(会見者: 葛西憲之 市長)
1.記者会見次第(あいさつの主な項目等)(46KB)
2.NPO法人「日本で最も美しい村」連合への岩木地区の入会承認について(553KB)
3.弘前城菊と紅葉まつり(チラシ)(457KB)
岩木地区におきましては、NPO法人「日本で最も美しい村」連合への入会を目指してきました。この度、厳しい審査をクリアし、入会が承認されました。
去る10月7日に静岡県松崎町で行われました「日本で最も美しい村」連合フェスティバルの臨時総会において、承認されたものです。
県内では、昨年度の田子町に次いでの入会となります。
今年6月に現地審査が行われ、美しい村連合へ登録する地域資源として申請した「岩木山を背景に広がるりんご畑と田園風景」と「お山参詣」が、岩木山と共に生きる人々の営みによって受け継がれてきた質の高い地域資源として認定されました。
また、入会の主体である「日本で最も美しい村づくり岩木協議会」の構成団体である岩木山観光協会の環境保全への取組みや、農業生産法人有限会社アネッコの地区内での経済循環を目指す取組みなどが高く評価されました。
総会には、岩木協議会の齊藤爾会長が出席し、認定書の贈呈を受けました。
今回の入会の承認は、先人からの現代までの岩木地区の人々の営みや暮らしにより作られた景観や文化が評価されたものです。このことは岩木地区住民にとって非常に大きな誇りとなることでしょう。
今後は、加盟したことに満足せず、岩木地区の魅力をさらに磨いていき、広く発信して行く必要があります。
まずは加盟記念事業として、岩木地区の魅力の発掘や再発見をテーマとしたフォトコンテストや写真展を開催します。
また、岩木地区の魅力を高めていくこととしては、お山参詣へ外部からの集客を増加させる工夫や世界一の桜並木整備事業など、様々な事業展開に取り組みます。
魅力の発信方法については、岩木地区は観光地として高い水準にあるというお墨付きを頂きましたので、今後は美しい村連合のネットワークやブランド力を活用し、美しい村連合の広報戦略の中で岩木地区の魅力を様々なメディアなどを通じて広く発信することができるようになります。
具体的には、美しい村連合と旅行会社が企画したツアーの中に岩木地区も組み込んでいくことや美しい村連合と写真投稿サイトが連携して行う全国的なフォトコンテストで岩木地区もテーマとなることから、撮影者や写真を見た人が訪れるなど新たな観光客の需要が期待できます。
また、美しい村連合はフランス、イタリア、ベルギーのワロン地方、カナダのケベック地方で構成する「世界で最も美しい村連合会」にも入会しており、海外のネットワークを利用した欧米からのインバウンド需要も期待できます。
美しい村連合へ加盟できたことを最大限に活用し、魅力の発信による観光客誘致など岩木地区の振興に取り組んでまいります。
私は、10月18日から20日にかけ、昨年の訪日外国人旅行者数が東南アジアトップの来客数であるタイ、バンコクを訪問し、当市への誘客促進プロモーションを行ってまいります。
昨年タイから日本を訪れた観光客は前年比21%増の約80万人となっており、当市への宿泊者数も国・地域別に見て第6位であることから、今後も伸び代を期待するところであります。
内容としては、19日にタイ国営テレビを訪問し当市の取材を要請するほか、タイ旅行業協会総会において、観光地としての当市の魅力をプレゼンテーションしてまいります。
タイ旅行業協会総会は、タイ国内旅行会社約150社、200名の、代表や役員が一堂に会する重要な場であり、当市の観光プロモーションを行う絶好の機会と考えています。そこで当市を含む旅行商品の造成をお願いしてまいります。
なお、タイ旅行業協会総会において、これまで日本の自治体が行ったプレゼンテーションは、県や政令指定都市レベルの自治体が過去2回行ったのみで、市町村単位としては初めての実施となります。
そのほか、タイで弘前産りんごを輸入販売している、現地の富裕層向けデパートの副社長と面会し、りんごについての意見交換、PRも行ってまいります。
今年の「弘前城菊と紅葉まつり」は、10月21日から11月13日まで、24日間の日程で開催いたします。
メイン会場の弘前城植物園では、丹精込めて作られた菊の花や、「真田丸」をテーマにした豪華絢爛な菊人形、各種イベントをお楽しみいただくほか、弘前公園全体で色鮮やかな紅葉をご堪能いただけるものと思います。
