(会見者: 櫻田 宏 市長)
・弘前ねぷたまつりについて
・高齢者補聴器購入費助成事業の受付開始について
・食品ロス削減マッチングサービス「ひろさきタベスケ」について
・第4回「弘前城跡の史跡・文化財」見学修理体験会について
・市立博物館特別企画展1「発掘された日本列島2024」について
1.記者会見次第(あいさつの主な項目等)(83KB)
2.弘前市高齢者補聴器購入費助成事業(419KB)
3.食品ロス削減マッチングサービス「ひろさきタベスケ」(10221KB)
4.第4回「弘前城跡の史跡・文化財」見学修理体験会(13845KB)
いよいよ津軽の熱い夏を彩る弘前ねぷたまつりが近づいてまいりました。
今年の弘前ねぷたまつりは、8月1日から7日まで開催し、最終日夜の「なぬかびおくり」でフィナーレを迎えます。
今年の合同運行に参加するねぷた団体は、昨年よりも3団体増えて、66団体となり、組ねぷたについては2011年以来となる6団体が参加します。
まつり本番へのムードを盛り上げる養生幼稚園のねぷたや弘高のねぷたが運行されたほか、JR弘前駅の隣での「駅前ねぷた特別展示」や、弘南鉄道大鰐線においては金魚ねぷたの幻想的な明かりを楽しめる「金魚ねぷた列車」などを実施しております。
8月1日のまつり出陣式においては、友好都市である北海道斜里町から山内町長や、世界的な画家として知られ勇壮なねぷた絵の手本となった葛飾北斎のゆかりの地であり、そして弘前藩津軽家の大名屋敷があった墨田区から山本区長がお越しになるなど、当市とゆかりのある方々が一緒にまつりを盛り上げてくださる予定であります。
是非、熱く燃える弘前ねぷたまつり本番を楽しみにお待ちいただければと思っております。
改めて話題提供等をさせていただきます。
はじめに、高齢者補聴器購入費助成事業の受付開始についてであります。
近年、加齢性難聴と認知機能の低下については、多くの研究報告において、その関連性が示されているところであります。
加齢性難聴者が補聴器を使用することにより、日常生活におけるコミュニケーションが円滑となり、住み慣れた地域で自立した生活を続けられる、このことは、「健康都市弘前」の実現を目指す、弘前市の理念に合致するものであり、「高齢者補聴器購入費助成事業」は、その一助となるものと思っております。
国の支援制度の対象とならない65歳以上の軽度・中等度難聴の市民を対象に、補聴器の購入にかかる費用として3万円を上限に助成いたします。助成の申請書は7月1日から配布を始めており、8月1日から介護福祉課で申請受付を開始いたします。
軽度・中等度難聴でお困りの方は、是非助成金をご利用いただきたいと思います。
次に、食品ロス削減マッチングサービス「ひろさきタベスケ」についてであります。
市では、食品ロスの削減を図るための新たな取組として、食品ロスのマッチングサービス「ひろさきタベスケ」を令和6年8月1日から運用いたします。
「ひろさきタベスケ」は、インターネットを利用した食品ロスのマッチングサービスで、市内協力店から、賞味期限の近づいた商品など、廃棄につながる可能性のある食品が割引価格で出品され、ユーザーはスマホやパソコンから希望商品の予約注文ができるものであります。
自治体運用型の食品ロス削減マッチングサービスとしては、北東北では初めての取組となります。「ひろさきタベスケ」の運用により、事業系食品ロスの削減および未利用食品を提供するための活動支援を推進してまいります。
次に、第4回「弘前城跡の史跡・文化財」見学修理体験会についてであります。
8月3日と4日の2日間、弘前公園において見学修理体験会を開催いたします。
本丸東面においては、約100年ぶりとなる石垣修理を行っており、園内を訪れたことがある方であれば、一度はこの様子をご覧いただいているものと思います。
令和3年に開始した石垣積直し工事は、昨年度末時点で約4分の3が完成し、現在は天守台側の石垣積直し作業を進めているところであります。
解体した2千185個の石は今年度いっぱいで全て積み上がる予定となっており、体験イベントにおける石垣のメニューは今年度で最後となります。
今回は、石垣積直し工事現場の見学説明のほか、実際の石を切り分ける作業を行う「石割体験」、気軽に参加できて毎回好評の「裏込め石へのメッセージ記入」を予定しております。
石垣の裏側を間近で見られる機会も残りわずかですので、始めての方や市民の皆様にも、是非一度ご参加いただき、100年ぶりの石垣修理を体験したということを、次の世代にも語り継いでいただければ思います。
最後に、市立博物館特別企画展1「発掘された日本列島2024」についてであります。
市立博物館では、文化庁との共催による特別企画展を、7月27日土曜日から9月16日月曜日まで、休館日なしで開催いたします。
