(会見者: 葛西憲之 市長)
1.記者会見次第(あいさつの主な項目等)(35KB)
2.弘前りんご花まつり チラシ(468KB)
3.弘前りんご花まつりカレーマーケット チラシ(207KB)
4.シードルナイト チラシ(336KB)
5.博物館特別企画展 チラシ(121KB)
6.第18回津軽路ロマンツーデーマーチ チラシ(483KB)
今年の弘前さくらまつりは、早咲きに対応するため4月16日から22日までを準まつり期間とし、4月23日から5月5日までのまつり期間とあわせ、合計20日間で観光客の皆様をお迎えしました。昨年に引き続き今年も全国的に早咲き傾向にあり、弘前公園のソメイヨシノは4月18日に開花し23日に満開となり、26日まで満開が続きました。また、ヤエベニシダレは4月22日に開花、26日に満開となり5月2日まで満開が続きました。
準まつり期間中の人出は28万人、4月23日からの会期中の人出は208万人で、合計の人出は236万人となりました。これは昨年の226万人と比べますと、10万人の増となっています。準まつり期間については、桜のライトアップ、出店の営業、市役所本館屋上開放、無料駐車場の設置など、まつり期間と変わらない万全の態勢で、観光客の受け入れを行ったところです。
また、今年の冬の状況から早咲きを想定し、さくらまつりの園内マップには弘前公園にある52品種の桜を早咲きや遅咲きの品種ごとの情報も加えて紹介したほか、市の観光情報を一元的に掲載している弘前観光コンベンション協会のホームページにもまつり前から公開するなど、まだまだ知られていない桜の魅力発信に努めました。観光客の皆様からは、弘前公園の桜の種類の多さやソメイヨシノの後にも見頃の桜があることへの驚きの声と、弘前公園を訪れてよかったとの感想も聞かれ、ソメイヨシノだけではない弘前公園の魅力を伝えることが出来たものと思っています。
今年のさくらまつりは、天守曳屋後初めてのまつりとなりました。これまでは見ることのできなかった「雪を抱いた秀峰岩木山を背景にした天守と桜」の絶景を一望できる展望デッキには長い列ができ、訪れた観光客からは感嘆の声が聞かれました。
また、天守前や天守2階に陣羽織を着て記念写真を撮ることができる撮影スポットを設置したところ、こちらも長蛇の列ができ大変人気を博したところです。
このほか、曳屋前の天守をスマートフォン等の中で再現するとともに、たか丸くんやお城ロボットとの記念撮影ができるARアプリ「街めぐ~弘前編」をリリースしました。
子どもから大人まで、さらには多言語対応により外国人観光客の皆様にも大いに楽しんでいただけたものと考えています。
さらに、今年は公園の新たな魅力の掘り起こしとして、中濠の水面から桜や辰巳櫓、杉の大橋などを見上げることのできる「中濠城船事業」を社会実験として実施しました。利用者は約450組、約1,000人の方にご利用いただきました。アンケート結果は現在集計中ですが、利用者からは「これまでとは異なる目線で眺める景色に感動した。」などの声が寄せられ、これまで見ることのできなかった風景を多くの観光客の方に喜んでいただけたものと考えています。
市役所本館の屋上開放は、準まつり体制を含む4月16日から5月5日まで実施しました。期間中は、延べ13,515人の利用者があり、一日の平均は約676人、最も利用者が多かったのは4月24日(日曜日)で、3,787人でした。多くの好評の声が届いており、今後もまつりの人気スポットとして認知されるよう充実させていきたいと考えています。
また、弘前市の「趣のある建物」に指定されている「旧紺屋町消防屯所」建物内のまちなかクラフト村も、4月20日から5月5日まで開催しました。期間中の来場者は延べ4,898人で一日平均は306人となりました。
弘前公園では遅咲きの桜の見頃が続いていますが、まもなく桜の季節も終わりとなります。現在、国内の観光客をはじめ外国人観光客にも楽しんでもらえるメガネ型の端末を利用した多言語スマートツーリズム事業を進めており、桜の季節以外に当市を訪れた方に満開の桜を体験していただくための映像をまつり期間中に撮影しました。これにより、夏からの本格運用では、弘前公園の満開の桜の景色や、既に撮影済みの一面雪におおわれた純白の景色をスマートグラスで堪能していただけるようになります。今後、夏の緑、秋の紅葉までの四季の映像を撮影し、これらを盛り込むことで弘前公園の四季の素晴らしさを体験してもらい、違う季節にまた来てみたいと思っていただけるようなツールにしていきたいと思っています。このほか、最古のソメイヨシノや花筏のできる様子などのタイムラプス映像も撮影していますので、この映像を活用し、弘前公園の素晴らしさを日本だけではなく世界中へと発信していきたいと考えています。
