古代、北東北は中央集権国家の支配の及ばない地域であり、その住民は中央集権国家より「蝦夷[えみし]」と呼ばれていました。その実態は、長らく謎に包まれていましたが、近年の発掘調査の成果では、この時期の人々の様相が見えつつあります。弘前市内でも、平成10年(1998)以降、平安時代を中心とした発掘調査事例が増加しており、貴重な成果があげられています。
平成30年(2018)9月29日、古代の津軽の様相を多くの方々に知っていただくため、考古学や文献史学の専門家をお招きしてシンポジウムを開催しました。
また、「古代遺跡を掘る-弘前市内の調査成果から-」と題して、平成30年9月21日から10月5日まで、平安時代を中心とした遺跡の発掘調査成果を紹介するパネル展も開催しました。
シンポジウム開催風景
当時配布したチラシです。
平成30年(2018)8月15日と25日、26日に開催しました。
1日目は史跡大森勝山遺跡[おおもりかつやまいせき](弘前市大字大森)と砂沢遺跡[すなさわいせき](弘前市大字三和)を、2日目は如来瀬石切丁場跡[にょらいせいしきりちょうばあと](弘前市大字如来瀬)と高照神社馬場跡[たかてるじんじゃばばあと]、高岡の森弘前藩歴史館(弘前市大字高岡)を、3日目は史跡津軽氏城跡堀越城跡[しせきつがるししろあとほりこしじょうあと](弘前市大字堀越、川合)と乳井茶臼館[にゅういちゃうすだて](弘前市大字乳井)を、訪れました。
歴史体感ツアー開催風景(高照神社馬場跡)
小友小学校や三和小学校、裾野小学校、致遠小学校の4校を対象に行いました。
小友・三和小学校の児童は、砂沢遺跡[すなざわいせき](弘前市大字三和)などを、裾野小学校の児童は、巌鬼山神社(弘前市大字十腰内)や鬼沢の追分石(弘前市大字鬼沢)、大石神社(弘前市大字大森)などを、致遠小学校の児童は、革秀寺や、市指定有形文化財旧石戸谷家住宅の跡地(弘前市大字浜の町東)などを、訪れました。
小友・三和小学校児童の見学風景(砂沢遺跡)
弘前の文化財「砂沢遺跡出土品」国指定重要文化財
弘前の文化財「革秀寺本堂・津軽為信霊屋」国指定重要文化財
平成31年(2019)2月1日から2月27日まで、古代史パネル展や、わがまちの歴史と文化財探訪・紹介マップ事業で作成した成果報告展を、3会場で開催しました。
パネル展開催風景(「文化財マップ作品展」)
平成29年(2017)、市教育委員会は住宅建築等に伴い、市内13遺跡、14か所で発掘調査を行いました。
平成29年度発掘調査速報展は、平成30年(2018)3月31日から9月30日まで、縄文時代の包蔵地である宮館遺跡[みやだていせき](弘前市大字宮舘)、平安時代の包蔵地である宮本遺跡[みやもといせき](弘前市大字五代)、縄文時代・平安時代の集落跡、中世の城館跡である坂本館[さかもとだて](弘前市大字館後)、近世の寺院跡である史跡津軽氏城跡弘前城跡長勝寺構[ちょうしょうじがまえ](弘前市大字西茂森)の4遺跡を写真や出土遺物で紹介しました。
また、10月3日から平成31年(2019)3月22日まで、企画展「津軽の古代とは?-弘前市内の調査成果からみた古代-」と題して、弘前市内における平安時代を中心とした遺跡の発掘調査成果を写真や出土遺物で紹介しました。
当時配布したリーフレットです。
企画展「津軽の古代とは?-弘前市内の調査成果からみた古代-」(492KB)