全国各地で行われている発掘調査の成果を紹介する本展は、1995年、平成7年にスタートした巡回展で、今年度が記念すべき30回目の開催となり、全国5会場の一つに市立博物館も選ばれました。
当市では平成9年にも開催されており、今回が27年ぶり2回目となります。
展示品は、近年発掘された中で特に注目された貴重な出土品を中心に約560点を集めたもので、特に群馬県伊勢崎市の石山南古墳出土の「盛装(せいそう)する女子像埴輪」や赤堀茶臼山古墳出土の「鶏形埴輪」は、古墳時代の埴輪職人の熟練の技を感じることができる資料となります。
また、各地域の文化財を展示するオリジナルコーナーの「地域展」では、世界遺産に登録された三内丸山遺跡出土の国の重要文化財を含む土器や石器のほか、当市の尾上山遺跡出土の可愛らしい「クマ形土製品」と市立博物館所蔵の国の重要文化財である「猪形土製品」とのコラボレーションなど、県内の出土品約180点が展示されます。
全国の最新の発掘調査成果や旧石器時代、世界遺産である縄文文化、縄文時代から近世までの幅広い日本の歴史を知るうえで大変貴重な機会であるとともに、大人から子どもまで楽しめる展覧会となっておりますので、多くの皆様のお越しをお待ちしております。
市のインバウンド、訪日客誘客施策の本年度の進捗状況を教えてください。誘客を増やすための課題として言語や、宿泊施設、食文化、受け入れる市民の意識などがあると思いますが、市の考える課題とそれに対する対策について教えてください。
もう一つ、本年度のインバウンドの誘客目標や現時点での達成状況を教えてください。8月1日には弘前ねぷたまつりが始まりますが、同まつりでの誘客の見通しについてもお聞かせください。
春の桜シーズン以降、全国的にも訪日外国人旅行者が大幅に増加しており、当市においても、5月の外国人宿泊者数は1,987人となり、令和元年度比121%とコロナ禍前の水準を超え、好調に推移しております。
また、冬の観光シーズンを前に本年10月29日からエバー航空が青森・台北線の定期便を約4年8か月ぶりに運航再開するということが公表されました。当初は6年度の運行再開はないとの情報を得ておりましたが、台湾は当市にとってりんごの主要輸出先であり、毎年多くの方が当市を訪れる、台湾からの訪日外国人旅行者が今後ますます増加してくるものと思っております。インバウンドによる経済効果が及ぶことに大きな期待を寄せているところであります。
市ではこれまで、アフターコロナ対応として、ホームページやSNS等の情報発信、案内表示、パンフレットの多言語化を進めるとともに、市や弘前商工会議所、弘前観光コンベンション協会、宿泊事業者等で組織する「弘前市インバウンド推進協議会」において、民間事業者へのインバウンド支援を行ってまいりました。
さらに、誘客の増加に向け、キャッシュレス決済の導入や二次交通の利便性向上等の受入環境の整備が重要と考えており、民間事業者が取り組む誘客促進や受入環境整備への支援を強化することとしております。今年度は、予算額を拡充して、6月24日から補助申請の受付を開始しており、既に申請された方もいるほか、多くの問い合わせをいただいているところであります。民間事業者の皆様には、補助金等の支援制度を積極的に活用いただき、訪日外国人観光客の受入環境を整えていただければと思います。
このほか、観光庁の補助金を活用し、「日本一のりんご産地弘前」として、りんごを中心とした観光コンテンツの造成を進めており、8月には海外のエージェントに対しオンラインセールスを行い、10月には旅行商品のインターネット販売を行う予定であり、現在、民間観光りんご園等と調整を行い、受入準備を進めているところであります。
8月1日からはいよいよ弘前ねぷたまつりがはじまります。
訪日誘客の見通しについて、具体的な算出というのは市単独では難しいところでありますが、円安基調等も相まって、昨年度以上の旅行者数が見込まれるものと期待しております。
また、国内旅行消費額がコロナ禍前の水準まで回復しており、日本人の国内旅行も好調であることから、国内外の多くのお客様が弘前ねぷたまつりにお越しいただけるものと考えております。
最後に、当市の観光施策全般についての考え方を述べさせていただきます。
国が発表した2023年における旅行消費額では、訪日外国人は約5兆3千億円、これに対して日本人の国内旅行は約21兆9千億円となっております。インバウンドは増加傾向にあるものの、やはり国内旅行が基本であることがうかがえます。
当市におきましても、国内観光客への対応をベースとして、変動が多いながらも現在は非常に好調であるインバウンドをプラス要素ととらえ、その時々に必要な施策を、時宜を逸することなく積極的に推進してまいりたいと考えております。