桜に続く2度目のお花見として、5月6日(金曜日)から15日(日曜日)までの10日間「弘前りんご花まつり」を「りんご公園」で開催しています。
今年は初めての企画として、消防はしご車を使い地上約20mから「りんごの花見」を楽しんでいただいたほか、昨年の秋に初披露した直径3mの超巨大アップルパイの実演販売も大好評であり「りんごの街弘前」を堪能していただくことができたと思います。
会期は今日を含め残すところあと5日となりましたが、まだまだ週末を中心に、親子連れで楽しめるイベントを多数用意しているほか、14日(土曜日)の夜は、シードルを含めた16種類のりんごのお酒を500円で飲み比べできる恒例の「シードル・ナイト」を、ジャズライブやりんごの花のライトアップとともに開催します。
「シードル・ナイト」 にあわせて、弘前駅とりんご公園を結ぶ無料のシャトルバスも用意していますので、多くの市民や観光客の皆さんにりんご公園へお越しいただき、「りんごの花を愛でながら、りんごのお酒を楽しむ」という弘前ならではの贅沢なひと時を楽しんでいただきたいと思っています。
5月14日(土曜日)、15日(日曜日)の両日、「新緑の津軽路を歩こうりんごの花に包まれて」の大会テーマのもと、第18回津軽路ロマン国際ツーデーマーチが開催されます。5kmから30kmまでの各コースが設定されていますので、短命県返上、健康増進のため、ウォーキングでさわやかな汗を流していただきたいと思います。事前の申込状況は、1日目が951人、2日目が371人で、現在のところ合計1,322人となっています。なお、これは5月10日現在の数字であり、当日参加も受け付けています。
市立博物館では、6月4日から特別企画展「水野美術館コレクション 花鳥風月-近代日本画 美の系譜-」を開催します。
本展覧会は、ホクト株式会社の創業者である水野正幸氏が蒐集した日本画を収蔵する水野美術館のコレクションの中から、近代日本画を牽引した一流作家の作品54点を紹介するものです。
横山大観の初期の代表作「無我」をはじめとする日本美術院系作家の作品、上村松園、鏑木清方らの美人画、杉山寧、高山辰雄、加山又造ら戦後から平成にかけて活躍した作家の作品など、選りすぐりの日本画を集めています。テーマは、「花」「動物」「人」「風景」の4つで、各テーマにあわせて展示します。
なかなか見ることのできない日本を代表する作品が弘前にまいりますので、より多くの皆様、特に子どもたちにご来館いただき、初夏の弘前公園と共に、巨匠たちが表現してきた日本の美の象徴ともいえる「花鳥風月」の世界をご堪能いただきたいと思います。
最後に、熊本県を中心とする大規模な地震により亡くなられた方々に対しまして、改めてご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の方々に対して深い哀悼の意を表します。さらに被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
市では熊本地震の被災者を支援するため、日本赤十字社青森県支部弘前市地区による義援金活動に合わせて、4月18日から市役所本庁舎及び岩木・相馬各総合支所の3施設に募金箱を設置し、義援金の受付を行っています。さらに、4月23日から5月5日まで開催した「弘前さくらまつり」において弘前公園内の2箇所に募金箱を設置し、募金活動を行ったところです。
5月10日現在の義援金額につきましては、市役所本庁舎などの3施設分として「18万814円」、弘前公園実施分として「46万6,420円」となっています。
ご協力いただいた皆さまに心から感謝申しあげるとともに、被災地の1日も早い復興を願っています。なお、市役所及び岩木・相馬各総合支所では6月30日まで義援金を受付していますので、引き続き皆さまのご協力をお願い申しあげます。
