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平成30年2月14日 定例記者会見

(会見者: 葛西憲之 市長)

 

市長あいさつ

代表質問

1.4月の市長選に向けた公約の柱は何になるか。

 

自由質疑

1.弘前市地域包括ケア検討委員会について
2.コインチェック社のNEM流出について
3.第42回弘前城雪燈籠まつり等について

 

配布資料

1.記者会見次第(あいさつの主な項目等)PDFファイル(88KB)
 

 

市長あいさつ

2月9日から12日までの4日間で開催しました第42回弘前城雪燈籠まつりは、多くの方に会場にお越しいただき、会期中の人出は25万人となり、昨年比2万人の増となりました。「弘前冬花火」の打ち上げとなった10日は、あいにくの雨模様ではありましたが、期間中最高の9万人の人出となりました。

今年も、市民手作りの雪燈籠、陸上自衛隊弘前駐屯地協力隊の制作による大雪像と大型すべり台、大雪像へのプロジェクションマッピング、夏のねぷたまつりに出陣した錦絵が銀世界に浮かぶ「津軽錦絵大回廊」、ろうそくのほのかな灯りが幻想的な空間を作り出す「弘前雪明り」などを行い、好評を博しました。

また、期間中に「第1回観光ガイド東北大会in弘前」や「みちのく三大桜名所連絡会議アメリカファムツアー」が開催され、これまでにまつりに訪れたことがない方にもお越しいただき、まつりの魅力をPRすることができました。

今後もまつりの充実に努め、更なる誘客に努めてまいります。

さらに期間中は、弘前デザインウィークの自治体連携事業として「冬の球場アート」、「おおわにらんたんアート」などの「弘南鉄道で巡る冬のアートフェスタ」を開催しました。

田舎館村の「冬の田んぼアート」と連携して実施した「冬の球場アート」には、4日間で延べ2,688名の方が来場され、家族連れをはじめとする多くの方々が、白銀のグラウンドに描かれたスノーアートの幻想的な空間を堪能されていました。

また会場では、大切な人へのメッセージをオーロラビジョンに投影できる「Happyメッセージ」も同時開催され、妻への愛のメッセージや中学校の卒業記念など、子どもから大人まで幅広い年齢層の方々が利用するなど、はるか夢球場でしか味わえない、新しい球場空間を創出できたものと思っております。

さらに、運動公園の広大な空間を活用し、スノーアートの制作体験やバナナボートの体験コーナーを、併せて実施するなど、新しい冬の運動公園の魅力を広くPRできたものと思っております。

次に大鰐町と連携して実施した「おおわにらんたんアート」では、地元アーティストのGOMA(ゴマ)氏と一緒に、83名の親子がワークショップで手作りした約1000個の「らんたん」を弘南鉄道大鰐線の車両や駅舎などに灯しました。

らんたんが飾られた車両は「おおわにらんたん夢列車」として実際に大鰐線で運行され、温かみのある色とりどりの「おおわにらんたん」で彩られたアート列車として、市民や観光客などの多くの乗客に楽しんでいただけたものと思っております。

今後は、津軽地域の新たなアートコンテンツとして定着できるよう、市民の皆さんと一緒に磨き上げて参りたいと思います。

 

2月25日(日)午前10時から、市内嶽地区の岩木青少年スポーツセンターを会場として、冬の岩木山で雪に親しむ「第6回岩木山スキーフェスティバル」が開催されます。

冬ならではのスポーツであるクロスカントリースキーの体験をはじめ、毎年好評の雪上バナナボート体験、新種目「バブルサッカー大会」など、雪に親しむスポーツ・レクリエーションを、幅広い年代が体験できる絶好の機会です。

運動不足になりがちな冬期間に、健康づくり、体力づくりのためにも、ぜひ、この機会に、雪と寒さに負けずに、雪と友達になり、ウィンタースポーツや冬ならではの遊びを楽しんで頂きたいと思います。

 

ふるさと納税「ひろさき応援寄附金」では、昨年に引き続き、今年も期間限定で弘前公園の「さくらオーナー」を募集いたします。

「さくらオーナー」は、「日本一の『さくら』応援コース」に、平成30年2月16日から平成30年5月31日の期間中に1万円以上ご寄附いただいた方が対象となります。5万円以上の寄附者につきましては、「最古のソメイヨシノ」と「日本一太いソメイヨシノ」のオーナーになることができます。