インバウンドの誘客目標、数字でいただきたいというところがあるのですけれども、例えば、インバウンドだけなのか、国内旅行客全般も含めてなのか、何かしら数字で示していただければありがたいのですけどもいかがでしょうか。
国内観光客と違ってインバウンドについては、弘前市を目的に来られる方が、なかなか限定しづらいところがあります。
特に行動範囲が広くて、東京の羽田に入って、成田に入って、そこからJR東日本のレールパスを使って、東北全体を動かれるということになるので、弘前市単独での数字というのはなかなか、実績としての宿泊者数として弘前市はとらえておりますので、宿泊者数は多くなるものと期待はしているというところでしかお答えがしづらいということをご理解いただければと思っています。
実際のところ、宿泊していただく方の宿泊施設自体もキャパが決まっておりますので、そこでの数値の動きということになるかと思います。
先ほど市長が国内からの観光客が主で、それにインバウンドを乗せるという話をされていましたけれども、通年観光という意味では国内客とインバウンド客、どちらの方に今後、期待が持てると考えてますでしょうか。
通年観光を行うということを14、5年前から取り組んできておりました。
その中では、弘前のそれまでの観光というのは、当市の4大まつり中心のまつり・イベント観光でありました。
それから、まつり・イベントを行うけれども、それだけでない日常の生活文化を観光資源としてとらえて、通年で多くの方々に来ていただきたいというのを進めて参りました。
例えば、京都にしても、神戸にしても、まつり・イベントでは、京都に行きたい、神戸に行きたいというようにブランド化されております。
弘前も、弘前さくらまつりに行きたい、弘前ねぷたまつりに行きたいだけではなく、弘前に行きたいという目的地になるように、これまで通年観光を推進してきたところであります。
そうした中で、全体の観光消費額、旅行消費額の点では先ほど申し上げましたが、国内旅行については、21兆9千億円の市場になっております。これに対して、インバウンド、外国人、旅行客の市場は、5兆3千億円と。この10数年間で3.5兆円から5.3兆円まで増えてはいるものの、その間に、私たちは、その前も含めてですね、リーマンショックがあり、東日本大震災があり、そして新型コロナウイルス感染症の拡大、このときは、外国人観光客数はゼロに近い数字になったかと思います。
こうしたふけさめのあるインバウンドに頼りすぎず、市場として規模が大きい国内旅行について、しっかりと行いながら、それをベースにしながら最近のインバウンド需要が多いというのをプラス要素に変えて、市内も対応していって経済の活性化にも努めていきたいと。そのどちらを重視するというのではなく、ベースには国内があり、そして、インバウンドでのふけさめがあるものの、そちらの方の経済の活性化も図っていくということでとらえておりますので、インバウンドについて、特に、行うことを行いますけれども、それだけに重視していくものではないということでご理解いただければと思います。
インバウンド誘客の方が通年観光に向いているのではないかという、4大まつりは国内に十分にある程度周知されていて、知名度があるので、そこに集まりやすいかと思いますけれども、インバウンドのほうが弘前のまちの魅力をPRして、通年でまつり期間じゃなくても、というのに有効なのではないかという見方もあるかと思うんですけどもその辺り、どういうふうにとらえましたでしょうか。
インバウンドについてはおっしゃる通りでありまして、曜日も含めて、季節も含めてですが、通年で動いていただく方が多くいらっしゃいます。
ただ、国内についても通年で来ていただけるような、そういう受け入れできる観光都市でなければいけないですので、そちらの方の対応もしているということでご理解いただければと思います。
先月末に宿泊税の検討会議で、1泊一人当たり200円ということでご提示あったかと思いますけれども、このことに対する市長のお考えを改めて教えていただけますでしょうか。
宿泊税については、今後、財源をしっかりと確保していけるかどうかといった大きな課題があると思っております。
現在、官公庁を中心にして、観光振興、インバウンドを含めた観光振興ということで、様々な形の国の方針、助成金も活用しながら取り組んではきておりますが、この助成金自体がいつまであるかというのを、まだ何とも言えない状況にあります。そうした中で、観光都市として、地域経済を活性化させていくということにつなげるためには、一定程度の財源を確保していかないと受入環境の整備や観光プロモーション等の事業も行えないということになりますので、その財源として、この宿泊税というのは観光都市としては非常に大事な財源になるのではないかと思っております。
