(会見者: 葛西憲之 市長)
1.記者会見次第(あいさつの主な項目等)(33KB)
2.弘前さくらまつり(まつり期間)(126KB)
始めに、先日訪問した武漢・杭州ミッション団についてご報告します。
3月23日から27日まで、武漢・杭州ミッション団として、中国武漢市及び、杭州市を訪問してまいりました。武漢市では、友好交流協議を締結し、東湖桜花園内にて桜の記念植樹を行いました。
また、武漢市にある日系企業、ホンダ自動車及びイオン株式会社の関連会社を訪問し市場調査を行い、杭州市においては旅行会社を訪問し弘前市の観光PRを行いました。
武漢市とは今後、桜の交流を基本に、経済、文化、教育、スポーツ、農業、観光などの分野において段階的に交流を深めてまいりたいと考えています。
弘前市プロ野球一軍戦誘致実行委員会主催の「楽天イーグルス一軍公式戦観戦ツアー2016」を、昨年に引き続き実施します。
4月9日(土曜日)にKoboスタ宮城で開催される「東北楽天ゴールデンイーグルス」対「北海道日本ハムファイターズ」戦へ、1,000人規模での観戦ツアーを目指し3月18日まで申し込みを受け付けした結果、「日帰りバスツアー」が336人「現地集合」が531人、合計867人の申込者数となりました。
「現地集合」には定員数を超える申し込みがありましたが、合計で1,000人以内に収まったため、すべて受け付けしたところです。
昨年同様多くの方に申し込みをいただき、一軍戦誘致に向け、市民のみならず県民の思いが伝わる結果となったことを喜んでいます。当日の試合には私も参加し、市民及び県民の皆さんとともに応援し、メッセージボードを掲げるなどして盛り上げたいと考えています。
さくらまつりの季節となりました。
今年は小雪で雪解けも早く進み気温の高い日が多く、また今後も気温が高い日が多いとの予想から、現時点で、弘前公園のソメイヨシノの開花予想は4月16日となっています。去る4月1日、弘前さくらまつり主催者が協議し、4月16日(土曜日)から準まつり体制で運営することを決定しました。16日から22日までの準まつり期間、23日から5月5日までのまつり期間を通じて、ライトアップや出店の営業などを行い、観光客や来園者の皆様をお迎えします。準まつり期間と通常会期を合わせて20日間という長い期間となりますが、弘前公園には約50種の桜が植えられており開花が遅い品種も多いため、ソメイヨシノが終わった後も様々な品種のさくらを楽しむことができます。まつり期間の最初から最後まで、存分に楽しんでいただけるよう、様々な角度から弘前公園の桜の魅力を発信し、弘前に行ってみたい、弘前に来てよかったと感じていただけるよう努めてまいります。
例えば、以前、人気フェイスブックページ「死ぬまでに行きたい世界の絶景」に弘前公園の花筏が紹介され人気を博しましたが、たくさんの皆さまにお楽しみいただけるよう、開花情報とともに花筏情報も提供してまいります。
また、今年のさくらまつりは、天守曳屋後初めてのまつりですが、移動した天守が元の位置に戻るまでは「天守と桜と下乗橋」という弘前さくらまつりを代表する景色に替わり、「雪を抱いた岩木山を背景にした天守と桜」という、これまで見ることができなかった景色を、新たに設置する展望台から望むことができます。車イスやベビーカーでも移動できる展望台ですので、ぜひご家族やご友人とお越しいただきたいと思います。
また、弘前城天守2階及び天守周りには陣幕を張り、自由に陣羽織を着用して武将気分を味わうことができる、記念撮影会場を設置します。さらに、武徳殿での「お殿様お姫様衣装着付体験」会場では、新たに、本物さながらの甲冑を2組揃えました。この機会に、着付け体験してみてはいかがでしょうか。もちろん団体客にも対応できるよう、40着を用意してあります。
なお、石垣修理のために埋め立てた本丸下の内濠は、今年も一般開放いたします。御滝桜を濠から見上げ、勇壮な石垣の、解体前最後の様子をご覧いただきたいと思います。
ただ、私としてはやはり、下乗橋の向こうに見える天守というさくらまつりを代表する景色を、今年も体験いただきたいと思い、このたび、AR技術を用いて、園内6カ所にて、移動前の天守やたか丸くんとともに写真撮影ができる無料アプリ「街めぐ~弘前編~」を、4月15日から配信することとしました。このパネルのように撮影することができます。撮影は、下乗橋からの天守、内濠から見上げた天守、館神跡からの天守と石垣、日本最古のソメイヨシノ、春陽橋からの西濠、南内門からの桜の6カ所で出来ます。どんな写真が撮れるか、皆さまでお試しいただきたいと思います。