さくらオーナーの特典といたしましては、オーナーとなるさくらの樹木番号が書かれたオーナー証をお送りするほか、オーナー限定のさくらに関する体験イベント等を実施する予定としております。

また、昨年のさくらオーナーの皆さんには特典として、一足早くご自宅でさくらの花を楽しんでいただけるよう、弘前公園のさくらの剪定枝をお送りすることといたしました。剪定枝は希望されたオーナー50名様限定で、今年3月に発送する予定としております。

さくらオーナーの皆さんには、体験イベント等の特典を通じて、弘前公園のさくらをより身近に感じていただくことができるものと考えております。全国各地の皆さんにオーナーになっていただき、たくさんの方のお力で弘前公園の美しいさくらを守っていけたらと思います。

 

中核病院の整備については、周辺の市町村の皆さんにご心配をおかけしており、大変申し訳ないと感じております。

これについて早期に方向性を決定することとし、1月31日の市議会臨時会で議決をいただきました、地域包括ケア検討委員会の1回目の会議を、明日、2月15日の午後2時から開催いたします。

本委員会には、「地域の医療・福祉の将来像を見据えた中核病院の機能と運営体制について」諮問することを予定しております。

明日の会議では、組織会、現状の情報共有、今後の議論の進め方について、主に協議をしていただきます。

委員については、弘前大学から佐藤学長と福田医学部附属病院長、国立病院機構からは事務的な責任者である古都副理事長がご参加いただくこととなっております。

また、国の社会保障政策について審議を行う厚生労働省の中央社会保険医療協議会の元委員である印南氏など、医療・福祉政策の立案に携わってきた国内トップの専門家の方々にもご参加いただくこととなりました。今後、さらに有識者の方々を追加することも検討しています。また、県や圏域の市町村からもオブザーバーとしてご出席をいただきます。

それぞれの委員の方々からは、地域の医療・福祉の実情や国の関係政策の方向性などを踏まえ、高度な知見や最新の情報をもとに、しっかりとした協議を行っていただけるものと確信をしているところです。

中核病院の整備については、これまで津軽地域保健医療圏関係者での議論や県からの提案に基づく検討などを行ってまいりました。

関係者が一堂に会する本委員会の設置によって、この中核病院の問題について、しっかりとした道筋をつけることができると考えておりますし、そのような委員の方々にご参加をいただいたと思っております。

当市をはじめ津軽地域保健医療圏の住民の皆様が住み慣れた地域で安心して暮らせる医療・福祉の持続的な提供体制の整備、中でも中核病院の早期整備に向けて、関係者や周辺市町村のご理解とご協力もいただきながら市職員一丸となって取り組んでまいります。

 

今冬のインフルエンザについては、1月25日に弘前保健所管内で注意報が発令されました。

市においても、医療機関に受診に訪れる市民が急増し、また、学級閉鎖や学校閉鎖の措置を行った小中学校も出ています。

インフルエンザの予防のため、手洗いを励行し、もしかかったら、咳エチケットで感染を広めないよう、市民の皆さんの取り組みをよろしくお願いします。

代表質問

1.4月の市長選に向けた公約の柱は何になるか。

Q.記者

4月の市長選挙に絡んで、現時点での公約、政策の目玉としては、どういうものを掲げられるのか、優先順位も含めて教えていただきたい。

 

A.市長

私の政治の原点は、「対話と創造」であります。

私は、市役所の見える化を進め、今の課題は何か?それに対して何をやっているのか?市民の関心が集まるよう広報活動に力を入れてまいりました。

そうして高まった関心の中で、市民との対話を何度も何度も重ね、自分が考える理念や政策と、市民のニーズとの接点を見出し、マニフェストにまとめ、また、多くの市民が共感できるビジョンとして「子どもたちの笑顔あふれるまち弘前」を将来像としてお示しをし、マニフェストを行政計画化して、計画行政を進めてまいりました。

また、厳しい社会経済情勢の中で様々な課題解決に向かうため、市役所だけでなく市民と一緒に取り組みを進める「オール弘前」体制を構築し、今や市民が課題解決に自主的に取り組むような環境も出来あがってまいりました。

