天守では、これまで弘前城や弘前藩に関する歴史資料の展示が行われてきましたが、天守曳屋工事に備えるため、この期間は展示品がない状態での公開となりました。
重要文化財・弘前城天守の柱や出格子・床下の構造など、建造物の細部をご覧いただきました。
弘前城天守公開(平成27年4月中旬)
さくらまつり期間中は埋め立てた内濠を開放し、天守と桜・石垣を下から見上げることができる状態となりました。
平成27年5月10日(日)まで、天守を従来の位置で公開しました。
埋め立てられた内濠(平成27年4月中旬)
内濠から見上げた弘前城天守(平成27年4月中旬)
さくらまつり終了後、天守を閉館して曳屋工事の準備に入りました。
工事用の足場や曳屋のためのレールの設置などを行いました。
(本丸・北の郭は、引き続き入場可能でした。)
天守曳屋 足場設置工事の開始(平成27年5月18日)
埋め立てた内濠で進む足場組立作業(平成27年5月18日)
組み立てた足場をクレーンで移動(平成27年5月18日)
平成27年度発掘調査現地説明会(平成27年11月7日)
平成27年度の発掘調査成果はこちら。
史跡津軽氏城跡(弘前城跡)弘前城本丸発掘調査概報Ⅲ【序~第4章】.pdf(18333KB)
史跡津軽氏城跡(弘前城跡)弘前城本丸発掘調査概報Ⅲ【第5章~第7章】.pdf(13375KB)
弘前城の天守曳屋工事がいよいよスタートしました。
当日は、曳屋工事の安全祈願祭の終了後に地切式が開始され、午前11時頃、曳屋工事の最初の工程となる地切りと揚屋(あげや)が開始されました。
市長の号令により地切りが始まり、約100年ぶりに天守が切り離されると、5分位の時間をかけて、10センチメートルほど天守がジャッキアップされました。
揚屋の作業は当日の午後3時と翌日の8月17日にも実施され、ジャッキアップの高さは35センチメートルとなり、揚屋の第一工程は概ね終了しました。
弘前城天守地切式 |
約2千人もの観客が観覧 |
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曳屋予定先と天守 |
◆8月17日(月曜日)
揚屋(通算 35センチメートル)
◆8月18日(火曜日)~8月24日(月曜日)
資材搬入、揚屋(ジャッキアップ)微調整、土台下鋼材挿入・家縫鋼材と連結固定
◆8月24日(月曜日)~8月25日(火曜日)
土台下鋼材にジャッキセット
◆8月25日(火曜日)
揚屋完了(通算 60センチメートル)
◆8月26日(水曜日)~9月2日(水曜日)
構台及び移動道設置(井桁及びレール設置)
井桁の設置(8月26日) |
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移動道(レール)の設置(8月26日) |
◆9月3日(木曜日)
一次曳屋開始(天守移動距離 5.85メートル)
◆9月4日(金曜日)
一次曳屋完了(天守移動距離 通算 約22.3メートル)
一次曳屋(9月3日) | 一次曳屋(9月3日) | |
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曳屋前の天守(平成27年8月) | 平成27年9月4日(金曜日)正午の天守 |
◆9月5日(土曜日)~9月7日(月曜日)
ジャッキセット
◆9月8日(火曜日)
ジャッキダウン(51センチメートル)
◆9月9日(水曜日)
ジャッキダウン(通算 91センチメートル)
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ジャッキダウン開始前(9月8日) |
ジャッキダウン実施後(9月9日) ※91センチメートル下降しました。 |
◆9月10日(木曜日)~9月12日(土曜日)
回転道作成
◆9月13日(日曜日)
天守一次回転移動完了(反時計回りに約25度)
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回転移動開始前 (9月13日 午後1時20分頃) |
回転移動完了後 (9月13日 午後3時30分頃) |
◆9月14日(月曜日)~9月16日(水曜日)
ジャッキセット、レール撤去、ジャッキダウン(前回の分を含めて通算 約130センチメートル)
◆9月17日(木曜日)
移動道レール設置
◆9月18日(金曜日)
二次曳屋開始(天守移動距離 通算 約33.6メートル)
◆9月19日(土曜日)
弘前城曳屋ウィーク リハーサル(天守移動距離 通算 約33.9メートル)
(天守移動距離 通算 約39.2メートル)
※曳屋参加人数 約3,900人、曳屋回数 35回、曳屋距離 各回15センチメートル(最終回のみ20センチメートル)
平成27年9月20日(日曜日)、弘前城曳屋ウィークがスタートしました。
当日は、現存12天守同盟の各自治体の皆様をお招きしての「重要文化財弘前城天守曳初式」を実施した後、市長らの号令を合図に天守の曳屋を開始しました。
今回の曳屋は天守の台座に4本の綱をくくりつけ、約100人程度の人力で引っ張るという方法で行いました。