さくらが紅葉する「さくらもみじ」は北国ならではのもので、カエデとは一味違った趣があります。特に、ライトアップに浮かび上がる紅葉は、燃え上がるような赤みが強調され、日中とは違った魅力があります。今年も、公園内の通常ライトアップに加えて、紅葉の特別ライトアップを実施いたしますのでご期待ください。
また今年は、まつり期間中毎日、弘南バスの100円バスが時間延長して運行されます。通常18時までのところ、20時まで、15分間隔で運行され、非常に便利ですので、夜の弘前公園にも多くの皆さんに足を運んでいただきたいと思います。
弘前公園内では、まつり期間の毎週日曜日、珍しい品種や糖度の高いりんごを集めて販売する「とっておきのりんご」を開催いたします。
観光客はもとより、市民の皆様には、ぜひご家族やお友達と弘前城菊と紅葉まつりにお越しいただき、秋の弘前公園の風情を感じていただきたいと思います。
今年も「パワーアップる!弘前産りんごPRキャラバン2016」が、10月22日、友好都市である群馬県太田市や愛知県豊田市からスタートし、来年2月まで全国を巡ります。
今年度は、実施エリアが1エリア追加となり、全国12エリアで展開いたします。
PRキャラバンでは、各実施エリアの市場関係者や量販店の協力を得ながら、1週間、弘前りんごを販売する「弘前アップルウィーク」を基本に、売場でのPR強化を図ってまいります。
同時に、マスメディアを活用した「メディアキャラバン」と、ステージPRを行う「イベントキャラバン」を連動させるほか、今年度は、特に子育て世代の女性をターゲットにした事業を展開し、りんごファンの年齢層拡大を図ります。
また、企業へのアプローチや体験型食育イベントの実施、りんごヨーグルトの試食を食品メーカーとタイアップするなど、消費層の拡大や販売促進へ向け、しっかりと取り組んでまいります。
これまでも、小学校などでの食育イベントやメディアによるPRなどを重点的に実施した結果、消費宣伝活動に幅が生まれ、様々なチャンネルで消費喚起に繋げることが出来ました。
昨年度は、アップルウィーク実施店舗が666店舗、取扱数量が5万2,000ケースと、これまでの過去5年間で最高の実績を記録したほか、量販店からは、「継続により弘前が消費ブランドとして定着してきた」「年々知名度がアップしている」との声もあり、確実に弘前の名前が浸透してきたと考えております。
今年度もこれまでの実績を上回るよう事業を展開するとともに、弘前産りんごの美味しさをPRすることで、更なる消費拡大を図り、消費額向上、農家所得の向上へ繋げてまいります。
先般10月7日、県は津軽地域の医療関係者等を対象とする地域医療構想調整会議を開催し、本年3月末に公表されている地域医療構想に関する説明を行い、具体的な中核病院の枠組みのほか、圏域各自治体病院の機能、役割などの位置付けを、新たに提示したところです。
私は、安全安心な医療環境の構築、特に、二次救急医療の維持については、住民が不安を持つことのない体制作りが急務であると、常にお話ししてまいりました。
今回の県の提案については、十分協議・検討し、将来にわたる不安のない医療体制をどのように構築するべきかについて、議論することが必要であるものと考えておりますので、国立病院機構をはじめとする関係者間において統合に係る協議をはじめてまいります。
今まで弘前市立病院を利用されている方々に対しましては、今後もご不便がかからないように努めてまいります。
また、市立病院の医療スタッフの意見や住民の皆様の声を丁寧にうかがいながら、医療サービスの低下を招かないように関係各所との協議を進めてまいります。
青函DCが3カ月の日程を終えました。詳細な分析はこれからになると思いますが、現時点における弘前市としての総括的な見解を伺います。
関連して、今後冬場の観光シーズンを迎える中、県の重点要望に盛り込まれていた新青森駅のホーム待合室の整備について、その後の状況を伺います。
全国のJRグループ6社の協力のもと「青森県・函館デスティネーションキャンペーン」いわゆる青函DCが、7月1日から9月30日まで開催されました。当市としてもこのDC期間中には様々な事業を展開してまいりました。
新たな取組みの1つとして、9月15日から25日の11日間、曳屋後の天守に特別ライトアップとイルミネーションの設置を行い、「青海に揺らぐ幻想天守」として、今までご覧いただいたことのない光景を創り出しました。期間中の夜間の入場者は6,552人と、多くの方々に、この幻想的な風景をご堪能いただきました。