弘前公園は築城当時の形状を色濃く残す全国的にも珍しい城跡であり、未だ発信しきれていない魅力が残っているものと思っています。
その一つに、三重にめぐらされた濠の魅力があります。今年のさくらまつりでは、この濠からの景色を活かした新たな事業の可能性を探るため、社会実験を実施します。中濠をゆっくり進む船に乗り、辰巳櫓、石垣、杉の大橋などをこれまでとは異なる目線で眺めていただきアンケートを行います。この社会実験の結果は、今後、弘前公園のさらなる魅力発信に繋げたいと考えています。
さて現在、市役所本館と新館は外部改修工事中ですが、まつり期間中は一時工事を中断し市役所本館の屋上を開放することとしました。地上14メートルからの桜や花茷、そして今年は市役所に隣接する事業所のご協力で、一段と景観がアップした岩木山の美しい稜線をお楽しみいただけるものと思います。
まつり期間中、旧紺屋町消防屯所では、弘前工芸舎「市内工芸品のセレクトショップ」を開催します。津軽塗やこぎん刺し、木工品や染め物など、当市の工芸品を集めた期間限定の販売会となっていますので、弘前公園にお出かけの際は、是非お立ち寄りいただければと思います。
また、4月16日から5月8日の期間、弘南鉄道大鰐線に乗車し中央弘前駅で下車した方は、弘前城本丸・北の郭区域、弘前城植物園、藤田記念庭園に、無料で入園することができます。大鰐線の駅には無料の駐車場もありますので、ぜひ積極的な利用と大鰐線の応援をお願いするとともに、渋滞緩和にもつなげたいと考えています。
さて、今年度から本格的に始動する「弘前デザインウィーク」ですが、今年のさくらまつり期間中「HIROSAKI DESIGN WEEK SAKURA」として、様々なイベントを開催します。
まず、さくらまつり開会式にあわせて「HIROSAKI DESIGN WEEK SAKURA」のオープニングを開催します。ゲストには、アートユニット「明和電機」の土佐信道さんらを予定しています。併せて、お城ロボットとテーマソングの御披露目も予定しています。テーマソングの披露については特別ゲストの登場も予定していますのでご期待ください。
4月23日と24日には、アートユニットの明和電機による、子どもたちがひらめいたおかしなアイデアを実際に制作してみるという「オモチャづくりワークショップ」を、まちなか情報センターを会場に開催します。
そして、弘前公園では「子ども・さくらワークショップ」として、イラストレータの田中靖夫さんを迎えた「はりがねアート」などのワークショップも開催します。当日の参加も可能ですので、さくらまつりを訪れた際には、是非お立ち寄りいただければと思います。なお、このワークショップに先立ち、4月12日に小沢小学校の2年生と4年生の児童を対象に「事前ワークショップ」を開催することとなっています。ここで制作された作品については、弘前公園の会場にも飾ることとしていますので、お楽しみにしていただければと思います。
最後に5月4日には、ジャパンデザインウィークから脳科学者の茂木健一郎さん、建築家の伊藤豊雄さんを迎えて、弘前のクラフトマンやデザイナ、学生によるプレゼン大会を弘前文化センターにて開催します。こちらも当日の参加もできますので、多くの方々のご来場をお待ちしています。
「TOKYO DESIGN WEEK」では、BS日テレで「TOKYO DESIGN WEEK.tv」という番組を放送しています。今月の18日と25日の2週にわたり、私がゲストとして出演し「HIROSAKI DESIGN WEEK」をはじめ弘前のPRをいたします。それぞれ午後11時から放送される予定ですので、ぜひご覧いただければと思います。
4月で市長の任期は折り返しとなりますが、後半の2年間に向けた抱負、特に重点的に取り組みたいことをお知らせください。
私は、平成26年4月の市長選挙においてマニフェストを掲げ、多くの市民の皆様から信任をいただき、これまでの2年間「子どもたちの笑顔あふれるまち弘前」の実現のために全力で取り組んでまいりました。
私のマニフェストの内容や進めたい弘前づくりの方向性は「弘前市経営計画」に網羅させており、目標を明確にし、PDCAサイクルにより成果や新たな課題をしっかりと検証し、より効果的・効率的に進化成長することで着実に進めてきています。
