(会見者: 葛西憲之 市長)
1.記者会見次第(あいさつの主な項目等)(33KB)
2.「弘前ブータンプロジェクトキックオフセミナー」チラシ(153KB)
弘前市は弘前大学と平成28年3月末より独立行政法人国際協力機構(JICA)草の根技術協力事業の一環として「弘前ブータンプロジェクト」を開始しました。
本プロジェクトは、「世界一幸せな国」と称されているブータン王国において、りんごを通じた国際貢献としてりんごの苗木生産から栽培加工までの技術向上を図るものです。実施期間は平成28年から約3年間で、弘前市内からの人材派遣のほかブータンからの研修員受け入れも行います。本プロジェクトをきっかけに農業だけでなく、ブータンと弘前市民の皆様との文化交流にもつなげていきたいと考えています。
今回皆様にプロジェクトについて知ってもらうために、5月にブータンを訪問した方々を講師に招いて「弘前ブータンプロジェクトキックオフセミナー」を、7月12日午後5時30分から弘前市民会館1階大会議室において開催します。
本セミナーは弘前大学と当市が連携して市民の皆様に分かりやすく情報提供する第1回目のセミナーとなっています。ブータンに興味のある方をはじめ多くの皆様のご参加を願っています。
今年も7月24日の「ちびっ子ねぷたのお通りだい」を皮切りに、8月1日から7日まで熱く燃える弘前ねぷたまつりを開催します。
昨年から、合同運行に参加する全てのねぷた団体で組織する「弘前ねぷたまつり合同運行安全会議」を加えた主催5団体で構成する「弘前ねぷたまつり運営委員会」がねぷたまつりを実施しており、今年もこの運営委員会が中心となり準備を進めているところです。
今年は82団体が出陣予定となっており、9年続けて80以上の団体が出陣するということになります。昨年に引き続き1日あたりの参加台数に上限を設けるほか、各団体が運行安全マニュアルを作成し、安全な運行を重視したまつり運営を行ってまいります。
安全運行への新たな取り組みとして、各団体が合同運行の進行管理に参加することとしました。主催者の一員としてまつりを運営側の視点から見ることで、各団体に安全運行への意識を一層高めてもらうとともに、他団体の運行状況を見てそれぞれの団体の今後の安全運行に役立ててもらうことを目的としたものです。
また、組ねぷたの振興とPRのため、弘前ねぷたの伝統の形である組ねぷたの造形美や細やかな仕上げなどを間近で見ていただけるよう、8月6日ヒロロ前に組ねぷた4団体の本ねぷたを一堂に展示します。
このほか、弘前市が舞台の「ふらいんぐうぃっち」のねぷたコンテストや、「弘前城お城ロボット超城合体タメノブーンV」のPRねぷたなどの制作・運行にも、市民の皆さんのエネルギーを結集していただき、一緒にまつりを盛り上げていきたいと思っています。
最終日の8月7日の夜には「なぬかびおくり」を開催します。岩木川を悠然と流れる姿をイメージしたねぷた流しと、まつりへの熱い想いを集めて燃え上がるねぷたの姿に、津軽の短くも熱い夏を惜しんでいただければと思います。
津軽地方には、約400もの大石武学流庭園があると言われています。
大石武学流庭園の持つその高い文化財的価値については、昨年度開催のシンポジウムの成果などから、着実に市民の皆さまに浸透しています。その一方で、地域・観光振興のための大石武学流庭園の活用方法については未だ理解が十分とは言い難い面があります。
現在当市では、弘前圏域定住自立圏連携施策として、黒石市および平川市の二市と連携して大石武学流庭園のさらなる普及・活用事業を実施しておりますが、大石武学流庭園の活用方法について市民の皆さまと一緒に理解を深めていくために、来る8月11日、ホテルナクアシティ弘前3階プレミアホールにおいて「大石武学流庭園サミット」を開催します。
サミットでは、造園家で東京都市大学教授の涌井史郎氏に庭園の伝統とイノベーションをテーマに基調講演をいただくほか、ポートランド日本庭園のガーデンキュレーターである内山貞文氏をはじめとした庭園に関わるトップレベルの専門家にお話しいただきます。さらには、代表的な大石武学流庭園が所在する弘前市・黒石市・平川市の各市長を交えた「大石武学流庭園の活用と地域活性化」をテーマとしたパネルディスカッションが行われます。最後は、3市長による共同宣言を予定しています。
