高血圧とは、心臓が全身に血液を送り出す時や心臓に戻るときに血液が血管の壁を押す力のことをいいます。
家庭で血圧を測定して、収縮期血圧(心臓が縮んで血液を全身に送り出すときの血圧、「上の血圧」のこと)135mmHg以上または拡張期血圧(体内から戻ってきた血液によって心臓が膨らんだ時の血圧、「下の血圧」のこと)85mmHg以上に該当すると高血圧といえます。
高血圧は、長い時間続くと全身の血管に圧力がかかり、脳卒中や心筋梗塞、人工透析につながるような腎臓病を引き起こします。しかし、高血圧でも自覚症状がない場合が多く、治療せず放置してしまう人もいます。
市では、男女ともに脳血管疾患(脳出血、脳梗塞など)、心疾患(心筋梗塞など)、腎臓病(透析に繋がる慢性腎不全)による死亡率が全体の約3割を占めています。全国を上回る水準となっており、県でも同様の傾向にあります。これらの疾患はすべて血管が詰まったり、破けたりして起こるものであり、その原因のひとつとして高血圧が挙げられます。高血圧は予防することができ、内服による自己管理が可能な疾患ですが、国保特定健診(※)のうち、高血圧症と診断された人は受診者全体の約5割にのぼります。そのうち4割は治療をしていないことがわかっています。高血圧を予防し、脳や心臓、腎臓などの臓器を守るために、弘前市では高血圧対策を推進しています。
(※)生活習慣病予防のために、40歳から74歳までの人を対象に行っているメタボリックシンドロームに着目した健診のこと。
市では、高血圧についての正しい知識の普及や広報での啓発などを行っていきます。また、地域の健康づくりサポーター(地域で住民の健康づくりをサポートする人)や食生活改善推進員などと協力して、市民に対しての啓発活動や各地域における調理実習を加えた栄養教室を実施したり、幼児健診や離乳食教室では、保護者が味覚について学ぶ機会をつくるなど、こどもの頃からうす味で育てていく大切さを伝えています。
市では、「①健(検)診を受診する②家庭血圧を測定する③減塩をこころがける」を高血圧予防の3つの柱に掲げ、市民の皆さんが主体的に高血圧予防に取り組めるよう後押ししています。
「自分は健康だから大丈夫」「病院に通っているから大丈夫」と思われている方もいるかもしれませんが、脳卒中や心筋梗塞、透析に繋がる腎不全になる前に健診で異常を早期発見し、早めに対応をすることが大切です。また、健(検)診を受け、異常が見つかった場合、症状がないから大丈夫と放置してはいけません。早めに受診することが大切です。
市では、市民のみなさまが受けた健診結果をもとに、生活習慣などを聞き、生活習慣の改善に向けたポイントを一緒に考えるために個別訪問を実施しています。みなさまが健康でいられるよう、保健師がお手伝いをさせていただきます。
みなさんはご自分の血圧がどのくらいか知っていますか?
普段の血圧を知ることは、高血圧対策の第一歩です。採血などとは違い、家で簡単に測ることができます。
家庭で血圧を測っていただく目的は下記の通りです。
1.家庭での正確な値の把握 |
血圧は常に変動しており、季節や時間にも影響されるため、毎日一定の時間、同じ環境で測ることが重要です。 家庭で測定すると、ストレスや運動による影響を受けづらいため「本当の血圧」が把握できます。 |
2.「仮面高血圧」の早期発見 |
診察室で測った血圧が正常でも、家庭で測った血圧が高い「仮面高血圧」が早期に発見できます。 仮面高血圧の場合、治療が必要となります。10人に1人がこのタイプだといわれています。 |
3.「白衣高血圧」がわかる |
診察室で測った血圧が高くても、家庭で測る血圧が正常な「白衣高血圧」がわかります。 白衣高血圧は、すぐに治療を始める必要はないとされますが、血圧を良い状態に保つためにも、生活習慣を見直してみましょう。 また、将来、持続性高血圧になりやすいため、注意が必要です。 |
4.血圧タイプの把握 |
血圧には4つのタイプがあります。非高血圧(診察室、家庭血圧ともに正常)、仮面高血圧、白衣高血圧、持続性高血圧(診察室、家庭血圧ともに高い)があります。 持続性高血圧は治療が必要となります。 家庭で血圧を測ることで、自分の血圧のタイプがわかり高血圧の診断に役立ちます。 |
血圧を正しく測ることができていますか?血圧測定のタイミングとコツをお知らせします。
家庭血圧を測定して、135/85mmHg以上であれば、治療が必要になるかもしれません。
血圧が気になる方は、5日間家庭で血圧を測り、記録した手帳をもってかかりつけ医を受診しましょう。
市では、普段の血圧を知ることで高血圧予防につなげていただけるよう、血圧計の無料貸出を行っています。貸出期間は10日間前後です。
貸出を希望される方は、下記の窓口までお越しください。
(血圧計は数に限りがあるため、希望日に貸出できないことがあります。)
希望される方は、下記の窓口までお越しください。
<受付窓口>
① 弘前市保健センター1階窓口(平日8時30分~17時) TEL:37-3750
② ヒロロ3階健康広場(火曜日を除く9時~18時) TEL:35-0157
塩分をたくさん取ると、体内のバランスを保つために体は水分を求めます。水をたくさん飲むと、血液量が増えるため、血圧が上がります。高血圧を予防するためには、食塩の摂取量を適切な量に抑えることが大切です。
次に、減塩のポイントです。令和4年度「青森県県民健康・栄養調査」によると、青森県の塩分摂取量(20歳以上の平均値)は男性が11.8g、女性が10.2gとなっており、全国(男性:10.5g、女性:9.0g)より多く塩を摂っている状況です。各ポイントを意識して、減塩ロードを登ってみましょう。
減塩は一人の力では難しいかもしれません。
家族や周りの人と協力して取り組んでいきましょう。
減塩調味料(※)を使用することで簡単に減塩が出来ます。また、ラーメンなどの汁を全部飲まずに半分残すことでマイナス2gの塩分量を減らすことができます。自分に合った方法で減塩に取り組んでいきましょう。
(※)食事制限やカリウムを制限されている方はかかりつけ医に相談してください。
「弘前市出前講座」のメニューに「からだの健康講座」があります。企業や学校など、市民の皆様が自主的に開催する学習会などにご活用ください。時間の目安は30分から60分で一般の方が対象です。
健康増進課(弘前市保健センター内)
平日8:30~17:00
住所:弘前市野田二丁目7-1
電話:0172-37-3750
FAX:0172-37-7749