先月、熊本県・大分県を中心に発生した地震では、多くの建物が被害を受けました。特に熊本県では、自治体の指定避難所のうち数十カ所が被害を受け、使えなくなっているということです。
弘前市の指定避難所における耐震化・耐震診断などの現状についておたずねします。
市では、平成25年6月に改正された災害対策基本法に基づき、本年4月1日現在、公共施設83箇所、民間施設5箇所、私立学校5校の計93箇所の指定避難所があります。
指定避難所については、昭和56年6月1日に導入された建築基準法に基づく新耐震基準に適合する建物を選定するという指定方針を定め、導入日以降に建築されたものまたはそれ以前に建築されたもので耐震診断や耐震化工事が施されたものを選定しており、すべての指定避難所において耐震基準を満たしています。
さくらまつりの人出が昨年よりも10万人増えましたが、一方、宿泊施設や出店の関係者からは人出がそのまま売上げに結びつかず厳しいとの声もありました。市としてそういった結果をどのように受け止めていますか。また、今後どのように検証していくのですか。
今回のさくらまつりについての全ての分析はまだ終わっていませんが、早咲きということで人出が前半にシフトされてしまったことは確かです。それを補うための施策として、天守曳屋後のまつりというイメージを先行させ、この秀峰岩木山、お城、桜の三点セットを見てもらう取り組みや中濠の社会実験を行い、様々なテストケースも参考にしてまいりました。そういった宣伝効果もあり、まつり全体として見ると、人出は昨年より10万人増の236万人という結果になりました。その一方で、確かに宿泊等についてはまつり後半失速しているという状況があります。早咲きを早めにアナウンスすることが、まつり後半のキャンセルに繋がってしまうことは当然予想されました。ただ、このことについては弘前市旅館ホテル組合とも協議をし、突然のキャンセルより早くアナウンスしたほうが挽回の余地があるという判断のもとに行ったという経緯があります。物産についても同様です。結果としてキャンセルを埋め切れたかどうかとなると、やはり様々なお考えがあろうかと思います。まつりがちょうどゴールデンウィークにかかることで宿泊客数の稼働率が上がってくるという流れに対し、早咲きの場合それ以外の手はなかなか打てないという状況でありますが、まつり後半にはもっと違ったイメージ戦略も併せて行うことが重要になってきます。遅咲きの桜についてのアピールは強力にやりましたので、それについては相当数挽回できたと思っていますが、それ以外にも様々なイベント等を盛り込み、態勢を強化していくことで、宿泊客のキャンセルに対する対応も出来てくるのではないかと思っています。去年、今年と早咲き対応を行いましたが、そういう意味では一定程度の成果はあがったものと思っていますので、それらを踏まえた新たな施策をさらに検討し、来年に備えたいと思っています。全体のまつりの総括についてはこれからとなりますので、その時にまたお話したいと思います。
補完しますが、今年からホテルも含めた観光関係者と商工関係者等との意見交換会を行っています。その中で、やはり観光消費額を上げるような協力体制をということで、情報共有の体制を構築したところです。また併せて、今年は観光消費額の現地調査も行い、その分析も踏まえた対応を取っていく準備を進めています。今後は、そのような中で対応を検討していきたいと思っています。
熊本地震に対する募金のお話がありました。今、熊本城の石垣が倒れたり瓦が落ちたりという状況にある中で、同じように城をシンボルに掲げ、昨年曳屋事業を成し遂げた弘前として、今後熊本城再興のために弘前市ならではの支援など、市長の考えがあればお聞かせください。
市としては生活再建を重点に支援していこうということで義援金を募ることから取り組んでまいりました。一定程度、生活再建が形となって表れてくる中で、熊本城の再建に当市が持つ曳屋等の技術的な背景が必要となった時には、私どもの出番がくるかと思っています。例えば石垣の改修等について、国土交通省等からも問い合わせがありましたし、築城技術や石垣の改修において弘前市としてできることがあれば協力して行ければと思っていますが、今のところ具体的な対応として決まっていることはありません。ただ、お城を持つ地域は他にも多くありますので、そういったところとの連携等がこれから動いていくということになれば、弘前市としても率先して協力したい考えです。