また、サミットに先駆けて、当日の午前中に弘前市の瑞楽園・黒石市の金平成園・平川市の盛美園を巡るバスツアーを実施する予定です。
今回のサミットやバスツアーを通じて、津軽で育まれた大石武学流庭園の魅力を全国に発信するとともに、活用への機運を盛り上げていきたいと考えています。
平成27年度予算の出納整理期間が終了したことから、一般会計の決算見込みについてお知らせします。
まず歳入歳出決算額の見込みですが、歳入決算額が約846億6千万円、歳出決算額が約828億6千万円で、繰り越すべき財源を差し引いた実質収支は約7億1千万円の黒字となる見込みとなりました。
この決算見込みによる財政調整基金の増減ですが、平成26年度末と比較して約3億5千万円増の約29億5千万円となり、今年3月に公表した中期財政計画での推計を約2億円以上上回ることとなりました。
また、市債管理基金及び特定目的基金を合わせた総額においても、平成26年度末と比較して約8億1千万円増の約99億9千万円となる見込みです。
これらの要因としては、平成27年度予算執行において、歳入の面では公共施設等総合管理計画をいち早く策定し有利な起債である「公共施設最適化事業債」を活用したことにより約8千万円の財政効果を生み出したこと、市税の収納率が0.52%増となったことにより予算額に比較し約1億4千万円の増となったこと、歳出の面では、介護保険特別会計繰出金が介護給付費適正化への取り組みなどにより予算と比較し約1億5千万円の減となったこと、道路除排雪経費が予算と比較し約1億4千万円の減となったことなどが挙げられます。
平成27年度は、これまでの政策の効果も表れ、ほぼ基金を取り崩すことなく決算できたことにより、今後も安定的な財政運営が持続できる見込みとなりました。今年度におきましても、引き続き気を引き締め、財政健全化に一層努めてまいりたいと考えております。
来年度以降の両検査のあり方(実施の有無、実施時期、業者の選定など)を今後どのように検討していくのでしょうか。
全国的に見ると、このような検査を行っていない学校も少なくありませんが、見直しの必要性や費用対効果などについての市長の見解を伺います。
この度の事案に対しましては、関係した学校の生徒の皆さん、保護者の皆様をはじめ、市民の皆様に多大な不安を与えましたことを、誠に遺憾に思っています。
平成6年度から市費で実施してきた標準学力検査及び知能検査は、学習の理解度をはかる定期テスト等とは異なり、児童生徒の知能からその子の学力の伸びしろを把握でき、それを教師が授業づくりや集団づくりに活用できる点、年間を通して児童生徒一人一人の学習スタイルに応じた指導ができる点、学級や学年、学校全体などその年による集団がもっている課題も把握でき、校内研修でも活用できる点など活用の幅が広く、有効性が非常に高いと聞いております。
約10年前の検査結果から現在の状況を比較してみると緩やかに偏差値が上昇しています。例えば、平成15年度の小学校5年生の学力検査全体の偏差値が51.6に対し、今年度は53.8と2.2ポイントの上昇、中学校3年生全体では、50.2から51.2と1.0ポイントの上昇が表れています。
偏差値が下がった年には、分析を元により具体的で丁寧な指導をしております。このように、本市の子どもたちの偏差値は全国平均を上回っており、学力向上について確かな成果をあげているものと考えています。
標準学力検査と知能検査は、本市経営計画の施策である「学力の向上に向けた取組の推進」における「学力向上対策事業」に含まれる主要なものの一つです。
それだけに、来年度以降の検査のあり方については特に重要かつ早急に解決すべき課題ととらえ、徹底した検証・検討をするよう指示したところです。
私から教育委員会としての認識についてお答えします。
今年4月に教育委員会内に組織しました学力向上プロジェクトチームにより、これまでの学力向上に関する取組について、学力検査・知能検査を含めて包括的に検証を進めているところです。
学力検査・知能検査の選定については、この度の業者の不祥事を図書文化社に伝え、他の特約代理店への移行も含めた適正な判断をするよう強く申し入れているほか、これまでの図書文化社の検査に変わりうるものがあるかという点も含め今後十分検討した上で決定してまいります。
