(会見者: 葛西憲之 市長)
1.記者会見次第(122KB)
2.インバウンド・りんご輸出促進・広域連携強化に係る日程(49KB)
3.「地域主権時代の自治体経営フォーラム」チラシ(315KB)
今年の弘前さくらまつりは、遅咲きが予想されたことから、会期を2日間延長して5月7日までとするとともに、新たに「さくら咲いてネ」キャンペーンを実施し、遅咲き対応を行いました。
開幕当初は肌寒い日が続きました。3日目からは好天に恵まれまして、当初予想より2日早い4月27日に開花し、4日連続で夏日が続いたこともあり、5月1日に園内一斉に満開となりました。
まつり前半は、団体客を中心にまずまずの人出となったものの、満開が2日間と短かったうえに、見ごろとなったゴールデンウィーク後半は雨天が続き、会期延長分も含めた人出は212万人となりました。
まつり期間中に、市役所が休日にあたる7日間について、市役所本館の屋上を開放し、地上14メートルの高い位置から、日本一の桜を観てもらうことで実施いたしました。
期間中は、13,769人もの多くの方に屋上からの桜を観ていただき、新たな見学スポットを提供できたものと思っております。見学者の皆様からはたくさんのアンケートをいただいておりますが、それらを検討、分析しながら来年度以降の対応をしてまいりたいと考えております。
当市の「趣のある建物」に指定しております「旧紺屋町消防屯所」は、まつり期間の前後の公開ということで、4月20日から5月13日まで公開しておりますが、まつり期間中の見学者は2,129人となっております。この旧消防屯所につきましては、今後、ライトアップ等の外構整備をいたしまして、弘前公園周辺の観光施設の一つにしたいと考えております。
現在、りんご公園では、「りんご花まつり」を開催中ですが、今年のりんごの開花は、6日の開会式時点で、既に花が咲いている枝も見られたものの、一面満開になるのは、16日頃と見込んでいます。
今年は、県内外から多くの観光客の集客を図るために、趣向を凝らしたイベントとして、「りんご娘」や「津軽三味線」のライブ、ねぷた運行、巨大アップルパイの実演販売などのほか、新たな企画として、まつり期間後半の18日から20日まで夜間のライトアップも行います。
会期は5月20日までとなっておりますので、市民の皆さまにも、バージョンアップした「りんご花まつり」を存分に楽しんでいただきたいと思います。
3月に「弘前市アクションプラン2012」、先月は各部ごとの重要な施策や事業の実施を約束する「部長実行宣言2012」を策定・公表いたしました。
今年度も市民の皆様とともにPDCAサイクルによる進行管理を着実に推し進め、目標を達成してまいります。まずは、PDCAサイクルのC(チェック)でありますが、市政に対する市民の皆さんのご意見やお考えを伺うため「市民評価アンケート」を実施いたします。
5月17日には、アンケート用紙を6,000人に郵送する予定ですので、是非ご協力いただきますようお願いいたします。
また、5月27日には、市民一丸となったアクションプランの取り組みを進めることを目的に「地域主権時代の自治体経営フォーラム」を開催します。早稲田大学マニフェスト研究所所長の北川正恭氏に、基調講演をいただくほか、事例発表やパネルディスカッションを予定しておりますので、多くの市民の皆さんにご参加いただきたいと思います。
インバウンド対策を推進するため、5月10日から13日までの日程で開催される「上海世界観光博覧会」へ職員を派遣し、観光案内ブースで観光PRを行うとともに、旅行エージェントを訪問し、中国からの誘客促進を図ります。
台湾関係では、青森県と連携し、5月23日から26日の日程で青森空港へのチャーター便の誘致と提携旅行エージェントへの商品造成を働きかけするトップセールスを予定しております。
りんご関係では、弘前産りんごとアップルマンゴーの果実交流と観光・文化等の交流を発展させるため、農林部及び観光局の職員を伴いまして、台南市政府及び関係団体等を訪問することとしております。
(パネル説明)
台南市は台湾の南西に位置しています。面積は約2,200平方キロメートル、人口は約187万人です。
歴史文化の古都と呼ばれ、歴史的な建築物や史跡が数多く残っています。気候は熱帯気候であり、温暖な気候を利用したアップルマンゴーの栽培が盛んです。赤い外観がりんごに似ていることから、アップルマンゴーと呼ばれ、台湾から輸出される主要果物の一つとなっております。