次期市長選についても、基本的なスタンスは揺るぎありません。

この流れを途切れさせ、さらには時計の針を戻すことは絶対にしてはならないと考えています。ふるさと納税や観光などのように地域間の競争も益々激しくなってきます。

また、市政は、様々な制度、市民からの多様なニーズやその変化に、的確かつ速やかに対応することが求められ、そのかじ取りには、重ねてきた経験をベースに、高度な知識とスピード感をもって決断する強い意志が必要です。リーダーにはそれらの素養が求められると考えます。

次期経営計画は、「対話と創造」をさらに深めるため、他の自治体では例のないくらいに、市民との意見交換を重ねに重ねて計画を作成しております。おかげさまで市民の思いのつまった、他にはない特別な計画となっています。

現在、市民の思いがつまったこの経営計画をベースに次期市長選の公約づくりを進めているところであり、しかるべき時期に公表をしたいと考えております。

市政は、目の前にある課題を一つ一つ解決していくことが基本です。一方で、この地域が将来にわたって生活の場として選ばれるような持続可能な地域づくりに向けた魅力づくりや基盤づくりも必要です。

私は、市民一人一人の生活に寄り添った「市民の幸せ」を政策のベースに、これまで以上に知恵と工夫を最大限投入し、鋭意取り組みます。

また、高齢者から青年世代、そして子どもたちが、この地域でいきいき楽しく暮らせる「すべての世代の笑顔が輝く」政策にも、私の信条の一つでもある創造力を総動員して取り組みます。

市民の幸せを基本に、持続可能な地域社会づくりについて、これまで以上に汗をかいてまいりますので、市民の皆様には引き続きのご理解を賜りたいと思っております。

自由質疑

1.弘前市地域包括ケア検討委員会について

Q.記者

地域包括ケア検討委員会関係で2点質問ですが、1点が、包括ケアの考え方と中核病院の進め方を切り離して考えることは出来ないのかということ。もう1点が、弘前のライフイノベーション戦略の考え方に沿った形で中核病院を進めたいという話があったと思いますが、その方向性について、現時点で目指している部分があれば教えていただきたい。

 

A.市長

地域包括システムと中核病院を切り離してはということについてですが、超高齢社会が訪れることとなり、当市もそのことに今から準備をしていくことが喫緊の課題だと思っています。

国の社会保障政策では、2025年を迎えるにあたり、住民が慣れ親しんだ地域で安心して暮らしていけるための枠組みとして、「地域包括ケアシステム」に向け、医療と福祉、そして地域との連携を進めるよう指導しているところであり、県も同様に県内自治体に普及啓発を行っています。

中核病院は、津軽地域保健医療圏の住民の命を守る重要な医療拠点です。また一方で、今後は福祉施設やクリニックなどと連携し、「地域包括ケアシステム」の中心となることが求められることから、切り離すことができないと考えます。

中核病院の整備は最重要課題であり、スピード感をもって鋭意進めてまいります。また、その検討に当たっては、将来必要となる「地域包括ケアシステム」を念頭におき、しっかりと進めていく必要があると考えているところです。

 

A.健康福祉部長

議会の中で、いわゆるライフイノベーション戦略に基づくというお話が出ておりますが、医療界は日進月歩であり、最先端の医療を見据え、中核病院を取り入れることにより、研修医が研修する場所づくりにもなるということで進めて参りたいと考えています。

 

Q.記者

地域包括ケアの考え方と中核病院の結びつきが非常に重要だということは分かるが、弘前市民にとって最も良い病院の在り方だとは思うが、圏域にとって最も良い病院なのか。

 

A.市長

市立病院をなくして良いのかという論点が、市民にとってあると思います。それと同時に、市民のニーズと考えあわせて中核病院を考えて、圏域の病院として存続させていくという両方の面があると思います。市民のための病院、圏域のための病院と分けて考えるということはできないと思います。両方が納得出来るような仕組みにしていかなければならない、そういう意味で、今回議決いただいた地域包括ケア検討委員会、これは中核病院の整備をどう進めていくのかについての運営主体がどうあるべきなのかということも含めて検討いただくことになるので、日本のトップ、圏域のトップの皆さんの専門家による議論を経て、方向性を出していただけるということなので、それにしっかりと目を向けて中核病院の早期整備に向けた取り組みをしていきたいと思っています。

