(会見者: 葛西憲之 市長)
1.記者会見次第(あいさつの主な項目等)(39KB)
2.「弘前市たばこの健康被害防止対策行動計画」《概要》(126KB)
3.「弘前市おためしサテライトオフィス事業」関連資料(1142KB)
4.「平成28年度弘前市地域経営アンケート」の集計結果(376KB)
5.「平成28年度弘前市政策効果モニターアンケート」の集計結果(616KB)
6.弘前市ファシリティマネジメント市民セミナー(チラシ)(523KB)
「いきいき健診」は市民の健康寿命延伸を目的に、市と弘前大学が実施するもので、65歳以上の市民を対象に血圧や動脈硬化度、認知機能や運動機能など全身の健康チェックを行う健診です。
この健診には、弘前大学のスタッフをはじめ、弘前大学COI参画企業や、ひろさき健幸増進リーダー、健康づくりサポーターや市職員の協力のもとに行われるもので、まさに「オール弘前」体制で市民の健康を後押しするものとなっております。
また、健診結果については、後日、弘前大学の各専門医から、できるだけ簡単にわかりやすく説明する場を設けることとなっており、健診を受けたままではなく、後の健康づくりにしっかりと役立てられるような工夫がなされております。さらに、認知機能検査や頭部MRI検査が無料で受けられますので、この機会にぜひ受診をお願いします。
募集期間は本日3月17日より4月17日までで、定員になり次第、締め切りとなります。
この「いきいき健診」の結果が、今後増加する認知症や生活習慣病の予防・治療等の一助となり、高齢者の健康増進が一層図られることを期待しております。
たばこの健康被害防止に向け、市が自らの役割を果たし、先導的立場で着実かつ計画的に取り組むため、この度、「弘前市たばこの健康被害防止対策行動計画」を策定しました。
この計画は市民・関係者・行政が一体となって取り組みを推進するためのガイドラインとして昨年8月に策定した「弘前市たばこの健康被害防止対策の指針」に基づいております。
平成29年度から平成31年度までの3か年を計画期間とし、「指針」に掲げる対策の3つの柱「次世代の健康の確保」、「成人の喫煙率の減少」、「受動喫煙防止の環境づくり」に基づき、未成年者の喫煙・受動喫煙防止対策や、市所管施設における受動喫煙防止対策の強化などに着実かつ計画的に取り組んでまいります。
「子どもたちの笑顔あふれるまち 弘前」の実現に向け、市は今後、先導的役割を担い、覚悟をもって、市民の皆様と一体でたばこの健康被害防止対策に取り組んでまいります。市民や関係者の皆様におかれましても、子どもたちの将来のため、市と共に取り組んでいただくようお願い申し上げます。
これらの取り組みをはじめ、市では今後、市民の健康づくりに関する意識の醸成や健康教養の向上とともに、生活習慣病の発症及び重症化の予防を図るなど、医療費適正化に向け、各種施策を展開してまいります。
昨年11月に国の第2次補正の新規事業として全国10自治体の一つとして採択された「弘前市おためしサテライトオフィス事業」に関する直近の報告をいたします。
弘前大学のレンタルラボの準備が完了し、ホームページも開設の上、3月から本格的に募集を開始したところ、この度「おためしサテライトオフィス」を活用する第1号の事業者が決定いたしました。
活用する事業者は、WEB制作などを手掛ける東京のIT企業「有限会社アフロディレクターズ」社で、今月22日から25日までの4日間にわたり「お試し勤務」を実施していただく予定となっております。
同社からは、「サテライトオフィス」の環境を整備する当市の新たな取り組みについて、高く評価を頂いたところであります。
また、2月12日に都内で開催された「移住交流フェア」に参加し、首都圏企業へPRしたところ、会場で総務省が実施したアンケート調査では、「興味がある自治体」として10自治体のうち2位となるなど、多くの企業に当市の魅力・優位性をPRできたことと思っています。なお現在、「お試しサテライトオフィス」は、弘前大学のレンタルラボのみとしておりますが、「星と森のロマントピア・そうま」のコテージを4月1日から活用する方向で調整しております。
このような魅力あふれる地域資源を有効活用し、「IT系」や「オフィス系」といった業種を中心に誘致活動を進め、当該事業を通して当市オリジナルの「サテライトオフィス誘致戦略」を策定し、首都圏からの移住促進、若者の地元定着に繋がるよう取り組んでまいります。
