(会見者: 櫻田 宏 市長)
1.記者会見次第(あいさつの主な項目等)(89KB)
2.弘前ねぷた in 神戸2022(347KB)
3.「歌川広重 二つの東海道五拾三次」(3327KB)
はじめに、今年の弘前さくらまつりは、4月中旬に入ってから夏日を記録する日があるなど気温の高い日が続き、急速に開花が早まったことから、急遽、4月21日からとしていた準まつり体制を2日前倒しして4月19日からとし、入園受付やライトアップ、出店の営業などを開始いたしました。
期間中は好天に恵まれ、準まつり初日4月19日から多くの方々が弘前公園を訪れ、5月5日までの期間中に来園の受付をされた方は336,299人となり、昨年を129,167人上回る結果となりました。
内訳といたしましては、市内の方が99,365人、県内の方が112,789人、県外の方が124,145人となっております。
特に、園内のソメイヨシノが満開を迎えた4月22日金曜日の夜から23日、24日にかけては、多くの市民や観光客で賑わい、5月に入ってからも遅咲きの桜を楽しむ方々が多かったと思っております。
園内では、3年ぶりに復活した「中濠観光舟」や「西濠のボート」がお濠に浮かぶ姿、桜を愛でながら楽しそうに散策する大勢の人々、出店で買い求めた食べ物を決められた場所で味わうご家族連れなど、コロナ禍以前のさくらまつりを彷彿とさせるような、賑やかで活気のある光景が至る所で見られたところであります。
その中においても、新型コロナウイルスの感染防止対策として、昨年同様、園内での飲酒や食べ歩きを禁止など、様々な制約やお願いをすることになりましたが、来園された皆様や、運営にご協力いただいた皆様が、それぞれしっかりとルールを守っていただいており、大きな事故やトラブルもなく、盛況のうちに無事まつりを閉幕することができました。
皆様におかれましては、まつりの運営と感染防止対策にご理解、ご協力を賜り、主催団体を代表いたしまして改めて深く感謝を申し上げる次第であります。
今年は、3年ぶりに行動制限がないゴールデンウィークとなり、全国の観光地は各地で賑わいを見せ、徐々に観光需要の回復の兆しが現れてきております。
今後、当市におきましても、これまでのまつり運営等のノウハウを活かしながら、ウィズコロナにおけるまつりやイベントを安全安心に開催することによって、高まりつつある観光需要を的確に取り込み、地域経済の回復を図ってまいります。
次に、5月27日、28日の2日間に香川県琴平町で開催される「四国金毘羅ねぷた祭り」に大型扇ねぷたを出陣させ、琴平の街を運行することとなりました。
出陣するのは、平成29年に製作した高さ8メートルの遠征用の折り畳み式ねぷたで、四国へは初出陣となります。
四国金毘羅ねぷた祭りは、令和2年に「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が、新型コロナウイルスの影響により中止となったことから、その代替イベントとして、琴平町からねぷた運行の依頼があったこと、また、琴平町の副町長が当市の出身であるというご縁などから実現に至ったものであります。
今回、運行するねぷたは、令和2年に開催予定であった四国こんぴら歌舞伎大芝居の演目の一つである「義賢最期(よしかたさいご)」を題材とした本格的なねぷたとなっておりますので、琴平町を始め、四国地方の皆様に、是非とも楽しんでいただきたいと思っております。
ねぷた運行の他にも、ねぷた絵師 三浦吞龍氏によるねぷた絵制作の実演、津軽三味線、お囃子演奏や物産展などを実施いたします。
世界最大級の錦絵であるねぷたの迫力や、当市の魅力を存分にPRし、当市への誘客へ繋げてまいりたいと考えております。
次に、6月3日から5日までの3日間、兵庫県神戸市において、大型ねぷたを活用した観光プロモーション「弘前ねぷたin神戸2022」を開催いたします。
神戸市は、令和2年3月に株式会社フジドリームエアラインズの青森・神戸間の新規就航により、青森県へのアクセスが容易となった関西圏を代表する観光都市であります。
また、神戸市は関西圏から多方面への交通の拠点となっており、関西圏からの新たな観光需要の獲得を図るとともに、相互の誘客促進を目的として、大型ねぷたを活用したプロモーションを実施いたします。
今年は、弘前ねぷたが文献に登場して300年の節目となり「弘前ねぷた300年祭」も開催いたします。
期間中は、大型ねぷたの展示のほか、ねぷた囃子の演奏やりんご娘のライブなど、様々なイベントを行い、神戸市民及び圏域の皆様に、ねぷたをはじめとした弘前の魅力を感じ、「弘前市に行ってみたい」「本場の弘前ねぷたを見に行こう」と思っていただけるようPRしてまいります。
市立博物館では、特別企画展1「歌川広重 二つの東海道五拾三次」を5月21日土曜日から7月10日日曜日まで、休館なしで開催いたします。
本展覧会は、歌川広重の代表作とされる「東海道五拾三次」を、参考資料もあわせ約165点紹介するものであります。
