(会見者: 櫻田 宏 市長)
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はじめに、国内外におけるりんごの販売促進についてであります。
11月16日から台湾の遠東百貨において「日本青森県弘前市文化物産フェア」が開催され、18日までの3日間で台南、高雄、台中、竹北、台北、板橋の6つの店舗のオープニングセレモニーに参加し、弘前産りんご、物産、観光のPRを行いました。
弘前フェアのスタートを飾った台南店では、このセレモニーにおいて、当市と友好交流に関する覚書を交わしている台南市政府の黄偉哲(こういてつ)市長も参加され、「日本と台湾の人々の往来が10月中旬に再開し、一番最初に来てくれたのが弘前市であり、大変嬉しく思うとともに感謝いたします。」というお言葉をいただきました。
当フェアが始まった2011年度のりんごの販売個数は3,000個でしたが、これまでの遠東百貨との11年にわたる継続的な取り組みにより、昨年は16万個を超える販売につながりました。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、令和2、3年度は実際に台湾を訪問し、フェアに参加することはできませんでしたが、その期間も継続してりんごを販売していただいたことの賜物であると感謝しております。
今年度は18万個の販売を目標とし、遠東百貨系列店合わせて過去最大の21店舗でフェアを開催していただくこととなっております。
各店舗では様々な工夫をこらした店内装飾や、弘前産りんご・物産を販売する特設売り場が設置され、私自身4年ぶりの参加となりましたが、各店舗で熱烈な歓迎をうけ、特設売り場にはたくさんの人でにぎわっておりました。
国内でのりんごキャラバンについて、今年は、10月の豊田市や先週26日の東京のほか、大阪、岡山、鹿児島、徳島など14カ所を予定しており、国内外ともにより一層販売促進活動を行ってまいりたいと思っております。
次に、今冬の雪対策についてであります。
今冬の雪対策につきましては、雪置き場の早期開設や通学路の安全確保などの行政による雪対策に取り組むとともに、市内の大学や事業者が地元町会と連携するなど、共助による除排雪活動に対する支援を継続して事業を拡大してまいりたいと考えております。
昨年度は、年末から年始にかけて冬型の気圧配置の影響で大雪となり、本年1月7日には平年値の2.5倍となる積雪深83cmを観測したことから、市では「豪雪警戒本部」を設置し、道路の拡幅除雪や運搬排雪を早期に行うとともに、雪置き場として樋の口町、悪戸、堀越、紙漉沢の4カ所に加え、1月31日から町田雪置き場を市民開放型として初めて開設いたしました。
今年度の雪置き場につきましても、積雪状況や市民からの要望に応えて、年内、早期に開設できるよう準備を整えております。
また、昨年度から行っている通学路の除排雪に関する国・県・市と、市内の市立・国立・私立の小中学校との連携つきましては、今年度新たに開校された東奥義塾中学校を加え、市内全ての小中学校と除排雪要望の情報を共有する体制を構築し、これまで把握しきれなかった通学路や、その周辺道路の拡幅除雪、運搬排雪などについて、適切なタイミングで実施できるよう取り組んでまいります。
さらに、昨年度はシーズンの途中から開始した、生活道路における運搬排雪の予定時期や状況に関する市ホームページでの公表を、今年度はシーズン当初から毎週実施してまいります。
そのほか、間口の寄せ雪処理などにつきましては、民間企業のマッチングサイトによる有償の雪処理サービスがはじまっており、除雪を依頼したい人と、除雪を行って報酬を得たい人が個人間でやりとりができる仕組みが整ってきております。市では、今年度これらのサービスをホームページなどで紹介し広く普及を図っており、地域での新たな共助の創出につながるものと期待しております。
雪対策に関する情報につきましては、市のホームページなどへの掲載を行うなどさまざな機会をとらえて情報発信に努め、多くの市民に雪対策についての理解を深めてもらうことで、市民と事業者、行政が連携する、協働による雪対策に取り組んでまいります。
次に、原油価格・物価高騰対策についてであります。
市が独自に実施する原油価格や物価高騰に対する支援のうち、一つ目は、「弘前市価格高騰緊急支援助成金」であります。
国は、物価高騰による負担増を踏まえ、住民税非課税世帯などを支援するため、1世帯につき5万円を給付する「電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金」の実施を決定しております。
これを受け、市では、国の給付金の対象にはなっていないものの、物価高騰による負担増により生活への影響が大きい層をしっかりと支援する必要があると考え、令和4年度の住民税が均等割のみ課税される世帯を対象に、市独自の事業として給付することといたしました。
給付額は、国の給付金と同額の1世帯につき5万円となります。