さくらまつりの開幕と同時に、「HIROSAKI DESIGN WEEK」が本格的にスタートしましたが、滑り出しを見て市長のお考えを伺います。
「HIROSAKI DESIGN WEEK SAKURA」は、弘前さくらまつり期間に合わせて、5つの事業を実施しました。
なかでも、オープニングでの弘前城がロボットに変化する「超城合体タメノブーンV(ファイブ)」や歌手水木一郎さんによるテーマソングのお披露目は、ヤフーのトップページでも紹介され、市ホームページの「城ロボコーナー」へのアクセスが5万ページビューを超え、全国メディアからも問い合わせを受けるなど、サブカルチャーによる弘前城の情報発信に、手ごたえを感じているところであります。このあとの展開としては、市民からのアイデアもいただきながら活用を進めたいと考えておりますが、まずは、音楽ダウンロード配信サイトでテーマソングの商品化を予定しており、作品に愛着を持ってもらおうと検討しているところです。
また、将来の担い手や若手のクリエイターの人材育成に視点を当てた、「こども感性ワークショップ」、「オモロボ・ワークショップ」、そして日本が誇るトップクリエイターとの「プレゼン大会・夜桜会」を開催しました。
ワークショップに参加した子どもたちが、自由な発想をカタチにした作品には、一人ひとりの個性の輝きを感じたところです。
プレゼン大会では、市内の熱き学生や若者達8名がゲストコメンテーターや私達に「弘前のポテンシャル」について様々な角度からプレゼンしていただきました。それぞれの「発想の種」に弘前愛を感じ、無限の可能性を発見する機会となりました。プレゼンの参加者からも「トップクリエイターから色々な経験や考え方を学び、今後の行動に移していきたい。」といった感想もございました。大変手ごたえを感じています。
この後は随時、イベントを単独で行うことになるのでしょうか。それともりんごの時期までは休止のかたちとなるのですか。
この「HIROSAKI DESIGN WEEK」 は単なるイベントではなく、年間を通じて活動するプロジェクトであり、市民全員参加、オール弘前体制で取り組むこととしています。
今月中には、関係機関による「HIROSAKI DESIGN WEEK コンソーシアム」 を立ち上げ、その中で、様々な事業展開を進めることとなります。それまでの間ストップするわけではなく、その都度様々なイベントに「HIROSAKI DESIGN WEEK」の切り口で付加価値を付けて情報発信をし続けることになります。そして秋には、今度はさくらからりんごへということで「RINGO(りんご)」をテーマとして、新たなプロダクトや観光コンテンツの開発に取り組んでいくこととしています。
現存12天守PRプロジェクトに関して伺います。昨日5月10日、宇和島市長がお見えになり、さらなる連携強化というところでお話しをされたと思います。犬山城についてはこれまで、同盟締結にはこだわらないということでありましたが、昨日の宇和島市長とのやり取りや葛西市長の後援会会合でのお話などを拝見すると、やはり何とかしたいとの思いがひしひしと伝わってきます。年度が変わった今、犬山城に対してまた少し違ったアプローチを続けたりするのか、現状のお考えがあれば市長の思いを含めてお願いします。
犬山城は他のお城と違って公益社団法人犬山城白帝文庫という法人が所有していることもあり、なかなかアプローチが難しい状況が続いています。私としても出来れば参加していただきたいという思いはあります。ただ、こちらからあまりにも積極的なアプローチをすることには、かえってマイナス面もあるかと思いますので、他の現存天守からの働きかけ等も期待したいと思います。今年度、全国城サミットも行いますが、実績を重ねていくなかで自然に、参加に前向きに取り組んでもらえるような環境をつくっていければいいかなと、そういうふうに思っています。
お城サミットが弘前で行われますが、犬山の出席は大丈夫なのでしょうか。
お城サミットの事業はこれからです。自然体でいきたいと思います。