青森県が5月30日から6月1日の日程で実施する「青森・ソウル線利用促進ミッション団」へ蛯名副市長を派遣し、現地旅行会社や総合商社などを訪問し、利用促進に向けた要請活動を実施いたします。
国内関係でありますが、5月12日及び13日の2日間、弘前・函館間を結ぶ「スーパー白鳥」が初めて直通で運行されることとなりました。初日の12日は、弘前駅で出発式等のイベントを実施するほか、私も乗車し、PRに努めたいと考えております。
当市の誘致企業として、平成20年6月からコールセンター業務を開始しております、テルウェル東北株式会社が、業務拡大によりまして、新たに50人規模の雇用が必要となり、現在、採用に向けて募集受付を行っております。
厳しい雇用情勢の中、大きな雇用につながる明るいニュースで、当市に立地している誘致企業には、地域経済や雇用など、様々な形で市に貢献いただいておりますことを、ご報告させていただきます。
昨年11月に開催され大盛況に終わりました「弘前ストリートダンス&パフォーマンスフェスティバル」ですが、今年も、5月12日、土手町通り及び市民中央広場において開催されます。
今回はダンスバトルのほか、スケートボードのバトルや、ものづくりワークショップ、書道パフォーマンスなど、前回以上の企画が用意されていると伺っており、若者をはじめ大勢の観客で賑わうものと大変期待しているところです。
また、6月16日には、恒例イベントとして定着しております「古都ひろさき花火の集い」が開催されます。 市民の皆さまにおかれましては、ぜひとも、両イベントに足をお運びいただき、有意義な時間をお過ごしいただければと思います。私からは以上です。
国の重要文化財になっている東照宮本殿について、本殿を所有する宗教法人の破産手続きが開始された。
私たちの取材では、破産管財人のほうでは、自治体に引き取ってもらいたいという考えも聞いているが、市に対して、本殿の譲渡や何らかの形での管理依頼や協力の要請などがあったのか。仮にあった場合、市として、どのように対応するのか。あるいは、対応はしないのかお聞かせ願いたい。
また東照宮は、弘前市の成り立ちにも繋がるかつての弘前藩・津軽家と徳川家との関わりもある。何らかの条件が整えば、歴史文化遺産として保存に乗り出す余地はあるのか。
東照宮本殿の市への譲渡について、東照宮の破産管財人側からは、担当課へ4月19日に電話があり、「寄付の受け入れの可能性」について問い合わせがあったことは報告を受けています。
東照宮が宗教法人ということで、これまでは、建物の管理や周囲の整備に対して市が直接介入するわけにはいかないことから、本殿の保存について、文化庁や県教育委員会と協議をしてまいりました。
所有者である東照宮には、破損個所の修繕や防災機器の点検などを行うよう口頭で、重ねて要請をしてきましたが、実質的には管理者不在という状況が続いておりまして、4月10日には、東照宮より、4月6日に破産手続が開始されたとの報告を受けております。
東照宮は、裁判所の破産手続開始決定を受け、既に宗教法人を解散しておりまして、その意味においては、例えば本殿の寄付いわゆる無償譲渡受入れなど、検討する余地が出て来たものと考えております。現在、東照宮本殿は、破産管財人の管理となっておりまして、市が保存に関与するには、債権者集会において、無償譲渡について、債権者に異議がなく、破産手続きが終了することが重要と考えております。
いずれにいたしましても、東照宮は、藩政時代に江戸幕府との密接な関係を象徴する当地域の歴史的に意義のある重要な建造物であり、適切な保存がなされていかなければならないものと考えております。
今後、無償譲渡の受け入れの検討の余地があるということだったが、周囲の土地や建物、本殿の下の土地、これは現在も所有者が所有していると思うが、もし無償譲渡となった場合、周囲の土地や本殿の下の土地などを、例えば購入するというような考えもあるのか。
まず無償譲渡ということについて見定める必要があると思っています。土地付きなのか、そうではないのか。あるいは本殿だけなのか。周辺には、玉垣などもありますので、そのようなことも含めて、しっかりとしたお話を伺うというのが最初にあると思っています。
要は、無償というところがポイントだということか。