歌川広重は、江戸時代に活躍した浮世絵師で、風景を描いた木版画の錦絵で人気を博したほか、ゴッホなど西洋の画家にも影響を与え、世界的に評価の高い絵師と言われております。
特に、「東海道五拾三次」は、小学校社会科の教科書にも掲載され、多くの子ども達にも知られているとともに、大人の皆様には歌川ではなく安藤広重と習った方も多いのではないでしょうか。
この「東海道五拾三次」は、江戸の日本橋から京都の三条大橋までを結んだ東海道の各宿場を題材に描かれ、当時の旅ブームに乗り大評判となりました。今回は、保永堂版と丸清版という2つのシリーズを同時に展示し、同じ宿場を描いても構図や登場人物などが異なる2つの東海道五拾三次を比較しながら、楽しめる内容となっておりますので、多くの皆様に鑑賞していただきたいと思っております。
先月開院した総合医療センター、いのちをつなぐ道路はおよそ1カ月経過しましたが、今の状況をお願いします。
新中核病院「弘前総合医療センター」は、当初の予定通り、4月1日開院し、同日に入院診療、6日には外来診療がスタートしております。
救急患者の対応につきましても、4月9日から休日・夜間の二次救急体制がスタートし、医療センター及び消防本部からの聞き取りでは、問題なく、患者の受け入れを行っていると伺っております。
開院後1カ月余りであるため、入院や外来の患者数等、利用状況の各種指標はまとまっていないとのことですが、今後、医療センターから情報提供していただくこととしております。
市といたしましては、これまでと同様に医療センターと連絡・調整を図りながら、医療提供体制に係る各種取り組みを進めてまいりたいと考えております。
また、弘前総合医療センターの開院に合わせ、3月28日に供用開始した「市道住吉町山道町線」及び「都市計画道路3・4・6号山道町樋の口町線」の効果につきましては、この道路を利用している来院者等の実数や意見は把握していないものの、緊急搬送を行っている弘前地区消防事務組合の救急隊員からは、「視界や道路状況が良好になった」、「これまでは右左折が必要であったが、まっすぐつながったことにより救急搬送の時間短縮につながった」、「一方通行が解除になったことで利便性が向上した」などの意見をいただいていることから、同様の効果があるものと捉えております。
そのほか、市内の各方面から乗り継ぎせずに医療センターへ行けるよう、新たなバス運行経路として活用されており、来院者の利便性向上につながっているものと考えております。
四国金毘羅ねぷた祭りについて、ねぷたはいつ行くのかなど、わかっていればお願いします。
運搬の日程は詳細が手元にないので、後ほど観光課に来ていただければ詳しくお話しいたします。
運搬の日程も含めてこれから絵も貼りますので、その作業については皆様に情報提供させていただきたいと思っております。
四国金毘羅ねぷたで県外に行く場合、どのくらいの人が弘前から現地に行って参加されるのでしょうか。
コロナの状況ですので、極力少ない人数で行きたいと考えていました。琴平の金毘羅まつりには、約30名で向かいたいと思っています。現地の方々にも様々な形でご協力いただくことになると思いますけれども、現地の方々との感染防止対策の面についても、十分調整をさせていただきながら、多くの方々に安心してご覧いただけるような、そして弘前をPRできるように、さらに今年弘前ねぷた300年でありますので300年の節目に四国初上陸、そして関西圏、観光都市としての、交通の要所としての神戸から情報発信していければと思っております。
ねぷたまつりの会議が今週金曜日にありますが、市単体としては、どのように考えているのかお願いします。
市としては、これまでさくらまつりについてもそうですが、各種まつり・イベントについては、開催できるよう検討すると、様々な感染防止対策とりながら、どうすればどこまで、どういう内容まで開催できるのか、実施できるのかといったことをこれまでもずっと検討を重ねてきております。今回のねぷたまつりについても、感染防止対策をとりながら、どういう形であれば開催できるのか、具体的に合同運行に参加する団体の方々にはどういう対策をとることが必要なのか、沿道に座って観覧される方々には、どのようにして感染防止対策をお伝えするか、テレビ等を拝見すると野球観戦、サッカー観戦等、あるいは観光名所のゴールデンウィークの間の報道もございました。そちらも様々参考にさせていただきながら、どうすることによって市民の方、まつりを観覧される方々、まつりに参加される方々が安心して、安全に開催できるかといったところを今詰めている最中であります。基本的な考え方としては、どのような形であれば開催できるのかといったことを検討しているというところであります。
どうすれば開催できるかということを詰めている最中とのことですが、去年、一昨年と合同運行が中止になりまして文化の継承という意味でも、去年は町内運行などやっていました。文化の継承という意味でも途切れるのではないかという懸念もあったかと思うのですが、もし今年できるとすれば、経済効果も含めてまつり自体にどういった意義を感じていらっしゃるのでしょうか。