最初は全く動く気配がなかった天守も、参加者の皆さんの力が揃うと徐々に動き出し、無事に予定した15センチメートルの曳屋に成功しました。
曳屋ウィーク期間の八日間で約3,900人が曳屋に参加して、延べ35回の曳屋を実施し、期間中の天守の移動距離は通算5.3メートルになりました。
天守曳初式(9月20日) | 曳屋体験の様子(9月20日) | |
曳屋ウィークでの曳屋体験 |
曳屋に使用する道具 (レンドローラー、油圧ジャッキ等) |
◆9月28日(月曜日)
二次曳屋レール養生鉄板敷
◆9月29日(火曜日)
一次移動道資材撤去運搬
◆9月29日(火曜日)~10月1日(木曜日)
二次曳屋レール設置
◆10月2日(金曜日)
二次曳屋(天守移動距離 通算 約52.52メートル)
◆10月3日(土曜日)
二次曳屋完了(天守移動距離 通算 約58.97メートル)
天守台からの天守(10月3日) | 仮天守台方向からの天守(10月3日) |
◆10月3日(土曜日)~10月6日(火曜日)
回転移動道設置
◆10月7日(水曜日)
天守二次回転移動完了(二次曳屋での移動分を含めて、時計回りに約29度回転)
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二次回転開始前(10月7日 午前9時) | 二次回転完了後(10月7日 午前11時) |
◆10月8日(木曜日)
ジャッキアップ準備
◆10月9日(金曜日)~10月10日(土曜日)
ジャッキアップ(2日間で約103センチメートル)
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曳屋前の天守(平成27年8月) | 下乗橋からの光景(10月10日) |
◆10月11日(日曜日)~10月15日(木曜日)
高さ微調整及び三次曳屋レール設置
◆10月15日(木曜日)~10月16日(金曜日)
三次曳屋(天守移動距離 通算 73.32メートル)
◆10月17日(土曜日)
三次曳屋完了(天守移動距離 通算 77.62メートル)※移動完了
◆10月19日(月曜日)
土台下鋼材撤去
◇10月20日(火曜日)
ジャッキダウン準備
◇10月21日(水曜日)~10月23日(金曜日)
ジャッキダウン及び微調整
◇10月24日(土曜日)午前10時~
仮天守台着座
◇10月25日(日曜日)~10月31日(土曜日)
天守内部鉄骨撤去後片付け
文化庁及び弘前市が主催となり、平成27年11月5日(木曜日)~11月7日(土曜日)の日程で、第13回全国城跡等石垣整備調査研究会を開催しました。
城跡などの石垣整備に関する研究会で、全国から関係者が一堂に会しました。また、11月5日・6日は事前申込不要で、多くの市民の皆さんにもご参加頂きました。
◇とき 11月5日 午後1時半~4時、11月6日 午前9時半~午後3時15分
◇ところ 弘前文化センター(弘前市大字下白銀町19-4)1階 ホール
◇テーマ 「石垣整備と建造物―その価値の保存と継承の在り方について―」
◇参加料 無料 ※希望者には資料(資料集・記録集等)を有償にて頒布します。
◇日程・内容
◆初日(11月5日)
午後12時30分~ 受付開始
午後1時30分~ 開会行事
午後2時~ 基調講演 長谷川 成一氏(弘前大学名誉教授)
「弘前城・弘前城下の成立・変容と弘前藩政の展開」
午後3時15分~ 報告1 神 雅昭氏(弘前市都市環境部公園緑地課)
「史跡弘前城跡本丸石垣修理に向けた基礎調査と天守曳屋工事について」
基調講演の様子
◆2日目(11月6日)
午前9時25分~ 再開・事務連絡
午前9時30分~ 報告2 山下 史朗氏(兵庫県教育委員会文化財課)
「阪神・淡路大震災災害復旧における明石城巽櫓・坤櫓の修理と石垣修理」
午後10時10分~ 報告3 三浦 孝章氏(高梁市教育委員会社会教育課)
「史跡備中松山城跡における石垣修理と建造物―天守・二重櫓の保存修理を事例として―」
午前11時~ 報告4 諏訪間 順氏(小田原市経済部観光課)
「史跡小田原城跡馬出門の石垣と門・土塀の復元整備について」
午前11時40分~ 報告5 佐藤 哲夫氏(文化財石垣保存技術協議会)
「石垣整備(修復)時の留意点―史跡松本城埋門南側石垣を事例として―」
午後12時20分~ 昼食休憩
午後1時30分~ パネルディスカッション「石垣整備と建造物」
コーディネーター 宮武 正登氏(佐賀大学全学教育機構教授)
パネリスト 長谷川 成一氏・山下 史朗氏・三浦 孝章氏・諏訪間 順氏・佐藤 哲夫氏・神 雅昭氏
午後3時~ まとめ 市原 富士夫氏(文化庁記念物課文化財調査官)
午後3時5分~ 閉会行事
パネルディスカッション「石垣整備と建造物」
◆3日目(11月7日)
史跡津軽氏城跡見学(写真は弘前城本丸石垣発掘現場)
第40回弘前城雪燈籠まつり期間中の平成28年2月13日(土)・14日(日)に、「弘前城石垣マルチ・プロジェクション」を開催。動画を弘前市プロモーションサイトで公開しています。URLはこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=z3q558bn000
ぜひご覧ください。