なお、今月22日には有限会社アフロディレクターズの草間代表が弘前を訪問される予定です。本件に関連した日程などの詳細については、配布資料をご参照の上、取材及び記事の掲載をお願いいたします。
昨年に引き続き、日本航空株式会社の協力により、羽田空港ラウンジにおいて、弘前のサクラプロモーションを実施いたします。羽田空港南北ウィングにそれぞれある「サクララウンジ」、「ダイヤモンド・プレミアラウンジ」において、3月25日から31日までの1週間、弘前公園のソメイヨシノの剪定枝を利活用した展示を行います。
利用者数日本一の羽田空港に日本一の弘前の桜を展示することで、空港を利用される国内外のお客様へ弘前の素晴らしいサクラをご覧いただき、100年目を迎える弘前さくらまつりへの誘客を図ってまいります。
市では、市民ニーズと新たな視点を取り入れながら「学びと遊びの創造の場、知の拠点」として、地域とつながる弘前市立図書館及び郷土文学館を目指すため、4月1日からTRC(図書館流通センター)・アップルウェーブ・弘前ペンクラブ共同事業体による指定管理をスタートさせます。
本制度導入によって、司書を含めた専門職員の増員や魅力ある事業の一層の創出が図られ、市民へのさらなるサービスの向上が期待されます。
4月以降は図書の貸出冊数の無制限化、弘前図書館内でのWiーFi環境の整備、FM放送による図書館情報の発信及び文学作品の朗読会などが順次始まります。
今後、三者の共同事業体によるそれぞれのメリットを生かすとともに、教育委員会とも十分な連携を図り、市民目線に立った、よりよい図書館・郷土文学館運営を目指してまいります。
なお、4月1日、2日はオープニングイベントを開催する予定となっており、郷土文学館の無料開放のほか、ワークショップやボードゲームの体験などが行われます。また、絵本作家である『ささ やすゆき』氏のイラスト入りクリアファイルのプレゼントもご用意しておりますので、市民の皆様の御来館をお待ちしております。
津軽塗をはじめ当市工芸品を4月4日から9日までイタリアで開催される世界最大規模の国際見本市ミラノサローネへ出展いたします。
世界中から30万人のデザイン関係者やバイヤー、観光客が訪れるミラノサローネは、当市の工芸や観光の魅力を世界の人々に直接PRできる絶好の機会であります。
出展内容でございますが、弘前デザインウィークの事業である「津軽塗デザインプロジェクト」において世界的プロダクトデザイナー喜多俊之氏が商品開発を手がけた津軽塗の商品、弘前アイデアソンから生まれたアイデアを参考に、デザイナーが形にした鳩笛・津軽焼がコラボレーションした商品とこぎん刺し商品のほか、クラフトコーディネーター事業から生まれた津軽塗のアクセサリーの合計4品目のプロダクトをジャパンデザインウィークのブースに出展し、日本の代表としての当市の魅力を際立たせ、ヨーロッパにおける当市工芸品の販路開拓やブランドの確立を図り、伝統産業の振興に繋げてまいります。
そして、今回は、私が団長となり、弘前デザインウィークコンソーシアムの構成団体で組織するミッション団を編成し、出展作品のプレゼンテーションはもとより、弘前公園の美しい桜や日本一の生産量を誇るりんご、勇壮華麗なねぷた、400年の歴史を重ねた古くから残る町並み、岩木山や雪景色、津軽三味線など、当市の観光都市としての魅力、当市が世界に誇る数々の観光資源を最大限アピールできるよう、ミラノサローネでトップセールスを行ってまいります。
また、現地において、在ミラノ日本国総領事館、在イタリア日本国商工会議所、ジェトロ・ミラノ事務所、ミラノ市役所等を訪問して情報交換も行い、世界のデザイン業界の動向や最新のトレンドに関する情報を収集しながら、弘前ブランドを世界に売り込み、当市の今後の海外展開や販路拡大、海外からの観光客誘致につながるような活動を精力的に行っていきたいと考えております。
平成28年度地域経営アンケート及び政策効果モニターアンケートの集計結果がまとまりましたので、本日付けで公表いたします。配布資料をご参照ください。
まず、集計結果に関する総評を中心に述べたく思います。
「弘前市の住みやすさ」については、地域経営アンケートにおいて、「弘前市は住みよいまちだと思いますか」の問いに「はい」と回答した方は前年度と比較して6.6ポイント上回る56.3%となり、半数以上の方から弘前市は住みよいまちであるとの回答をいただきました。