 

Q.記者

包括ケアは弘前市民だけではなく、圏域にとっても良い方向で作られるのか。

 

A.市長

地域包括ケアシステムは、おおむね30分以内に必要なサービスが提供される日常生活圏域を単位として想定され、かかりつけ医や地域の連携病院がこれに関わるものと示されております。

市では、中核病院の整備にあたり、健診や保健部門などと連携するなど、この地域包括ケアシステムとの関わりをより一層深めることで、地域の住民が住み慣れた地域で安心して暮らせる医療・福祉の持続的な提供体制が構築できるものと考えております。

また、圏域の医療を担う中核病院という役割から、津軽地域保健医療圏内での連携が進められることで、中核病院が整備されることで、圏域の市町村においても同様の効果が見込まれるものと考えております。

 

Q.記者

関連で、諮問の内容というのは、市の方向性に沿った検討をお願いするという形になるのかということと、医療コンサルタントへの委託の件について現状がどうなっているのかということについて教えていただきたい。

 

A.市長

諮問の内容については、地域の医療をどうやって守っていくのか、どうやって医療を提供していくのかということが中心になるが、それと同時に中核病院の運営体制についても諮問することになります。

 

A.地域医療総合戦略対策室長

委託は、現在決裁中であり、出来れば、今週中にも指名通知を出したいと考えていました。

 

2.コインチェック社のNEM流出について

Q.記者

ビットコインの関係ですが、昨年の春の時点でビットコインを活用して桜とお城の事業に限定して募金を募るという世間的にも注目を集めた方式を取り入れました。取扱所となったのが、現在問題となっているコインチェックですが、昨日から日本円での出金が可能になったとありますが、あくまでも預けたお金が戻ってきているというだけで、仮に弘前市が換金しようとしてもできない状態になっています。今後なんとかしていくという流れになっているので、現状において市の方が、なんらかの損害を受けているという事実が無いことは承知しているが、新しい事を取り入れることは非常に良いことだと思う反面、慈善の行為という性格のお金が、上がったり下がったり、無くなってしまうことも否定できないが、募金をそういう形でやるということについての市長のお考えはいかがでしょうか。

 

A.市長

あくまでも、制度仕組みを理解した上で寄付していただくのを前提とした仕組みなので、寄付者の皆さんにはご理解いただけているものと思っています。

ただし、このことがいろいろな議論を呼んでいることは確かなので、NEM(ネム)という仮想通貨は、ビットコインとは別の仮想通貨でありますが、今回の流出問題をきっかけに、今後は取扱う全ての仮想通貨において、徹底した安全管理が必要だと思います。

そのためには、規制等が必要になりますが、一方で、ビットコインの仕組みのような革新的な技術は、様々な分野でその応用が進んでいることからも、技術革新と規制のバランスが大切だと考えます。

市としては、今後の社会動向を踏まえて、様々な角度から情報収集を行い、その情報を適切に分析し、また真摯に対応していくことで、さらなる市民サービスの向上に努めて参りたいと考えております。

 

Q.記者

今後も続けていく方向で考えているのか。

 

A.市長

今回問題となっているのは、数百種類ある仮想通貨の中でもNEM(ネム)と呼ばれるものでありますが、ビットコイン自体については問題が発生していないため、当初の予定通り年度末に日本円で受け取り、弘前の桜とお城のために適切に利用していきたいと考えております。

来年度については、継続してコインチェック社の寄付サイトでビットコイン寄付を行うのか、それとも、事業者を変えてビットコイン寄付を行うのか、もしくは、一旦、ビットコイン寄付を行うのを見送るのかといったことについて、様々な情報を収集し、慎重に検討したうえで判断して参りたいと考えております。

 

3.第42回弘前城雪燈籠まつり等について

 

Q.記者

球場アートについて、入場者数をどう評価しているのか。また、来年度以降も続けていく考えなのか。

 

A.市長

多いと見るか少ないと見るかということはあると思いますが、今回が初めての事業ということで、何においても、いきなり大盛況もあれば、一つずつ実績を積み重ねていって評価が高まっていくということもあるので、是非継続し、バージョンアップを図りながら、広く内外へ発信し、有効な事業に展開していければと思っています。

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