど1年にあたる、3月11日までにこれらを導入し、より一層防災体制の強化を図っていくほか、震災後2年目にあたる平成24年度以降は、自主防災組織の充実、備蓄体制の強化など更なる防災体制の整備に努めてまいります。
弘前城雪燈籠まつりへの被災者招待についてであります。
明日11日、現在開催中の弘前城雪燈籠まつりへ被災地の2市2町1村(宮古市、釜石市、山田町、大槌町、野田村)から被災者300名を招待いたします。今回の招待は、弘前青年会議所が中心となり、多くの市民団体の協力のもと実施に至ったものであります。そのなかでは、鎮魂と復興の祈りを込めた内容で実施されると伺っております。
若い人たちが中心となってこうした活動を積極的にやっていただいていることを心強く感じ、大変うれしく思っております。また、今もなお、多くの市民や団体の皆様から、被災地等の支援に対するご寄附をいただいており、この場をお借りして改めて感謝申し上げます。
公衆無線LANの環境整備事業についてであります。
市では、弘前公園内と周辺の公共施設に公衆無線LANの環境整備に今年度から着手し、今年の「さくらまつり」から利用できるよう現在準備を進めております。この取り組みは、最近、急激に普及しているスマートフォンやモバイルパソコンなどの携帯型情報端末の無線LAN機能を使い、インターネットを無料で利用できるようにするものであり、当市を訪れる観光客の情報入手の利便性向上と、中心市街地のインターネット接続環境の高速化、容易化を進めるために実施するものであります。
場所は、観光客が集まる弘前城を中心としたエリアで、本丸を含めた弘前公園内と、緑の相談所、武徳殿、市民会館、観光館、文化センターに設置する予定であります。現在、弘前商工会議所が中心となって、主にJR弘前駅から弘前公園にかけてのホテルや、店舗等の商業施設に無線LANの導入を進めていると伺っておりますので、市も歩調を合わせて整備に取り組むこととしたものであります。
(パネルの説明)
これが、無線LANの設置イメージであります。弘前公園内の無線LANが利用できる範囲をパネルに示しました。本丸と主要な園路をカバーするため、10か所程度のアクセスポイントを設置する予定です。通信距離は、最大半径100メートルを見込んでおり、青色で示したエリアが、屋外で通信可能な範囲ということになります。弘前公園全体のおよそ80パーセントをカバーすることとなります。
最後に、「~笑顔あふれるまちなか合コン~ひろさき合コンリーグ」についてであります。
明日11日と25日に開催される「ひろさき合コンリーグ」は、弘前商工会議所青年部、鍛冶町防犯協会、鍛冶町創造委員会の3団体が連携し、市の補助金を活用して行う事業で、弘前では初開催となる、いわゆる「まちコン」です。
男女各100チーム、総勢600名が参加するとのことで、鍛冶町周辺は、大変な賑わいになるものと思われ、地域経済の活性化に繋がる非常に良い取り組みであると思います。参加される皆さんによい出会いがありますようにお祈りしております。私からは以上です。
新年度予算案の編成作業が進んでいると思いますが、予算規模はどれくらいになると考えていますか。また、いわゆる目玉事業としてどのようなものを考えていますか。
予算の編成状況について申し上げます。
平成24年度予算を編成するに当たっては、長引く景気低迷に加え、円高や東日本大震災による影響などにより、歳入では市税や地方交付税の大きな伸びは期待できず、一方、歳出では、社会保障関係経費の増額が見込まれるなど厳しい財政状況にありますが、市民生活に直結する事務、事業について極力影響を及ぼさないよう行政サービス水準の確保に心がけるとともに、東日本大震災を教訓とした新たな課題などへの取り組みに意を用いたところであります。歳入歳出予算額は、約745億円の規模となる見込みでありまして、前年度の当初予算と比較し、約26億円の増、約3.6パーセントの伸びになるものと考えております。
次に、目玉事業としてどのような事業を考えているかということですが、5つほど申し上げたいと思います。
1つ目は、平成24年度はアクションプランの3年目にあたり、「7つの約束」の達成に向けたこれまでの取り組みをPDCAサイクルにより「進化・成長」させ、私の目指す「子ども達の笑顔あふれる弘前づくり」の実現に向け、ステップアップを図ってまいります。
具体的には、子育てに適した住環境の整備に対する補助金の新設、放課後児童健全育成の充実を図るため(仮称)城東児童館の建設、そして小学校の4学年に少人数学級の導入などであります。
2つ目は、弘前城築城400年祭の成果を引き継ぐ事業といたしまして「弘前城薪能」、稚児行列や流鏑馬などの「卍フェスティバル」を継続します。更には、弘前城築城400年祭の成果をステップに、弘前市の知名度の向上、イメージアップのため情報発信の強化を図るなどの「『いいね!弘前』シティプロモーション推進事業」をスタートさせます。
