令和3年6月23日(水曜日)から開始した弘前城本丸東面の石垣積直し工事は、令和6年12月19日(木曜日)午前10時、市長・市民が見守る中、天守台北面最上段の石材番号「ニー5」の積上げをもって終了し、2,185石すべての積直しが完了しました。石材番号「ニー5」の大きさは高さ45センチメートル、幅71センチメートル、奥行94センチメートルで、重さは306キログラムでした。
▽「ニー5」積直し作業
▽積直しで膨らみが解消した本丸東面石垣
▽完成した石垣について総括する櫻田市長
天守台東面と南面の石垣積直しが終了しました。残すは天守台北面最上段の1石のみです。
▽天守台東面の石垣積直し状況(令和6年12月10日)
▽天守台南面の石垣積直し状況(令和6年12月10日)
11月下旬に入り、天守台北面については、最上段までの石垣積直しが概ね終了しました。天守台東面・南面においても、最上段の積直し作業を残すのみとなっています。また、11月より天守台西側でも天守基礎深礎山留工事を進めているため、天守台に置かれた円形土留は合計4箇所となりました。
▽天守台北面の石垣積直し状況(令和6年11月21日)
▽天守台天端の北東角石の積直し状況(令和6年11月20日)
▽天守台東面最上段の石垣積直し作業(令和6年11月21日)
令和6年11月3日(日曜日・祝日)、弘前城跡本丸東面石垣積直し工事現場にて、第5回「弘前城跡の史跡・文化財」見学修理体験会を開催しました。体験メニューのうち、石垣積直し工事現場説明には98名、石曳体験には117名の参加がありました。
▽石垣積直し工事現場説明
▽石曳体験
10月に入り、天守台北面⇒東面⇒南面の順番で石垣の積直しを進めています。今後は各面を順番に、1段ずつ積直していきます。
▽天守台東面の石垣積直し作業(令和6年10月24日・南東から撮影)
▽天守台東面の石垣積直し状況(令和6年10月24日)
▽天守台南面の石垣積直し状況(令和6年10月24日・南東から撮影)
天守台石垣北面の石垣積直しは、9月下旬に天守台北東の角石[すみいし]から始まりました。10月中旬には、上から5段目付近まで積直しが進んでいます。解体前の天守台北面は、大正4年(1915)施工の底盤コンクリートを基礎として積み上げられていましたが、今回の積直し工事ではコンクリートを用いず、昔ながらの空積み[からづみ]で修理しています。
▽天守台石垣北面の積直し状況(令和6年10月17日)
▽天守台北東角石の積直し作業(令和6年10月8日)
▽天守台北東角石の積直し開始(令和6年9月27日)
▽解体中の天守台石垣北面(平成29年7月20日)【比較写真】
天守台北側の石垣については、9月末までに最上段までの積直しを終えました。残す作業は、天守台石垣の積直しのみとなります。石垣積直し工事も、いよいよ大詰めです。
▽天守台北側・最上段の積直し作業(令和6年9月下旬)
令和5年11月に開催した「第3回弘前城跡の史跡・文化財見学修理体験会」と、今年8月に開催した「第4回弘前城跡の史跡・文化財見学修理体験会」において、参加者の皆さんがメッセージを記入した裏込石を石垣の背面に敷き詰めました。
▽裏込石メッセージの敷き詰め(令和6年9月20日)
天守台石垣の高さを修正できるのか検証するため、四の丸で仮組していた石材を解体しました。この石材は今後内濠の工事現場に運ばれ、元の位置に積直されます。
▽天守台石垣仮組の解体作業(弘前公園四の丸)
南側工区北側(天守台より北側)において、上から2段目の石垣積直しを進めています。
▽天守台より北側の石垣積直し状況(上から2段目)
7月下旬より、石垣積直し工事と併行して、天守基礎深礎山留工事を開始しています。この工事は、重要文化財である天守の基礎の耐震補強に必要な部分を先行して発掘調査するため、円形の土留を設置するものです。
▽天守基礎深礎山留工事開始状況
令和6年8月3日(土曜日)・4日(日曜日)の2日間、弘前城跡二の丸にて、恒例となっている第4回「弘前城跡の史跡・文化財」見学修理体験会を開催しました。体験メニューのうち、石割体験には143名、石垣積直し工事現場説明には92名、裏込石[うらごめいし]へのメッセージ記入には175名の参加がありました。
▽石割体験
▽石垣積直し工事現場説明
▽裏込石へのメッセージ記入
弘前城跡本丸東面の石垣修理に伴う発掘調査では、約2,500年から2,400年前の縄文時代晩期後葉の土器・石器がまとまって出土しています。それらの一部を弘前城情報館(弘前公園二の丸)に展示していますので、ぜひご来館ください。
▽弘前城跡本丸東面から出土した縄文時代の遺物展示状況(弘前城情報館)
▽弘前城跡本丸東面で出土した縄文土器
6月中旬から7月下旬にかけては、新補石材の加工のほか、改良土の混合や石垣の仮積作業を進めています。
▽6月中旬の石垣積直し工事現場(南側工区)
5月13日(月曜日)の工事再開から約1ヵ月間は、破損石の代わりとする交換石の加工を進めました。破損した石材にも文化財としての価値があるため、補修で強度を確保できるものについては基本的に再利用していますが、割れによる変形やヒビ割れによる強度不足が著しく、補修不可能なものについては、交換石に入れ替えて石垣を積直していきます。
▽交換石の加工作業(イロ角-11)
▽イロ角-11の旧石材(ヒビ割れによる強度不足)
▽イー221の旧石材(ヒビ割れによる強度不足)
▽ロー172の旧石材(割れによる変形)
史跡弘前城跡本丸石垣東面(南側)積直し工事は、弘前さくらまつり終了後の5月13日(月曜日)より作業を再開しました。破損石の代わりとする交換石の加工など、工事の本格再開に向けた準備作業を進めています。今年度は解体した2,185石のうち、残る549個の石を積直して、修理範囲全体の石垣積直しを完了させる予定です。
▽交換石の加工(令和6年5月13日撮影)
令和6年度の石垣積直し工事は、「弘前さくらまつり」終了後の5月より本格的に稼働し、令和7年3月までに完了する予定です。工事範囲は、天守台を含む南側部分です。
▽令和6年度の石垣積直し範囲(赤線で囲まれた部分)
[本丸東面]
※グレーの部分は、既に積直しが終了している範囲。
【問い合わせ】都市整備部公園緑地課 弘前城整備活用推進室(TEL:0172-33-8739)