このたび当市の農福学連携の取組が、農林水産省をはじめとする関係省庁等が実施する「ノウフク・アワード2024」の優秀賞を全国の自治体として初めて受賞しました。
農福連携とは、農業分野と福祉分野が連携し、障がい者等が農業生産活動に携わることで、農業分野における新たな働き手の確保につながるだけでなく、障がい者等の就労や生きがいづくりの場を生み出すことが期待される取組です。
市では、農福連携の認知度向上や参入障壁の緩和を目的に、新たに農福連携に取り組む農業者や既取組者のうち、障がい者に合った作業の工夫の見える化・共有化に取り組む農業者を支援しています。
これまでの事業をとおし、市内の多くの福祉事業所等が農業現場において活躍していることから、令和6年度からは対象となる取組に生活困窮者等の雇用を追加し、福祉の裾野を広げることで、さらなる農福連携の拡大を目指します。
また、令和6年度は、新たに特別支援学校生徒や不登校傾向等にある児童生徒に対する農作業体験の取組を実施することで、農業に関心を持ってもらうことを目指します。
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農福連携に興味がある、農福連携を検討している農業者や障がい福祉事業所向けに、農福連携の流れや留意事項等を記載した「農福連携実践マニュアル」を作成しました。ご活用いただき、ぜひ農福連携に取り組んでみてください。
障がい福祉事業所向けに、りんごとピーマンの年間における農作業の時期や作業内容等を盛り込んだ「農福連携カレンダー」を作成しました。それぞれの作業の難易度と疲労度についても記載していますので、ぜひご活用ください。
市の基幹産業である農業においては、従事者の減少や高齢化、労働力不足等の進行により、継続した生産量を確保するための生産基盤が弱体化してきていることから、新規就農者等の担い手や補助労働力となる人材の育成・確保を進めていくことが重要です。
こうした状況の中で、農福連携の取組は、近年、全国各地において様々な取組が行われており、当市においても令和元年度より農福連携の取組を推進しています。
1.りんご黒星病対策耕種的防除作業を検証【令和元年度~令和2年度】
3.新たに農福連携に取り組む農業者等を支援【令和4年度~お試しノウフク、令和5年度~シェアノウフク】
市では、令和元年度から2年度までの2年間、りんごの黒星病感染リスク低減を図るため、被害を受けた葉や果実の除去及び落葉処理を行う「耕種的防除作業」について、作業適性を検証する事業を障がい福祉事業所等と連携して取り組み、障がい者が就労可能な作業として一定の成果を確認することができました。
令和3年度は、りんごの耕種的防除作業以外の作業であっても、高度な技術を必要としない作業があることから、りんごの生産工程における、栽培から出荷に至るまでの一連の作業について、障がい者が就労可能な作業の掘り起こしやりんご生産現場で就労する際の課題を整理するため、「農福連携モデル事業」を実施しました。
具体的には、農業者からの依頼により、障がい福祉事業所の利用者である障がい者が摘果や着色管理などの作業に従事しており、その作業内容について農業者が適応性などを評価しました。この農業者が評価した内容を基に、市が結果の分析や検証を行うことで、りんご生産現場で適応可能な農作業のほか、農福連携の課題や効果を取りまとめました。
〇作業のようす
りんごの実すぐり 反射シート片付け
また、農福連携の更なる推進に向けて、「農福連携モデル事業」に取り組む農業者と障がい福祉事業所が、農福連携により栽培したりんごを販売する「弘前市農福連携りんご共同販売会」を初めて開催しました。
これまで農福連携に取り組んだことがない農業者等が、農作業を初めて障がい福祉サービス事業者に委託または障がい者を直接雇用するには、抵抗感等があり踏み出しにくいことが課題としてあることから、市では、農業者等が新たに農福連携に取り組みやすくなるよう支援を図るため、令和4年度から「お試しノウフク」を実施しました。
令和5年度からは、農福連携の認知度向上に加え、農福連携への参入障壁の緩和を図るため、市では、既取組者のうち、障がい者に合った作業の工夫の見える化・共有化に取り組む農業者を支援する「シェアノウフク」を拡充しました。
担当:農政課 地域経営係
電話:0172-40-7102