3つ目は、平成23年度は農業、観光に焦点をあて取り組んでまいりましが、これを継続しつつ、平成24年度は食産業をはじめ製造業にスポットをあて、成長戦略を講じて伸ばしていきたいと考えております。具体的には、当市のものづくり産業の現状と課題を調査し、新たな展開策を探る「弘前のものづくりの未来を探る調査事業」、専門家を起用し、具体的に地域企業の経営改善、生産改善を行うと共に、市外の企業とのマッチング等の支援を行う「ものづくりコーディネート事業」などにより、市のものづくり産業の強化に取り組んでまいります。
4つ目は、東日本大震災を教訓に、新エネルギービジョンの見直しやスマートシティ構想の策定に取り組み、当市の地域特性を生かしたエネルギー政策、さらにはこれを活かしたまちづくりを進めてまいりたいと考えております。あわせて、住宅用太陽光発電設備および蓄電池の導入を支援する補助制度を創設します。
5つ目は、春のさくらまつりや夏のねぷたまつりのように、秋のまつりの魅力を増し集客力を高めるため、弘前城菊と紅葉まつりやりんご収穫祭に加え、新たにりんごをキーワードにまちなかをりんご色に染める「弘前りんごまつり」を実施し、年間を通じて多くの観光客に訪れていただき、賑わいのあるまちづくりを進めていきたいと考えております。
以上、主な事業について申し上げましたが、この他の個々の事業の内容、予算額等につきましては、21日の会見でお話しさせていただき、また、ご質問にお答えしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
いくつか目玉事業がありますけれども、「『いいね!弘前』シティプロモーション推進事業」の概要をお知らせください。
弘前城築城400年祭の成果をステップに、より明確な弘前市の都市イメージの確立と、認知度の高揚を図るため、あらゆる媒体を利用し、全庁的、戦略的に情報発信力推進を図る事業です。
具体的には、広告の掲載とかそういうものになるんでしょうか。
ホームページへの動画サイトの設置や、プレスリリース配信業務、全国のコミュニティFMネットワークを利用した事業などさまざまなことを考えています。もちろんシティプロモーションということですので、たとえば、弘前市のイメージを表すような、統一的なプロモーションのチラシを作成し、市内のさまざまな団体が、他の都市や海外へ出かける際に、それを持って行っていただく、そういうようなことも含めて考えています。
駅前のジョッパルの件について、債権取得の交渉が難航しているということについて、市長の見解を伺いたい。
市内の意欲的な事業者が現れて、熱心に取り組んで来られたということですので、展望が開けていない状況が続いているということは、非常に残念だと思っています。
結論は出ていないが、万が一、交渉が決裂ということになったら、何らかの市の対応というものはあるのか。
現状では、推移を見守るしかないと申し上げるしかありません。
市長のマニフェストの重要課題のひとつに、ジョッパルの再生が挙げられていると思うが、交渉が行き詰まった場合、市として、新たな方策、例えば市が直接買うとか、そういうことは考えているか。
市が直接買うということは考えていません。
今までと同じく、あくまでも民間事業者主導ということか
今まで申し上げてきたとおり、民間事業者が主体的に取り組む、そのことに支援するということについては変わっていません。
現在の事業者による交渉が決裂してしまった場合、まちづくりに与える影響というのをどう考えるか。
この交渉が決裂し、事業ができないという状況になれば、中心市街地の活性化にとって極めてダメージが大きいものと考えています。
ジョッパルに関して、市は庁内会議を発足させている状況だが、交渉決裂で、もし事業者が身を引くとなれば、庁内会議はどうなるか。
庁内会議は、あくまでも、事業者の具体的な計画に沿った形で設置したものなので、当然それ以上の進展はないということになると思っています。
庁内会議は残しておくのか、それとも、会議自体をなくしてしまうのか。
事業者が撤退したという話はうけたまわっていませんので、まだ残っているということです。
台湾の観光プロモーションについて、具体的な提案を持って行ったということだが手応えはあったか。
3市が合同でプロモーション活動を行ったということに対しての反応は、極めて良いものでした。県全体という形よりも、具体的な3都市が連携した取り組みになれば、かなり焦点が絞られますので、話が具体的で良いというお話をいただきました。
航空会社や旅行会社を訪問しましたが、チャーター便については、総じてその可能性が非常に高いと思います。ある旅行会社では、具体的なチャーターの計画、送客の計画を示されて、それについて私どもの方からプレゼンテーションをした段階で、日程を変更し、弘前観光を追加してもらえたというものもありました。したがって、これから青森空港を利用したチャーター便については、相当程度期待できると考えています。