一昨年、コロナの状況がわからない中では中止、合同運行のみならず、ねぷたの関係については中止していただきたいというお話をさせていただきました。ご質問のとおり、2年連続で何も行わないということになると文化の継承、ねぷた文化としての継承に大きな問題が出てくると昨年の段階で懸念をいたしまして、昨年は制作、地域での運行あるいは展示に対して、制作の段階で新型コロナウイルス感染防止対策費としての補助金、展示あるいは地域の運行をしていた場合には奨励金相当額のお金を支給させていただいたということです。
昨年は、70数団体のうちの51団体がその趣旨に賛同していただきました。例えば、中学校1年生の時にねぷたまつりが中止になりました。中学校2年生でねぷたまつりが中止になりました。2年続けて中止になった場合、中学校3年生でねぷたまつりをやりますとなった場合に受験なので参加できない。中学校3年間でねぷたを経験しないまま、中学校を終わってしまう人が出てくる。高校も同じ、小学校の4年生、5年生も6年生もそういった意味でなかなか参加できないとなった場合に文化の継承というのは非常に危惧されると思いましたので、昨年は何かしらの形で良いので、感染防止対策をとりながら、制作をしていただいて地域の方々のコミュニティを守る、つなぐという意味で、昨年は制作そして展示あるいは運行していただいたところです。
今年もそういった意味では、団体の方々にねぷたの運行を続けていただきたい、その思いもあります。その思いもあるのでコロナ感染防止対策、これを前提にしながらもできる範囲のことを皆さんで、まつりとしてつくりあげていけないかということをこれまでも検討してきていますし、13日の会議の時もそのお話しもさせていただいて、主催5団体で協議をして方向性として、決定したいと思っています。
336,299人、計算すると昨年比160%以上ということで、当初の見込みと比べてこの数字はどのような数字と受け止めていらっしゃいますか。
当初の見込み、想定というのは行っておりませんでした。どのくらいの方々来られて、新型コロナウイルスの感染拡大の前の状況も踏まえて、こういう状況になった場合には、こういう対策をとりましょうということを、雑踏警備なども含めてシミュレーションを行っておりました。昨年は、一方通行の箇所が多くありましたが、今回は左側通行で対応して、仮に雑踏警備が必要な場合は、こういう対策をとるということを想定しておりましたので、人数として何人が来るという想定ではなく、多くの方が来られた場合、これまで過去の経験を生かして対策をとるということだけを行っていました。
市長として33万人が来たということが驚きなのか、どのように感じているのか。
数というよりも昨年はソメイヨシノが散った段階、花筏も終わった段階で花見客の人出は止まったという印象を持っています。ソメイヨシノが終わった時点で、さくらまつりが終わったようなお話しも出てくるのですが、今年は遅咲きの桜を様々な形でPRさせていただきました。出店付近での遅咲きの桜がゴールデンウィークと合いましたので出店付近では、遅咲きの桜を愛でながら飲食を楽しんでもらうということが結果としてできたと思います。
今年、ゴールデンウィークに入ってから客足が落ちなかったこと、桜が早咲きだった割には、客足が落ちなかったことは、結果として良かったなと思います。そこで少なくなっていれば、人数的には昨年より少し増えるぐらいだったのではないかと感じておりました。
昨年に引き続きコロナ対策をとりながらの開催となったことで感染者数をみましてコロナ対策を実施した結果についてどう受け止めているのか。感染者数を見たうえでの受け止めをお願いします。
感染者数とさくらまつりだけではなくゴールデンウィークとの関係が出てきているかと思います。昨年もそうでしたが、さくらまつり期間中というよりは、ゴールデンウィークに帰省された方が様々な形で飲食も含めて感染の拡大につながった部分もあったのではないか。人流が増えたということも、恐らくそういうことだと思うのですが、今年の感染状況からいくと、まつり等ではなく家族内での感染が主流だったと聞いていますので直接的な影響ではないと思っています。まつり関係者、アルバイト含めて、出店の関係者から新型コロナウイルス感染症に感染したという報告は現時点でいただいてないということ、市内の飲食店でクラスターが発生したということも報告ないので、そういった意味では、今回多くの市民の方が、それから花見客の方々、飲食の関係者含めてたくさんの方がそれぞれ感染防止対策をとっていただいた結果として現時点では、感染の報告がないと思っています。そうした意味ではさくらまつりと感染状況の比較ということではなく、感染状況の高止まりで推移している今の状況は別なところに原因があるのではないかと感じていますので、そこは弘前保健所をはじめ県と様々な形で情報共有しながら県でご検討をしていただけるものと思っております。