検査結果については、市内の小・中学校でこれを活用しており、知能の程度から期待される学力が発揮されていない、いわゆるアンダーアチーバーの解消に成果を上げている学校や、学級や学年、学校全体の課題を把握し授業の改善に生かして成果を上げている学校があります。今後は学力向上プロジェクトチームにおいて更に効果的な活用方法を検討し、学校指導課及び教育センター指導主事による学校への計画訪問や要請訪問、学力向上対策研修会等を通して、これまで以上に日々の指導の改善に生かすよう学校現場に対して指導してまいります。
非常に有効であるとの認識ということですが、現場の先生にとっては、それを分析して一人ひとりにどうフィードバックするかという作業や、きめ細かい指導は大変だと思います。成果が上がっているとはいえ、この件に関し、実施の時期等を含めて現場の先生の声を改めて聞き、吸い上げるようなことを考えているのか伺います。
現在、教育委員として学校訪問を実施しているところですが、この件についても校長先生や教頭先生と話し合いをしています。
各学校ではこの学力検査・知能検査を大変活用しており、毎年4月に学校ごとに作成する学校要覧の「児童生徒の実態」という項目において、学力検査・知能検査を活用しながら子どもたちの実態をまとめています。個々の指導にどのくらい活かされているか等については、学力向上プロジェクトチーム等で現場の活用状況を把握・検証の上、今後も十分な活用を進めてまいります。
県内で初めての人工芝など、リニューアルした球場が、7日開幕の高校野球選手権青森大会の会場になることへの所感と、県内の高校球児へのメッセージをお願いします。
昨年度から実施している弘前市運動公園「はるか夢球場」の改修工事の進捗については、今年の3月にはナイター照明設備が完成し、6月までにフィールド内の人工芝が完成しています。
そうした中、改修中ではありますが、第98回全国高等学校野球選手権青森大会などが開催できるように、工事を一時的にストップします。野球場の利用にあたっては安全面に十分配慮しますが、ご不便をお掛けする面があるかもしれません。
しかしながら、県内初の全面人工芝の野球場ということで、メンテナンスが容易で水はけに優れているため、雨に強く、スケジュール面で大会運営に有利な球場になるものと考えています。
また、高校球児の皆さんには、普段から使用している金属製のスパイクでプレーできますので、イレギュラーの無い全面人工芝となった「はるか夢球場」で、日々鍛錬してきた力と技を思う存分発揮し、甲子園という「夢舞台」を目指し、高校球児らしい爽やかで元気あふれるプレーで、多くの市民に「夢・感動・希望・勇気」を与えるような、名勝負を繰り広げていただきたいと思います。
決勝や開会式を、出来たら弘前でやってほしいという思いはありますか。
はるか夢球場は、使い勝手のよい多数の諸室や天気に左右されにくい人工芝、そして全面液晶のビジョンを備え、収容人数も1万4,800人という球場に生まれ変わることになります。また、外周部には防球ネットを設置し、運営や安全面にも配慮した球場になります。主催者側の意向を待たなければならないお話ではありますが、私としては、甲子園出場をかける夏の大会を県内で最高の球場となるはるか夢球場でプレーしてもらえるならば、この上なくうれしいことと思っています。
プロ野球一軍戦誘致に向けて、改めて思いを伺います。
去る6月2日、株式会社楽天野球団に対して、弘前商工会議所会頭、弘前市野球協会会長とともに、正式に要望書を提出してまいりました。株式会社楽天野球団の立花社長からは、「必ずや実現できるよう努力して、素晴らしい試合をしたい」といった大変心強いコメントをいただき、私は、来年青森県で29年ぶりとなる一軍戦が、弘前市はるか夢球場で開催されると確信しています。
今後、各球団、日本プロ野球機構との間で、日程や場所が調整されますので、当市としては、まずは改修工事をしっかりと実施するとともに、株式会社楽天野球団と連携して様々な事業に取り組んでまいりたいと考えています。