そうですね。やはり無償ということであれば、検討する余地があると思っています。
現在あの土地は、東京の不動産会社が所有しており、史跡の指定を受けているわけでもありません。あの周辺一帯について、これからのことを、どのように考えておられるのか、そういったことも影響してくると思っております。いずれにしても本殿を受け入れるということについて、検討はしなければならないと考えております。
土地と、国重要文化財に指定されている建物の所有者が違うというのが現状だと思うが、今までの経緯を見ると、その土地が転売されている経緯がある。国重要文化財が建つ土地が売買されている。
これについては、文化財保護法などで、全く規制していないが、このような法体系について、市長の見解をお聞かせいただきたい。
文化財の底地が、国なり公のものであるということが理想だと思います。ただそこに規定が及んでいない現状で、そのことについて、私の方から、あれこれ言及することもできませんので、今あるものについて状況を受け止め、どう解決するのかということに尽きると思いす。
現状では、たらればの話しかできないが、前提条件が認められたとして、債権者集会でも異議なく無償譲渡となった場合、土地がついてくれば儲けものだが、ないことを想定せざるを得ない。そうした場合に、移築ということが考えられるが、市長の頭の中に、ビジョンとして、移築ということは有力な選択肢としてあるか。
いろんな議論はあると思います。経緯からすれば、本来はあの場所でしっかり保存されるべきものだと考えますが、それがならない場合に、移築ということも視野に入れなければならないと思っています。
ですからあらゆる可能性を排除せず、さまざまな議論をしながら練り上げていく。いずれにしても、権利関係の問題があるので、債権者集会において異議なく無償譲渡ということになれば、そこからがスタートになると思っています。
今年度初めての取り組みとなるライド・トゥー・パークについて、なかなか駐車場が満杯になるような状況ではなかったようだが、どのように総括するか。
駐車場については、今までは、岩木川河川敷駐車場と堀越駐車場という体制でやってきており、堀越駐車場では1,500台ほどの需要がありました。
今回は、社会実験として、弘果駐車場、高田5丁目駐車場、土手町分庁舎駐車場の3カ所を新たな駐車場に設定しましたが、昨年の堀越駐車場の駐車台数実績と、3駐車場と今年の堀越駐車場の駐車台数の合計が、ほぼ同じとなっており、そのうち堀越駐車場がおよそ500台だったということなので、おおざっぱに言えば、1,000台が新たに3つ設けられた駐車場にシフトしてきた、まちなかに入ってきたと考えています。アンケート調査では、巡回バス利用者の約半分がまち歩きをしたということですから、非常に効果があったと思っております。
昨日、県りんご等果樹雪害対策連絡会議が開催され、県全体で被害額が94.5億円、弘前市でも34億円ということだったが、これを市長としてどう受け止めるか。 また、鹿内青森市長は、県に対し雪害に対応できる制度を創ってほしいと申し入れをしているが、弘前市としては何かそういうものを考えているか。
今回の被害額が34億円ということで、平成17年豪雪に比べれば確かに低いが、大変憂慮しています。
何とかそれを乗り越えるために補正予算を組み、融雪剤の散布や塗布剤の購入費補助、苗木の購入費補助というところまで、全てセットアップしているので、これをまず有効に活用していくことだと思っています。
ただ、これだけで足りるのかということがあります。これが非常に心配されるところであります。平成17年豪雪の時には、国の補助、県、市の三者での支援体制が組まれた経緯があり、何とかそれをもう一度適用できないかと考えており、今月の16日に、農水省にまいりまして、政務三役に対し、私の方から直接ご要望申し上げたいと考えています。
また、市の事業で果樹経営支援事業というのがありますが、さらにそれを超えた措置ができないかということについて、本日開催される「ひろさき農林業危機対策連絡会議」において、私の方から提案する予定です。
もう一つは、苗木の確保をどう確保するかがこれからの課題になると思っています。今市内あるいは、県内の種苗業者に対してヒアリングをかけている最中ですので、その点についても、午後の会議でご報告できるかと思っています。