200円というご意見が出ておりましたが、それを検討委員会でしっかりと議論していただいて、議論したもののご報告を受けて判断していくということになるかと思います。
現状一律200円ということで、その属性に対して、属性に応じてどうこうするということではないかと思うんですが、先ほど市長からもお話ありましたインバウンド、円安だということのご指摘もあったんですけれども、日米の金利差で円安がずっと続いていると。日本の競争力もなかなか発揮できないような状況、今後も続くという予想もある中で、外国人の方が日本は魅力的な観光地だということで、たくさんおいでいただくとなると、例えばその二重価格というような考え方もあるかと思いますけれども、今後宿泊税導入した後に、改めてその外国人向けに宿泊税の二重価格というようなものをお考えになる余地はございますか。
現時点ではその点は考えておりません。
というのも、先ほど申し上げました通りインバウンドについては、いいときと悪いときということがはっきり出てきているという過去の経験がありますので、やはり日本に対しての印象、弘前市に対する印象という、次にまたお越しいただく、リピーターになっていただくということを考えた場合に、そういうまちのイメージに合う、合わないということには、少し冷静に判断したいなと思っております。
弘前というブランドをしっかりと築き上げていきたい。おもてなしがよかったとか、こういうことを体験できたという、いい印象を多く持った方々に世界に戻っていってもらってまた来ていただくと、そういうことにつなげていければと思っています。
確認ですけれども、国内のお客さんと、海外からいらっしゃるお客さんで、いろいろなもの、特に今、宿泊税ということでお伺いいしてございますけれども、そこで違いを設けるということが、弘前市に対するイメージの悪化につながるかもしれないという、そういうご懸念ということでよろしいでしょうか。
現時点で弘前市としては、インバウンドがオーバーツーリズムになっているという状況でもありませんので、その対策としての、そういうよそで取られているような二重価格のようなものは、現時点では、話題には出ていないし、検討していないというところです。
県と青森市の統合病院ですけれども、場所について様々議論されているんですけども、櫻田市長は場所についてどこがいいとか、何かご意見とか、感想とかありますでしょうか。
弘前市の場合は、令和4年4月に、弘前市立病院と国立病院機構弘前病院を統合して、新しい中核病院である弘前総合医療センターを開院したところであります。
市立病院は、市民の病院を廃院して、それでもそのうち弘前市立病院の機能よりも、より安心して患者さんを受け入れてくれる中核病院に、市民にとっては良くなるということをお話しさせていただいて、市立病院を廃止させていただきました。
市立病院は、あくまでも市民を中心に圏域の方々が通院する、あるいは入院する病院であります。
この市民目線を忘れてはいけないと私は考えております。
そのためには、通院される方は、車で通院する方は元気な方のほうであって、公共交通を使われる方も結構いらっしゃると思います。
弘前市では、総合医療センター開院のときに合わせて、弘南バスさんにお願いをして、弘前駅終点であったバスを、総合医療センターを通ってもらうような路線の見直しをしていただいておりまして、現在、総合医療センターに対してのバスの苦情もございません。
また、道路整備についても、病院の前の交差点改良、あるいは青森から来る道路が16年間塩漬けになっていた土手町から富田大通りまでの約200メーター弱、これも開院に合わせて開通させております。
交通渋滞の懸念もありましたが、道路整備をすることによって交通渋滞は開院後も発生していないと、苦情は来ていないという状況にあります。
そうしたことを踏まえれば、場所というのはとても重要でありますので、公共交通を利用される方が多い中で病院は市民にとってどこにあればいいのかといったことは検討されていくものと思っていますし、救急車がいち早く、市内の各所から、近隣の市町村も含めていち早く到達できる場所ということも条件になっていくのかなと思います。
ということは、セントラルパークということでしたでしょうか。
これは青森市と青森県とで、協議をするということだったと思います。
そして、知事から青森市に対して、検討委員会作って、場所を検討して欲しいといった話があったかと思います。
今日の報道から見ると知事から西市長にお話があって、西市長からは6月中にそこではちょっと難しいというお返事をしたという報道がありましたので、それが7月に入って、突然、こういう形で知事から発表になっているというのは、なかなか青森市としては辛いかなとお察ししております。