マニフェストの達成率は、平成28年3月末現在で着手率が100%、実施率が87%となっています。この達成率という数字は大切ですが、それ以上に刻々と変化する社会経済情勢の中で、地域課題や市民ニーズに適切に臨機応変に対応し、市民の皆様が実感されることが重要であり、そのためには、これからの2年間は折り返すということではなく、さらに前に向かっていったん成果が上がったものは落とさずに確実に引き上げてまいります。
特にマニフェストに掲げている人口減少の抑制は「弘前市経営計画」において最重要課題として位置づけ、国の動きに先んじて取り組んでおり、昨年9月には「弘前市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、人口減少対策に一層積極的に取り組むとともに、当市の課題を先送りせず、課題解決に向けて今後はさらに加速させていきます。
その手段の1つとして、私は副市長を2人としマネジメント能力を発揮して、政策の企画・立案、様々な課題に迅速に対応できる体制によるトップマネジメントの強化を図ることとしました。
また、「人口減少」という課題解決に最も有効な雇用の創出に向けて、当市の特性を活かした経済活性化の施策についてこれまで以上に取り組みを進めてまいります。
例えば、当市観光の中心である弘前城、この本丸石垣修理事業に伴う曳屋により国内外から評価された大きな流れを、さらなるうねりにするためには、今まさに、弘前市の未来を決めていく大切な時期であることから、戦略的に未来を見据えた将来投資を進めてまいります。
そして、常に市民の幸せと「子どもたちの笑顔あふれるまち 弘前」の20年後の未来を願い、地域に活力を生み、持続可能な社会の創生に向けて、スピード感と発想力そして決断力を持って、次代の子どもたちが夢を持てるような将来展望を市民の皆様にお示ししながら市政運営を行ってまいりますので、市民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
ごみ削減を進めるための新たな計画が策定されるとのことですが、現状の弘前市のごみ排出状況についての受け止めと、2016年度の主な取り組みについて教えてください。市長はこの問題にどう対応していくお考えでしょうか。
平成28年3月25日に国が公表した最新の調査結果によると、平成26年度の当市の市民1人1日あたりのごみ排出量は1,280グラムで、平成25年度と比較して30グラム減少しています。しかしながらこの数値は、県平均の1,046グラムより22%、全国平均の947グラムより35%も多い状況であり、県内40市町村中最下位という大変残念な結果となっています。
私は、この結果を重く受け止めており、ごみ処理問題を一刻の猶予も許さない喫緊の課題と位置づけ、市民及び事業者と連携・協働しながら低迷する状況からの早期脱却を強力に推し進める決意です。
市では昨年度から「循環のまち弘前」を実現するため、平成28年度から平成37年度までの10年間を計画期間とする新たな「一般廃棄物処理基本計画」の策定を進めており、昨日行われた弘前市廃棄物減量等推進審議会からの答申を踏まえ、近日中に公表する予定です。
平成28年度の主な取組としては、新たな「一般廃棄物処理基本計画」に基づく家庭系ごみ対策として、市民が簡単に取り組むことができ高い効果が見込める「食べキリ」「使いキリ」「水キリ」の3キリ運動を全市的に取り組むほか、広報誌や各種イベントなどを活用した普及啓発、使用済小型家電や衣類回収などを重点的に実施してまいります。
また、事業系ごみ対策として、ごみの適正排出を促すための事業所訪問や事業者向けごみ排出マニュアルの作成・配付、また、弘前地区環境整備事務組合と連携して実施する、ダンボールや新聞紙などのリサイクル可能な古紙類の受入制限などを重点的に実施します。
当市の事業系ごみは、全国及び県に比べ大変多く、市のごみ処理状況が低迷する大きな原因となっていることから、私自らが先頭に立って市内の事業所を訪問し、資源化可能な古紙類の無料回収を行う「オフィス町内会」の活用を勧めるなど、より一層のごみの減量化・資源化への協力を求めてまいります。
その他、ごみを活用したバイオガス発電など、リサイクル率の向上を図りつつ、地域における新たなエネルギーの地産地消を推進する方策についても、国や民間事業者などと連携しながら検討を進めてまいります。
ごみ処理問題は、行政だけでなく市民及び事業者が一体となった「オール弘前」体制で連携・協働し、取り組む必要があると考えています。子どもたちが豊かに暮らせる循環型社会の実現に向け、計画に掲げられた施策をさまざま展開してまいりますので、市民・事業者の皆さまのご協力をよろしくお願いします。