政策効果モニターでも、市長や市職員の取り組みを評価する意見もあり、これは多くの市民の方々から頂いた意見を職員と共に考え施策に反映し、職員が懸命に取り組んできた成果だと思っております。その一方で、地域経営アンケートでは「職員の仕事ぶりに満足していますか」の設問に対し、ネガティブな方向に変化しておりますので、市民の満足度を向上させるため、引き続き懸命に取り組んでまいります。
続いて「広聴・広報活動について」についてです。
地域経営アンケートでは、効率的・効果的な行政運営や広報活動に関する設問などで「どちらともいえない」と回答する方が前年度と比較して増加している傾向にあります。当市では、県広報コンクールにおいて、広報ひろさきが3年連続特選を受賞するなど、広報活動の取り組みは、対外的に評価されております。一方、近年のSNSをはじめとする情報収集手段の多様化などにより、市民ニーズの変化や求めている水準が上がってきていることなどから、このような回答が多くなっているのではないかと考えております。
今後は様々な広報媒体を更に有効活用するとともに、広報ひろさきのリニューアルを検討するなど、既存の広報活動に変化を加え、市民の皆様が満足できるよう創意工夫を凝らした情報発信に努めていくこととしております。
そして、「雇用創出・環境の改善及び子育て等のサポートについて」についてです。政策効果モニターでは、安定した雇用創出や雇用環境の改善のほか、結婚・出産・子育てへのサポートが重要だという意見が目立ちました。
また、地域経営アンケートでは、「子育てに係る負担が軽減されているか」の設問が前年度と比較しネガティブな方向に変化しております。
平成29年度においては、当市の最重要課題である人口減少対策をさらに強化するため、市民生活の質の向上を図ることに重点的に取り組み、子ども医療費無料の対象拡大、保育料の軽減拡充などを新たに実施し、ひろさきローカルベンチャー育成事業等により雇用環境の整備・雇用の拡大を図ってまいります。
今後の展望については、平成29年度は、次期総合計画策定のため、地域経営アンケートの設問の見直し等を行い、引き続き市民の意向・ニーズを的確に把握するとともに、定量分析による評価も行いながら、各種施策の企画立案、改善に反映させたいと考えております。
市民のニーズを的確に反映した取り組みにより、市民の生活の質が向上し、暮らしやすいまち「子どもたちの笑顔あふれるまち弘前」の実現に向け、引き続き職員とともに取り組んでまいります。
最後になりますが、本日、午後1時30分から弘前文化センターにおいて、弘前市ファシリティマネジメント市民セミナーを開催します。
市の取り組みやファシリティマネジメントに対する考え方について、私から市民の皆さまに説明する予定となっておりますので、取材及び記事の掲載をお願いいたします。
私からは以上です。
今年度の市長の海外出張の状況と成果、新年度の戦略など、海外での弘前PRについて、市長の考え方を伺いたい。
平成28年度は、これまで私が5回、両副市長がそれぞれ1回ずつの計7回の海外公務を行っております。行き先は、台湾、中国、タイ、ベトナム、フランス、ドイツ・オーストリアの7ケ国です
目的は、農産物・工芸品のトップセールス・販路拡大、インバウンド誘致のための観光宣伝などであります。
特に、津軽塗をはじめとする工芸品については、フランス・パリで高い評価を受けることで、ブランド力の向上を狙ったものです。
平成29年度は、台湾・台南市との果物交流、「弘前フェア」の実施、パリでの「弘前工芸展」の実施といった継続して行う事業のほか、さくらを起点とした中国・武漢市、及びアメリカ・ワシントン市との交流を通じ、当市の知名度向上と誘客促進に取り組みたいと考えています。
海外出張は当市を売り込むための戦略であり、当市が持つ自然・文化・食・工芸などの強みをアピールし、当市の魅力が海外で認知されることにより、海外からの誘客や海外市場でのビジネスチャンス拡大など、様々な効果があります。
また、市のトップが訪問し、相手方のトップと話をすることにより、物事が進むスピードが圧倒的に早く、これが大きな付加価値であると思います。さらに、単発で終わるのではなく、継続的に訪問することにより、成果を拡大してきました。
台湾での「青森りんご最大産地 弘前フェア」は、平成23年度に1店舗で始まり、当時は台湾への輸出量は1万トンに満たないものでしたが、継続的にトップセールスや交流を行ってきた結果、今年度は11店舗でフェアを開催できるまでとなりました。平成27年産の台湾へのりんご輸出量は2万7千トンを超え、今年産も1月末までで1万6千トンを超えております。