また、プロ野球一軍戦誘致に向けた最後のアピールとして、7月23日(土曜日)に開催予定となっているイースタンリーグ公式戦にたくさんの方にお越し頂き、弘前市民、青森県民のプロ野球が見たいという「熱い思い」を伝えていただきたいと思っています。満員の観客になることが最大のアピールになると考えます。
当日は、青森県内各地のグルメが集結したグルメイベント「青森ぐるめフィールド」を同時開催する予定であり、野球以外にも楽しいイベントが盛り沢山ですので、ぜひお越しいただいて満員にしたいと考えています。
平成27年度の決算見込みの黒字化について伺います。要因のひとつに、歳出の介護給付費適正化の取り組みが挙げられていましたが、弘前市は他にも様々な政策を展開していたと思います。黒字化の要因として、大きく効果があった施策の分析などは出ているのでしょうか。
これから決算議会に向けて細かい部分の分析もしていきますが、現段階では、先ほど市長のお話にあった主な取り組みが大きな要因であろうと考えています。
青森市の鹿内市長が、アウガを始め一連の問題を理由に辞任表明しています。鹿内市長は青森県市町会の会長を務めており、また弘前とは青函の4都市の連携ということで結びつきが強いと思いますが、任期途中の辞任表明を、市長はどう見ますか。
様々な状況を踏まえて決断をされたのだと思いますが、他の首長の進退について私から申し上げることはありません。
ただ、青森県市長会会長を務めておられますが、今年は10市大祭典in五所川原や、10市大祭典in愛知もございますので、これらについては既存の計画通り確実に進めていかなければなりません。青森県市長会の事務局とも話をしていますが、十市がまとまって、これを乗り越えていかなければならないと思っています。
10日からの市長外遊について、目的など教えてください。
目的を申し上げますと、当市のこれからのまちづくりに資していくということで今、弘前デザインウィークが始動しました。
私は常々、先人が残してくれた様々な財産、資源をしっかりと磨き上げて、そこに新しい価値を創造していくような取り組みをしていかなければならないという思いを持っています。私たち世代が何かを成し遂げれば、将来子どもたちが大人になった時、私たちが先人となります。先人が見て作り上げた新しいイベントや観光コンテンツを、財産、資源と感じてもらえるよう、形として残していくことが極めて大事だと思っています。そういう思いからこの弘前デザインウィークを始動しました。
この弘前デザインウィークの根本には、弘前の財産であるさくらとりんごがありますが、どちらにも「はな」があります。「はな」というイメージには「華」と「花」があり、そのひとつは「人材(市民)」。そしてもう一つは文字通りの「花」である、「りんごと桜の花」です。これをベースにした新しいものづくり、コンテンツづくりに取り組む必要があり、「はな」をこれからの地域活性化に結び付けていかなければいけないということで、まずは確実な絵を描けるよう、イメージをしっかりとつかむ必要があると考えています。
今回の出張は、花でまちづくりをしている世界の国、市、あるいは地域を視察させていただき、取り組みの方向性をしっかりと見定めることを目的としています。
訪問する国を教えてください。
オーストリアと南ドイツです。
一部では海外出張の際の宿泊費や公費の使い方が取り上げられていましたので、今回の出張にあたり配慮等があったのかを伺います。
普段通りです。私の場合、何らかの成果をあげるということを中心に考えており、旅費や宿泊費に多額の経費をかけるということは絶対に無いと申し上げることができます。様々なことをトータルでマネジメントした旅行行程としていますので、観光の分野、まちづくりの分野など、多方面で吸収してきたいと思っています。様々な公的機関を訪問し、その中で多くの情報を得て、これからの施策に資していきたいと思っています。
当市のインバウンドにおいては、中国、韓国、台湾が多くを占めていますが、それと同じくらい大きいのが欧米です。例えば神社、仏閣、お城、寺社などに対して、欧米人は非常に関心を持っていますので、そういった切り口でも、その国、その地域の観光へのニーズを吸収してきたいと思います。もちろん、旅行会社を訪れて弘前の売り込みをすることも予定しています。