具体的なお話について、ここですべてを申し上げる訳にはいきませんが、それぞれの旅行会社、航空会社において手応えがありました。必ず実現できるものと思っております。それは、格別に青森空港だけを活用するということだけではなく、JAL、CI(中華航空)、復興航空等のさまざまな航空会社がありますが、一旦東京に着いてからの送客ということについても、十分手応えがあったということです。
岩木川のゴルフ場ですが、社会体育施設という位置づけで、新年度も指定管理料を支出される方向と伺っていますが、いろいろ聞くと社会体育施設としてやっていくにしても、今の経営体制が脆弱というか、不十分なんじゃないかという指摘があると思うんです。
その辺について、何らかのテコ入れというか、改善の方向などが見えてこないと、漫然と指定管理料が出ていくことに対する懸念、危惧があるように思うんですが、そこら辺の市長の知見をお伺いしたい。
この問題を考える場合の視点がいくつかあると思います。今の弘前ウォーターフロント開発(株)の体制の問題が一つあると思いますし、前提として、ゴルフ場が社会体育施設として必要だという判断があるのであれば、市民に対して一番負担のかからない方法を考えなければならないと思っています。
それを考えていく場合に、今の弘前ウォーターフロント開発(株)以外に、最少の費用で運営していけるというような方向性がなかなか見えない。ゴルフ場の管理そのものには芝の管理や運営の問題、たとえば駐車場やクラブハウスなどさまざまなものが付随しています。
これらを実際に所有しているのは弘前ウォーターフロント開発(株)ということですから、これを使いながら運用していく、最小限の費用でこの社会体育施設を維持していくとなると、どうしても弘前ウォーターフロント開発(株)なのかなという思いはあります。
ウォーターフロントについては、庁内の論議の中で、最初に総務部が、方法論として、三セク評価委員会の結論を踏まえた方向で行くという方向性が決まっていました。
さらに市長さんが代わられてからですが、教育委員会の方で、指定管理料という維持費500万円を出していくという方向に変わっていっているという経緯がある。
とすると市長がおっしゃるとおり、最小限の費用の中でやっていけるところでという考え方は確かにあると思うが、その前に、やっていくところ自体が、任せるところ自体が、既に経営的に危ないというような位置づけ、あるいはそういう見方が庁内に存在していたという中で、他に代わる会社がないから、そこでやっていくということについては、もう少ししっかりした庁内論議なり、市民への説明が必要なのではないか。これだけ論議になっているのに、実はいまだかつて当該会社から市民に対する説明がない。平成23年度は税金が投入されているわけです。
しかも継続的にもらいたいという意思を示していて、教育委員会もその方向に持っていこうとしている。
今のお話を聞くと、市長もその方向が念頭にあるようなお答えです。赤字を抱えている三セクに対して、市の税金を投入していくんだという時に、その経営主体である会社が、市あるいは市民に対して、こうしたい、助けてほしいなら助けてほしいと、しっかり言わなければ市民は納得しないと思います。そこの論議が何もなくて、いつも議会や委員会などには、市の代弁として出てくる。
要するに、弘前ウォーターフロント開発(株)はこう言ってる、こうなるんじゃないかと。当事者として、市民に対してしっかりモノを言うべき時期ではないか。それが欠けているのではないか。
そういうことがない中で、市長が、新年度予算にこれを予算づけしていくとなれば、相当市民から反論、反対というか、いわゆるモノ言わない反対が大きく拡がっていくのではないかと危惧していますがどうでしょうか。
説明責任を果たしていないのではないかという部分については、市として、三セクに対し、さまざまな資料の提供を促し、それを受け入れ、それについてご説明申し上げているということで、私は、市の責任を果たしてきていると思っています。
ただ、会社側から説明がないということについては、私がこの場でそれをそうだと肯定的なお話をする立場ではないと思っています。
市民にとって一番負担のかからない方法として、弘前ウォーターフロント開発(株)以外に考えづらいという話だったが、指定管理者を替えるという選択肢はないか。
指定管理者を替えるという選択肢があるとしても、費用面から検討していけば、なかなか難しい話だろうと思っています。実際にその利用料金制を併用した形での管理についてということなので、それに付随したさまざまな施設の利用も含めた対応ということになると、今の状況ではなかなか難しいのではないかと考えています。