1.5倍以上人数は増えたけれども、増えたことによる感染増というのはなかったという受止めでよいでしょうか。
4月末の時点で推計値ですが25万人ほどの花見客が実人数で出ております。その方々が今日5月11日ですので、感染されているとすれば報告があるかと思います。その報告がないということからいくと桜が見ごろを迎えていた4月22、23、24日、その後の花筏の25、26、27日とゴールデンウィーク前の状況でのさくらまつりと新型コロナウイルス感染症の感染拡大との関係はないものと思っております。
去年よりも1.5倍増という人出があったということですが、市内の経済効果、飲食店なども含めて何か話は聞こえてきていますでしょうか。
調査自体はこれからになると思いますが、直接的な声を私が聞いた中では、「さくらまつりを開催してくれてありがとう」、「団体客は流れてこなかったけども家族、あるいは少ない人数での方々が飲食店のほうにお越しいただいた」と、自分の店も、他の店もそうだったのではないかとお話しはいただいております。
実際のところさくらまつり期間中、公園を出た桜大通りから土手町方面への一番町の坂ですが、そこの横断歩道も相当な人数の方が渡られていました。また人の流れも中心市街地に流れているという状況を見ておりましたので、そういった意味では市内の各店舗にも効果が出ていたのではないかと推測をしているところですが、実際のところは、まだ調査、把握はしていないという状況です。
例年ソメイヨシノの早咲き傾向が強まっていると思います。さくらまつりの会期をその都度準まつり体制という形で対応されているかと思いますが、さくらまつりの本会期の抜本的な見直しを検討されるお考えはありますでしょうか。
さくらまつりの会期についてはこれまでも、何度となく毎年のように、早咲きだから抜本的な見直しをしないのかという議論は様々な場面であったかと思います。
ただ、一概に早咲きだと言い切れるかどうかということを、私たちのデータをみて思っております。一つの例ですが、平成23年、東日本大震災のあった年、全国的に史上最速の早咲きだということで九州から東海、関東、東京まで史上最速の早咲きということでした。そして弘前も早咲きの対応をするかどうか、そもそもまつり開催するかどうかといったところの判断が3月の23日の時点で最終的に開催すると判断させていただきましたけれども、その時点では早咲きでした。ただ、4月に入ってから寒い日が続いて4月の10日前後でかなり寒い日が続きました。仙台のあたりから早咲きだったのが、平年並みになってきてそこから桜の前線が北上しなかったということでありました。弘前では早咲きの対応をするための準まつり体制をとっていたものの桜が咲きそうもない状況で、4月23日開幕を迎えましたが桜は咲いていませんでした。24日も25日も雨が降って寒い日が続いて26日にようやく開花を迎えて満開が5月1日、2日という状況がありました。早咲きだと言われていても本当に早咲きになるかどうかわからないのが現状です。この10年間のうちにもそういうことがあったので、一概に地球温暖化で早咲きだとは言えないと、まだ考えています。昭和22年からデータをとっておりますが、そのデータで10年刻みでの平均をとるなどしてみていますが、その中では1日半くらい早くなっているかもしれないという状況です。ここ10年のうち、早咲きが続いたのはここ7、8年です。その前の年は平年並み、その前の年は遅咲きです。もう少しこの状況をみないと抜本的な見直しとはならないのかなと、桜は4月に入ってからの気温で大きく開花が左右されるということでありますので、その経験を生かしながら当面は4月23から5月5日がまつり期間、早く咲けば早咲き対応の準まつり体制を行います。遅咲きであれば5月6日以降のまつり会期の延長として対応していきたいと思っています。
さくらまつり期間中の弘南鉄道のパークアンドライドの実績は公表される予定はありますか。
パークアンドライドと増便、最終電車の繰り下げということで実施させていただきました。事業者が実数を把握しておりますので、わかり次第公表していきたいと思っております。
弘前さくらまつりの経済効果については、飲食店にそれなりの効果があったという印象との話でしたが、一方で昨日発表された補正予算の中で、販売促進事業の4回目の追加を提案していますが、今出すねらいと、現在の経済状況をどう見ているかをお願いします。
さくらまつりで少し元気になられた業種の方もあるかと思います。ただ、まだまだ全くダメだといったお話しも聞こえています。飲食関係だけではなく、団体等販売促進支援事業については、様々な業種の方々が独自に工夫を凝らしていただいて、消費喚起につなげていただきたいと思っております。今回補正予算も1団体500万円を上限にしていますが、70団体分予算化させていただきました。昨年1年の実績である62件くらいの団体の方がすべて本年度も事業に取り組みたいとなった場合に対応できる予算を計上しておりますので、多くの方々に活用いただいて経済の活性化、事業の継続につなげていただければと思っております。