歯と口の健康は、こどもの健やかな成長にとても大切です。
健康な歯を育てるためにも、生活のリズムを整え、「食べたらみがく」習慣をつけてお子さんの歯を守りましょう。
はじめは、機嫌の良い時にひざに寝かせて、ほおや口のまわりにそっと触れてみましょう。
慣れてきたら口の中をのぞいたりして触られることに慣れさせましょう。
歯みがきの姿勢は仰向けで、いつもと同じ風景ではないため「こわい」と感じることがあります。
普段からこのような遊びを取り入れて慣れさせましょう。
生まれたての赤ちゃんの口の中には、むし歯の原因となる菌はいません。
むし歯菌はだ液から感染するので、家族全員が歯みがきを徹底し、むし歯予防と治療を心がけましょう。
また、大人がかみ砕いた物を口移しで与えたり、スプーン、コップなどを共有するのは避けましょう。
乳歯が1本でも生えてきたら、仕上げみがきを始めましょう。
歯ブラシはこども自身が持つ「自分みがき用歯ブラシ」と保護者が使う「仕上げみがき用歯ブラシ」の2種類を用意し、使い分けるようにしましょう。
えんぴつを持つようににぎります。
こどもを仰向けに寝かせてみがく「寝かせみがき」がこどもの口の中が見やすいのでおすすめです。
保護者の両足でこどもの体をおさえて固定しましょう。
みがき残しがないように、順番を決めましょう。みがく場所が偏らず、みがき残しを防ぐことができます。
スタート・ゴール地点を決めてみがくと、途中で中断しても、「次はここから再開」というのがわかりやすくなります。
奥歯が生えたら、奥歯のみぞはかき出すようにみがきましょう。
上の前歯は一番敏感で嫌がりやすい部分なので裏側からみがきましょう。
歯をみがく時は、写真のように指で唇や頬の粘膜をよけてみがいてあげましょう。
上唇をめくると上唇小帯というすじがあります。小帯に歯ブラシがあたると痛いので、歯ブラシを持っていない反対の手の人差し指で上唇をめくって小帯をガードしてあげます。
微量ながらだ液にも含まれ、お茶や海藻など、自然界にも存在している天然のミネラル成分です。
私たちにとって、とても身近な成分なので安心して使用できます。
ただし、製品によって違いがあるので、説明書の指示に従った分量を守って正しく使いましょう。
リスクに合わせて組み合わせましょう。
『アレルギーにご注意ください』
市販のフッ化物配合歯みがき剤などをご自宅で使用する場合は、製品によってはフッ化物以外に含まれる成分により、アレルギー反応を引き起こす場合があります。
アレルギーをお持ちのお子さまが使用する場合、もしくはアレルギーが心配な方は、使用する前に歯科医または主治医へのご相談をおすすめします。
眠い時や遊びに夢中になっている時にみがいていませんか?
歯みがきは寝る前がベストですが、食後すぐや機嫌がいい時にみがくと、お互いに落ちついてみがけます。
お子さんに合った時間をみつけましょう。
口の中のあちこちに歯ブラシがあたって嫌がっていませんか?
特に、上の歯をみがくときは、上唇をめくって上唇小帯というすじの上を指で保護し、すじに歯ブラシの毛先があたらないようにしながらみがきましょう。
口を開けてくれないのは、リラックスできていないのかもしれません。
普段から「あ~ん」と声がけしながら、口を開ける練習をしましょう。
自分みがき用の歯ブラシなどを準備して、口におっぱいや哺乳びん以外のものを入れる練習をしましょう。
口元はとても敏感です。中でも上唇は一番嫌がるところです。
遊びを通して、唇に遠いところから、「手⇒肩⇒頭⇒頬⇒あご⇒下唇⇒上唇」と、少しずつ段階を踏んで、徐々に刺激に慣れさせましょう。
最初の乳歯は、生後6か月~9か月にかけて、下の真ん中の2本から生えてきます。
続いて上の真ん中の2本が生えてくるのが一般的です。
歯が生える時期や順番には多少の個人差があり、数か月遅れることもあります。
生える時期が気になる場合は、市で行っている歯科健診や歯科医院を受診して診てもらいましょう。
特に下の前歯が足りないことが多いようです。
先天欠如(せんてんけつじょ)といって、もともと歯が作られていないこともあれば、癒合歯(ゆごうし)といって、2本分の歯がくっついて生えてくることもあります。
乳歯が足りないからといって、永久歯も足りないとは限りません。
乳歯のときは経過をみて、永久歯に生え代わる頃にレントゲン写真を撮ってもらい、将来の歯並びやかみ合わせについて歯科医へ相談しましょう。
お子さんが嫌がらなければ、歯が生え始めたら使用できます。
フッ素濃度が低いもの、研磨剤が入っていないもの、無発泡のスプレータイプやジェルは、うがいができない乳幼児でも使用できます。
ブクブクうがいができるようになったら、研磨剤入りの歯みがき剤を使い始めましょう。
ただし、使う量には注意が必要です。生え始めから2歳頃までは、1~2mm程度の少量、3歳~5歳では5mm以下の量を使いましょう。
白斑(はくはん)といって、むし歯のなりかけかもしれません。
特に、だ液による自浄作用(自然に生じる洗浄力)が悪い上の前歯に多くみられます。
白斑になっている部分をしっかりみがいて汚れを落としましょう。
フッ化物歯面塗布などを行うと、再石灰化して元のような歯に戻る可能性があります。
そのまま放っておくと、茶色くなり穴があいてしまうので注意しましょう。
歯並びやかみ合わせが悪くなるのには、要因があります。
要因として、
①乳歯をむし歯などで早く失い、永久歯の生える場所がない
②歯と顎の骨のバランスが悪く、永久歯が生える場所がない
⇒歯や顎の大きさは遺伝もありますが、よく噛まないで食事をする習慣がついてしまうと、顎の発達に影響が出てしまいます。
③遺伝的な問題による出っ歯やうけ口(反対咬合)
⇒1~2歳頃に下顎を突き出すようなしぐさをしたり、下顎が不安定なために、下顎を出して泣いたりするなど、一過性のものがみられたりします。
両親または血縁者の中にうけ口の方がいないのであれば、遺伝的因子は少ないとみて経過をみましょう。
④おしゃぶり、指しゃぶりなどの癖、舌の前方突出癖や口呼吸、ほおづえ、うつぶせ寝などの生活習慣によるもの
⇒後天的な環境によるものは、身近な生活を見直すことで防ぐこともできます。
将来、矯正治療が必要になった場合にむし歯があると、矯正治療に取りかかることができなくなってしまいます。
最良のタイミングで治療ができるように、かかりつけ歯科医に相談しながら、定期的に経過をみていきましょう。
「乳歯が白く濁っている」「穴が開いている」など、歯の様子で心配なことがあれば、
時期にかかわらず歯科医院を受診しましょう。
保護者の膝の上に寝転ぶような姿勢でこどもの仕上げみがきをすることと、治療の椅子に座った姿勢で口を開ける状態はよく似ています。
そのため、家庭での仕上げみがきに慣れておくと、フッ化物歯面塗布やむし歯の治療の時にもスムーズに行えます。
もっと詳しく知りたい方は日本小児歯科学会ホームページをご覧ください。
日本小児歯科学会 https://www.jspd.or.jp/
担当 弘前市こども家庭センター 母子保健係
電話 0172-33-1652