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陸羯南

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陸羯南

 

年齢

経歴

安政4年(1857)

0歳

弘前市在府町の父・謙斎、母・なほの次男として、中田家に生まれる。巳之太郎、のち實。

明治4年(1871) 

14歳

工藤他山の私塾「思斉堂」に入門。

明治6年(1873)

16歳

東奥義塾に入学。英学を学ぶ。

明治9年(1876)

19歳

上京し司法省法学校にてフランス法律学の学習を始める。

明治12年(1879)

22歳

寄宿生の賄征伐事件で退校処分となり帰郷、青森新聞社に入社。絶家の陸家を再興して戸主になる。

明治13年(1880)

23歳

北海道紋鼈製糖所に入る。

明治14年(1881)

24歳

再び上京。仏語の翻訳で生計を立てる。

明治16年 (1883)

26歳

6月、太政官文書局に入る。
加藤拓川の甥・正岡子規を知る。

明治22年(1889)

32歳

2月、新聞『日本』創刊。政府の条約改正などに反対する。

明治30年(1896)

40歳

新聞紙条例改正公布。これまでの新聞『日本』の発行停止処分は30回230日に及ぶ。

明治34年(1901)

44歳

7月、近衛篤磨に随行し、清・朝鮮を視察。9月、帰京する。

明治36年(1903)

46歳

6月、欧州周遊の旅。翌1月に帰国。

明治39年(1906)

49歳

6月、日本新聞社を譲渡する。

明治40年(1907)

 

9月2日、療養先の鎌倉で死去。(49歳)

 

生い立ち

 

安政4年10月14日、中田謙斎の次男として弘前在府町に生まれる。巳年生まれなので巳之太郎と名付けられたが、後に実と改める。父は弘前藩の茶道役坊主頭。明治4年、弘前五十石町の工藤他山の私塾「思斎堂」に入る。

 

弘前市在府町地図(明治4年)

 

修学時代

 

明治6年、東奥義塾に入学、英学を学ぶ。翌年中退し、9月に官立宮城師範学校へ入学。2年後の3月に校長と衝突、卒業を前に退学し上京する。明治9年9月に、司法省法学校(東京帝国大学法学部の前身)へ入学、フランス語を学ぶ。同窓生に原敬、加藤拓川(恒忠)、福本日南(誠)ら。
明治12年4月、寄宿生の「賄征伐事件」の処罰について抗議し、原敬ら15名と共に退校処分となる。

 

左から福本日南、国分青厓、陸羯南、加藤拓川(明治11年7月)

 

青森新聞社から紋鼈へ

 

明治12年4月、退校処分のあと帰郷して青森新聞社に入り編集長として県政批判の記事を書き罰金10円を申し受ける。9月、弘前の親戚・陸治五兵衛の絶家を再興、陸姓を名のる。翌3月、本多庸一、菊池九郎らと、国会開設の建白書の草案にかかわる。9月、青森新聞社を辞し、北海道紋鼈製糖所に入る。

 

『青森新聞』

 

太政官文書局の官吏

 

明治16年6月13日、太政官御用掛となり文書局勤務となる。文書局とは「官報」発刊に備え、この年の5月に設置されたばかりの局である。月俸給50円であった。ちなみに文書局文案課には原敬がおり、明治16年11月の時点で、原の方が羯南より地位が上であった。官職に就き生活が安定し明治17年2月に、今居てつと結婚する。
明治21年3月、内閣官報局編集課長を、依願退職。同年4月『東京電報』を創刊し主筆兼社長となる。

 

太政官文書局辞令

 

新聞『日本』創刊

 

明治22年2月9日、『東京電報』を廃刊。2月11日、大日本帝国憲法発布の日に『日本』創刊。政党の機関紙でもなく、営利を目的とする商業新聞でもない、「国民主義」を掲げ独立新聞を目指した。しかし、『日本』は政府の政策に反対することから、発行から「新聞紙条例改正」の実現まで30回230日もの発行停止処分が行われた。また、正岡子規の「俳句・短歌革新運動」の場でもあった。

 

新聞『日本』第2号(明治22年2月12日)

 

欧州周遊の旅

 

明治34年7月、羯南は近衛篤麿に随行し、清・朝鮮を視察。9月帰国。明治36年6月、近衛篤麿からベルリン在学中の弟・津軽英麿(ふさまろ)を帰国させるよう依頼され、欧州周遊の旅に出発。横浜港から出発し、アメリカ、欧州各国、エジプトを訪問。明治37年1月、帰国。ベルギーでは旧友の加藤拓川(外交官)、パリでは元日本新聞社の中村不折(画家)とも会い交流を深めた。

 

陸羯南はがき 今井真吉宛(明治36年6月30日)シアトルより

 

羯南死去

 

明治39年6月、経営難から日本新聞社を譲渡。明治40年1月、羯南は病気療養のため、鎌倉の別荘に移る。同年9月2日、死去。

 

『マンガふるさとの偉人 陸羯南』公開

 

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令和5年、弘前市教育委員会から刊行された『マンガふるさとの偉人 陸羯南』は、マンガ家・仁山渓太郎さんの手によって、羯南が生きた激動の時代とその生涯が生き生きと描かれた1冊です。

このマンガは、弘前市立図書館でも読むことができます。
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