また、青函DC期間の中核イベントとして、9月17日、19日の2日間、奥羽本線青森駅―弘前駅間で、SL列車の特別運行が行われ、なかなか目にすることのできない迫力ある蒸気機関車を間近で体感することで、子ども達や鉄道ファンなど、多くの方に広く楽しんでいただけたものと思っています。
このほかにも、The津軽三味線2016のDC期間中の開催やJR弘前駅の横にねぷた小屋を設置して大型ねぷたの展示を行うなど様々な取り組みを行ってまいりました。
現在、詳細な観光客の入込客数などを調査・集計中ですが、青森県が発表している観光統計調査の速報値によると、当市の主要宿泊施設の7月及び8月の宿泊者数は、対前年比で105.3%、となっており、青森市、弘前市、八戸市、むつ市の平均102.9%と比較しても高い数値となっています。
また、JR弘前駅観光案内所の7月から9月までの利用者数も、昨年と比較すると116.5%と伸びており、JRを利用して弘前においでいただいた方が増えたものと思っています。このほか、7月から9月までの弘前城入園者数も、昨年と比較して108.3%と、弘前城天守の曳屋イベントで大幅に入園者が増えた昨年の同時期よりもさらに増加しています。
これらの数値だけで青函DCの効果を図ることはできませんが、新幹線駅が無い当市でも、青函DCに向けて多様な取り組みを実施した結果、多くの観光客の皆様に弘前にお越しいただいたものと思っています。
今後は、青函DC期間に実施した取り組み内容やその効果などを検証し、来年度実施されるアフターDCに向けて、インバウンドを含めた観光客の更なる誘客を目指して、お客様のニーズに合わせたブラッシュアップを図り、様々な取り組みを行ってまいりたいと考えています。
次に、県の重点要望の進展についてですが、平成22年12月の新青森駅開業以来、冬期間における待合環境の改善を求める声が多数あったことから、これまで当市は、JR東日本に対して直接、何度も要望活動や検討を行ってまいりました。
新幹線に乗ってはるばる青森県まで訪れて魅力あるすばらしい観光資源に触れ、感動や思い出づくりを期待してきた旅行者の方が、新青森駅で新幹線を降りて奥羽本線のホームで電車を待つ間、青森県の冬の厳しい寒さに耐えることなく、一年中、ホームの快適な待合環境で過ごしていただきたい。そして、その中でこれから訪れるまちの観光情報を提供できれば、さらに旅への期待感を高めてストレスなく快適な旅にいざない、「また訪れたい」と思っていただけるものと思っています。
このような思いでJRに対して要望してきましたが、JRとしては、冬期にお客様が風雪の寒い中ホームで列車を待っている現状等を鑑み対策の検討を進めており、待合室設置の計画があると伺っています。
市としては、早期の待合室設置を願っており、引き続きJRに要請してまいります。
甚大な被害を出した熊本地震から半年が経ちました。10月末開催の城サミットでは、関連自治体と連携して熊本支援を募るそうですが、弘前藩最後の藩主津軽承昭を熊本藩から養子にもらうなど熊本とは非常に縁が深い弘前市の、独自の支援策はあるか、見解を伺います。
弘前と熊本のつながりについては、弘前藩最後の藩主12代津軽承昭が熊本藩10代藩主細川斉護の4男であったこと、また、明治維新の際には、弘前藩支援のため熊本藩が函館に兵を向かわせるなど、非常に深い縁がございます。
今年のねぷたまつりにおいても、熊本地震の被災者を応援するねぷたが多く見られ、市民も含め、熊本への思いを感じているところです。
4月に発生した熊本地震に対しては、市庁舎のほか、弘前公園のさくらまつり会場においても義援金を募り、被災地へお送りしました。
弘前市独自の支援策としては、今月末に開催される「全国城サミット」会場において、熊本城復興支援の義援金を募ります。
また、サミット開催を記念して現存12天守熊本城復興支援トランプを作成し、義援金へ2,000円以上の寄附をお寄せいただいた方へお礼として差し上げることとしました。
このトランプは、現存12天守と熊本城の図柄とともに、ジョーカーには熊本県キャラクターくまモン、弘前市マスコットキャラクターたか丸くんがデザインされており、限定500個の特製オリジナルトランプとなります。
また、29日のシンポジウムでは熊本城の現在の状況についてご説明いただくほか、くまモンも応援にかけつけ、ヒロロ3階において、ステージイベントも予定しています。
是非とも、多くの皆様に、くまモンと一緒に熊本城復興の応援をしていただければと思います。