これは国内のりんごPRキャラバンも同様で、平成23年度の開始時には実施店舗が453店舗であったものが、今年度は688店舗まで拡大し、弘前りんごの取扱量は31,304ケースから52,536ケースと、約1.7倍となりました。
また、私が昨年10月に、タイの旅行業協会総会で当市のプレゼンを行い、ファムツアーの実施を呼びかけました。これも数年間働きかけ、ようやく実現したもので、その3ケ月後の1月には、タイ旅行業協会の会長をはじめとした19名の関係者が当市を訪れ、送客についても前向きな意見をいただきました。
このように、私が海外での当市のPRなどを積極的に行うのは、輸出や交流人口の拡大といった直接的な効果はもちろん、海外において当市のりんご、津軽塗、観光など様々なものが評価されることで、市民が誇り持ち、市への愛着が増し、市民力が高まって行く。そして、「住んでみたい、住み続けたい」街としての当市の魅力を向上させ、将来にわたって持続可能な地域社会の構築につながると考えるからです。
海外各都市へのアプローチに対して様々な意見があることは承知していますが、私も海外でのプレゼンや要人との会談、フェアで多数の店舗の訪問などを行うに当たっては、出発前の準備が当然必要なのに加え、現地ではメンタル・フィジカルの両面で非常に大きなプレッシャーにさらされながら、公務に当たっております。
それは、今、取り組むことによって、将来、必ず当市にとってプラスになると確信しているからであり、肉体的・精神的に多少きつくても、私の使命であると考えますので、今後も、機会を捉えて、積極的に海外戦略を展開していきたいと思っています。
関連してご質問します。次年度以降、負担軽減として副市長と役割分担をしながら市長の海外出張の負担軽減を図る考えはありますでしょうか。
来年度は副市長それぞれの役割を機能させ、海外出張を実施していく所存です。なお、協定などではどうしても市長として出席せざるを得ない場面があります。その際は、弘前市のために身を削ってでもやっていきたいと思っています。
次年度の海外出張の予定が決まっているようでしたらご教示いただきたい。
現在予算上決定しているのは5箇所です。
海外出張における訪問先はどういう基準で選出していますか。また、経費がかかりすぎる、また、海外出張後の報告やフィードバックが少し物足りないのではないかという声を耳にしますが、市長はどうお考えですか。
訪問先については、産業政策や観光政策と連動した形で当市が最も海外戦略を組み立てやすい国を選出しています。これに加え、タイミングを考慮しながら計画的に海外戦略を実施していくのが基準だと考えています。
経費については、当市の経済発展に必要な出費だと考えます。費用対効果につきましては、十分に効果が上回ると考えます。
なお、報告につきましては、例えば、りんごの輸出や観光・物産関連については売上高などを発表しております。今後も出張の成果のフィードバックとして資料の提供を検討していきたいと思います。是非ご理解いただきたいのが、海外戦略のための海外出張は1回行っただけでは成果が出てこないということです。何年も継続的に訪問をし、信頼関係を築くことで初めて成果が表れますので、長期的な視点で海外出張の実績を評価していただけますと幸いです。
今年100年目を迎えるさくらまつりに関して質問です。ここ数年早咲き傾向でありますが、早咲きに対する対応策は何か検討されていますか。
今年は雪が多かったことから、平年並みになると予想されるため、現時点では早咲きの対応をする必要はないかと思います。仮に早咲きになった場合には、出店や交通機関、そしてボランティアガイドなどの各種関係先との対応・調整を図っていきます。今年からですが、遅咲きの桜を大きな鉢に植え、まとまった形で展示していく取り組みを、実証的に実施していきたいと考えています。
今年は100年目ということで、「100」という数字を前面に押し出していらっしゃいますが、本来であれば「100周年」が正当であり、せっかくの「100」という数字の価値が薄まっているように感じますが、市長はどうお考えですか。
この100という数字は、当市の観光戦略にとって十分すぎるほどのメリットをもたらしてくれると思っております。私としては、今年の100年目、来年の100周年の2か年に渡り、この100という数字を前面に出して、誘客に努めていきたいと考えています。