離乳食は、母乳や育児用ミルクから幼児食に移行する間の食事のことをいいます。
離乳食を進めていく間に、赤ちゃんの食べる力は、母乳や育児用ミルクを吸うことから、食べ物をかみつぶして飲みこむことへと発達していきます。また、食べられる食品の量や種類が多くなり、献立や調理の形態も変化していきます。
あせらず、ゆっくり、お子さんのペースに合わせて楽しんで進めましょう。
母乳や育児用ミルクで不足してくるエネルギーや栄養素を補います。
最初から形のあるものは食べられないので、ゴックンと飲み込むことや噛むことをゆっくり練習していきます。
滑らかにすりつぶした物から形のある物も消化できるように、消化能力を発達させていきます。
生後5~6か月頃から始めます。
離乳食開始の目安は、首のすわりがしっかりする、寝返りができる、5秒以上座れる、食べ物に興味を示すことです。
また、初めて与える食品は1日1さじまでにして、午前中に与えましょう。
離乳食は細菌が繁殖しやすい環境です。
また、赤ちゃんは細菌への抵抗力が弱いので食中毒に注意しましょう。
《食中毒を予防するために》
厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」では、食物アレルギーの発症を心配して、離乳の開始や特定の食物の開始時期を遅らせても、食物アレルギーの予防効果があるという科学的根拠はないとしています。
離乳食は通常どおり、5~6か月頃から始めましょう。
アレルギーが疑われる症状がみられた場合など、心配な場合は自己判断せずに必ずかかりつけの先生に相談しましょう。
乳児ボツリヌス症にかかる可能性がありますので、1歳未満の赤ちゃんに、ハチミツやハチミツ入りの飲料・食品は与えないようにしましょう。
ボツリヌス菌は熱に強いので、通常の加熱や調理では死にません。
中期は舌でつぶせる、絹ごし豆腐くらいの固さが目安です。
舌と上あごで押しつぶすことができるようになり、口唇は左右対称に引かれるような動きがみられます。
少しずつ形を大きくしていくことで、消化吸収する力が育っていきます。
完全母乳の場合、ビタミンDや鉄分が不足しやすいです。
サケ、カレイ、ヒラメなどの白身魚や卵など
ほうれん草や小松菜などの青菜類、赤身の魚、卵、納豆、高野豆腐など
初期は味付けをしませんが、少しだけ調味料が使えるようになってきます。
しかし、中期・後期もまだまだ薄味です。
乳幼児期の味覚形成はこれからの食生活に影響します。
内臓も未熟なので、負担がかからないように注意しましょう。
後期は歯ぐきでつぶせる、バナナくらいの固さが目安です。
舌で食べ物を歯ぐきの上に乗せ、歯ぐきでつぶすことができるようになります。
口唇は左右非対称の動きとなり、噛んでいる方向によっていく動きがみられます。
「モグモグ」などの声かけや、大人が口を動かしている様子を見せてみましょう。
食べ物に手を伸ばすことは、自分で食べたいという意欲の表れです。
また、食べ物を目で確かめ、手づかみで口まで運んで口に入れて食べるという、目と手と口の協調性が育っていき、スプーンなどの食具への移行にもつながります。
《ポイント》
鉄分は体中に酸素を運んだり、赤ちゃんの発達にとても大切な栄養素なので取り入れていきましょう。
ほうれん草や小松菜などの青菜類、赤身の魚、青魚(缶詰でもOK)、赤身の肉、卵、納豆、高野豆腐など
※缶詰は味が濃いので、お湯をかけて塩抜きをしましょう。
もっと詳しく知りたい方は離乳食教室へぜひご参加ください。
初期は4か月児健診のお知らせ、中後期は7か月児健診のお知らせに、離乳食教室のチラシを同封しています。
離乳食を始めて1か月が経ち、お子さんの食べる様子を見て順調に進んでいたら2回食に進みます。
2回目の食事は、1回目の食事から3~4時間以上あけて与えましょう。
まだ1回食でいたほうがいいかもと感じる場合は、焦って2回食にしなくても大丈夫です。
離乳食は滑らかにすりつぶした10倍粥から始めます。
離乳の準備やビタミン補給などのために、果汁を与える必要はありません。
初期は、母乳やミルクからほとんどの栄養をとっているので、焦らなくても大丈夫です。
母乳やミルク以外のものを食べるのは初めてなので、食べ物だとわからなかったり、警戒しているのかもしれません。
与えるときも笑顔で話しかけてみましょう。
また、スプーンを舌で押し出してしまう「哺乳の反射」が残っている場合があります(4~5か月頃から薄れ始めます)。
2~3日間あけてからまたチャレンジしたり、様子を見ながらお子さんのペースで進めましょう。
離乳食の形状をひとつ前の状態に戻したり、少しだけなら味付けをしてみてもよいです。
また、少しずつでも生活リズムをつけていくと、お腹がすくリズムもできていきます。
無理に与えなくてもよいので、与える人は笑顔で声がけをしながら与えましょう。
離乳食の進み方や食べる量、口の発達や歯の生え具合には個人差があります。
母子健康手帳の乳児発達曲線を確認し、そのカーブの中におさまっていて、お子さんが元気なら心配いりません。
麦茶の味が苦手なのかもしれません。薄めたり、白湯に変えてみましょう。
水分補給は母乳や育児用ミルク、離乳食からもとれているので心配ありません。
与えても飲まない場合は、のどが渇いていない可能性もあります。
お風呂あがりや体を動かした後など、のどが渇いていそうな時に試してみましょう。
離乳食の形状は、固すぎてもやわらかすぎても細かすぎても、丸のみの原因になります。
食事のペースはゆっくりと、形状はお子さんの口の発達や歯の生え具合に合わせて、調節しながら与えましょう。
離乳食の進みが順調で、3食食べられている場合は今までどおりの育児用ミルクで大丈夫です。
フォローアップミルクは、鉄分やカルシウムなどが強化されていますが、母乳や育児用ミルクの代わりではありません。
離乳食が進まず、鉄分が不足するリスクがあったり、体重が増加しないなどの場合は、医師に相談して必要に応じてフォローアップミルクを使用しましょう。
いろんなことに関心を示すようになってきたということです。
長くなるようなら思い切って30分程で「ごちそうさま」と切り上げてもよいです。
また、椅子が高くて足がぶらぶらしていると、食事に集中できなかったり、お腹に力が入らなかったりするので、床に足がつくようにマットなどを敷いてあげるとよいです。
形のある食べ物を噛みつぶすことができ、栄養の大部分を母乳や育児用ミルク以外でとれるようになってからにしましょう。この時期は、離乳食が3回しっかり食べられるように進めましょう。
日本のベビーフードは、国の基準や日本ベビーフード協議会の基準にそって作られています。
※日本ベビーフード協議会:https://www.baby-food.jp
疲れている時や時間がない時、お出かけの時、食べやすくしたい、不足しがちな栄養素を補いたいなど、いろんな状況の中でベビーフードは役に立ちます。
《使用時の注意点》
離乳食は、時間がある時にまとめて作っておくと便利です。
《ポイント》
担当 弘前市こども家庭センター 子育て包括支援係
電話 0172-37-1323