最後に、サミット、シンポジウムについては、先月の記者会見でお話ししましたが、先着200名で応募をしたところ大きな反響をいただき、先日定員に達したため募集締め切りとしました。誠にありがとうございました。
中核病院の整備に係る病院統合に関しては、市立病院の利用者に不便がかからないように進めていくとのお話ですが、具体的に教えてください。
現在、県から今後の案が示されたという段階であり、市立病院の医療体制が急に変わるということではありません。これまでどおり、安定した医療体制を提供しながら協議していくという意味です。
市立病院が将来的にどうなっていくのかについて、今、市として考えていることはありますか。最低限こういうことは維持するとか。
市としては、二次救急輪番体制をしっかりと提供していくことを優先的に考え、患者の皆さまに対する医療サービスを低下させないということを大事に考えながら、今後の協議に臨みたいと思います。
市立病院の在り方、例えば病院の機能や職員、あるいは前川建築である建物などについて、ここは強く主張していきたいということは、現段階でありますか。
先ほど市長があいさつで申し上げたとおり、やはり地域の住民が安心して暮らせるよう、救急を含めた医療体制をしっかりと維持、向上させていくことが一番大事だと思っています。また、雇用に関しても、病院スタッフへの説明会を行っていますが、職員一人一人の意向をしっかりと聞き、大事にしながら、今後協議をしていく上での参考にしたいと思っています。
今回の中核病院の整備に係る病院統合案で重要なのは、何と言っても、今、疲弊し問題となっている二次救急輪番体制をどうするのかということです。そのことに安心感を持てる内容であるかどうかが絶対に譲れない部分ですので、しっかりと協議を重ねていきたいと思います。
弘前城の石垣解体に関して、一般の方が10月30日と11月3日、石垣へのナンバー付け等の作業を行うとのことですが、今回の一般の方々の参加に対する、市長の期待感などを伺います。
これは、昨年弘前城天守で実施した曳屋の流れをしっかりと維持していこうということから考え出された取り組みです。ひとつに、ふるさと納税寄付者の方々へ『事』としての返礼をしようということから考えたものですが、一般の皆さまにも参加いただくこととしています。2.5トンの石を乗せて曳くという大昔に行われていた方法を再現すること、あるいは石垣を解体する前にナンバーを貼りつける作業とその過程を記念撮影で残すことなどを、特典としてあわせて取り組むことで、石垣改修事業に様々な付加価値を加えようというものです。この工事を見せる化していくことを、昨年の曳屋に続く誘客の大きな要素にしていければと思っています。
弘前商工会議所の役員人事に関することですが、現時点で、永澤会頭と、清藤副会頭が名乗りを挙げており、やや緊迫している状態と見ています。お二方とも経済界を代表する方であり、弘前市にもさまざまな支援や協力をされている方々だと思いますが、この経済界を巡る状況を市長はどのようにご覧になりますか。
私から、特段コメントすることはありません。
今年も「晴天の霹靂」が発売されました。
PR等については、県が主体でやっていることと思いますが、市独自のPRをする予定はありますか。
「晴天の霹靂」については、私自身、これまでもいろいろなスーパーに出かけてトップセールスを行ってまいりました。また何より、この「青天の霹靂」を、なんとか弘前市内全域で栽培できないものかということで、随分とこれまで運動をしてきた経過がございます。その結果として、岩木地区でも作付することができるということになりました。そういったことからも弘前市全体の問題としてこの「青天の霹靂」を機会あるごとにPRして行きたいと思っています。
そして、全国縦断をする「パワーアップる!弘前産りんごPRキャラバン」では、りんごだけにとどまらず、「青天の霹靂」という特A級のおいしいお米があることを、全国の12エリア、13都市において、市独自に、常にりんごと共にお米もPRしてまいります。昨年は、666店舗という多数の量販店のご協力をいただきましたが、今年はさらにそれを上回る数の店舗において、「晴天の霹靂」を大いにアピールいたします。やはり品質を落とさず、特Aという格付けがしっかりと定着することが、今一番大事なことと思いますし、かつてうまくいかなかった時期がありますので、そのような轍を絶対に踏まないという覚悟を持ちながら、常にアピールしていくことを考えて、12エリアのキャラバンを回りたいと思います。