11月14日から対象と思われる世帯に確認書を発送しておりますので、確認書の返送期限である、令和5年1月31日までに返送していただければと思っております。
また、自身が対象と思われるのに確認書が届かない方におかれましては、お問い合わせくださるようお願いいたします。
2つ目は、「社会福祉施設等原油価格・物価高騰緊急対策支援金」であります。
新型コロナウイルス感染症が運営に影響を及ぼしている中、さらに原油価格や食料品価格等の物価高騰により厳しい経営状況となっている高齢者、障害者、幼児教育、保育の各種施設等の負担を軽減し、安定的かつ継続的なサービスの提供を支援するために実施するものであります。
1施設あたりの支援金の額は、訪問施設が10万円、通所施設に対しては、定員数に応じて10万円から60万円、入所施設には、定員数に応じて30万円から80万円とする予定であります。
3つ目は、「交通事業者等原油価格・物価高騰緊急対策支援金」であります。
市民や来訪者の移動手段を確保するため、新型コロナウイルス感染症や、原油価格のほか車両用品の物価高騰で大きな影響を受けている、高速バスやタクシーなどの交通事業者等に対し支援金を給付するものであります。
支援金の額につきましては、車両一台当たり、高速バスは20万円、貸切バスは10万円、タクシーは5万円、運転代行は2万円とする予定であります。
社会福祉施設・交通事業者等に対する支援は、いずれも関係予算を市議会第4回定例会でご審議いただくこととしており、議決をいただいた後、年内の申請受付開始を目指して取り組んでまいりたいと考えております。
最後に冬のイルミネーション等の実施についてであります。
今年も冬季の魅力向上と観光振興を図ることを目的とし、12月1日から来年2月28日まで、弘前公園外濠の「冬に咲くさくらライトアップ」、弘前市立観光館周辺やJR弘前駅などにイルミネーション装飾、さらには、歴史的建造物などをライトアップする弘前エレクトリカルファンタジーを開催いたします。
また、12月1日には、日々、医療現場の最前線で新型コロナウイルス感染症の治療や感染予防などにあたっている医療従事者の皆様に深く感謝の意を表するため、午後10時まで、弘前市役所や旧弘前市立図書館などを、青色の照明で照らし出す、「ブルーライトアップ」も実施いたします。
イルミネーションや照明の光を反射した柔らかな雪明りは、人々の心を温めてくれます。この温かな光が弘前を活気づける明かりとなることを期待しております。
市民の皆様におかれましては、人との距離をとるなど基本的な感染防止対策を行いながら、ライトアップやイルミネーションの光が織りなす冬の弘前ならではの光景をお楽しみいただければと思います。
弘前ねぷた300年祭を1年通じてやってみての感想と、これからのねぷた祭りの運営に今年の経験をどう生かしていくのかについてお聞かせください。
今年は、弘前ねぷたが初めて文献に登場して300年という節目の年であることから、今一度、弘前ねぷたが持つ歴史と伝統を振り返り、弘前ねぷたを愛する多くの皆様にその魅力を伝え、次の百年へと繋げていくため、1月1日から12月31日までを「弘前ねぷた300年祭」と位置づけ、様々な事業を展開してまいりました。
主な事業といたしましては、今年は8月1日から7日までの弘前ねぷたまつりに加え、8月27日、28日には弘前ねぷた300年祭特別運行を開催し、当市では初めての運行となります大型の青森ねぶたをはじめ、当市の友好都市であります、北海道斜里町のしれとこ斜里ねぷた、そして、群馬県太田市の尾島ねぷたが集結し、弘前ねぷたとともに出陣し、沿道のたくさんの観覧者が見守るなか、人々のそれぞれの思いと共に記憶と記録に残る運行となったものと感じております。
また、弘前ねぷたの伝統を継承するため、約40年前に吉谷津山氏により制作され、六花酒造株式会社で所有していた組ねぷたの一般公開や、弘前ねぷたの歴史を振り返るパネル展の開催、弘前ねぷたの担い手を育成するための弘前ねぷた検定やひろさき卍学を実施しているほか、弘前ねぷたをPRするための記念動画を制作しております。
また、先般開催された台湾の遠東百貨での弘前フェアで各店舗においてねぷたを運行し、300年の節目を迎えた弘前ねぷたをPRしてまいりました。
さらに、12月11日 日曜日午後1時から「ねぷたシンポジウム」をヒロロ4階市民文化交流館ホールで開催いたします。このねぷたシンポジウムでは、動画のお披露目に加え、平成31年3月に発行した弘前ねぷた本の編纂委員長である成田敏氏による基調講演、弘前ねぷた絵師の三浦呑龍氏と青森のねぶた師の竹浪比呂央氏をお迎えし、特別対談を行います。弘前のねぷた、青森のねぶたの魅力を大いに感じていただけるものと考えております。
弘前ねぷた300年祭は、残すところ1か月となりました。弘前ねぷた300年祭を契機に実施した事業は、一過性で終わるものではなく、今後も様々な形で継続し、ねぷた文化を後世に継承してまいりたいと考えております。