(株)前川國男建築設計事務所
・構造:横山不学建築構造設計事務所
・音響:石井聖光
・舞台:穴沢喜美雄
昭和39年4月
青森県弘前市大字下白銀町1番地6(弘前公園地内)
コンクリート打ちはなしサランラテックス塗装仕上
5,594平方メートル
・ホール棟:3,578平方メートル
・車寄棟:622平方メートル
・管理棟:1,394平方メートル
種類 | 施工者 |
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建築主体工事 | 清水建設(株) |
電気設備工事 | 三機工業(株) |
衛生設備工事 | (株)西原衛生工業所 |
冷暖房設備工事 | (株)朝日工業所 |
舞台機構 | 三精輸送機(株) |
緞帳・舞台幕 | (株)川島織物 |
大道具 | 森平舞台機構(株) |
移動家具 | 山口木材工芸(株) |
平成24年12月15日から平成25年12月16日
平成24年度弘前市民会館大規模改修工事
(株)前川建築設計事務所、(有)アトリエタアク 一級建築設計事務所
(株)横山建築構造設計事務所
(株)永田音響設計
元(株)前川國男建築設計事務所 仲邑 孔一氏
種類 | 施工者 |
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建築躯体更生等工事 | 堀江・弘和・工藤建設工事共同企業体 |
電気設備工事 | 弘鉄・デンユウ・村岡建設工事共同企業体 |
機械設備工事 | 弘水・鎌田・岩木建設工事共同企業体 |
舞台機構設備工事 | 森平舞台機構(株) |
舞台照明設備工事 | (株)ユアテック弘前営業所・丸茂電機(株) |
舞台音響設備工事 | ヤマハサウンドシステム(株) |
コージェネシステム設置工事 | (株)高橋設備工業所 |
車椅子用段差解消機設置工事 | (株)大伸管工業所 |
太陽光発電設備設置工事 | 弘鉄電気工事(株) |
外壁の中性化対策及び保護 | (株)セントラルコンクリート |
舞台床構築 | (有)工藤舞台 |
客席椅子 | コトブキシーティング(株) |
津軽塗ドア取っ手・演台ほか | 弘前工芸協会 |
1905年5月14日生まれ。
1928年東京帝国大学工学部建築学科を卒業。
卒業と同時にパリに赴き、ル・コルビジェのアトリエで二年間学ぶ。
帰国後、レーモンド建築設計事務所を経て、1935年前川國男建築設計事務所を設立。
50年にわたる建築家としての活動の間に日本建築家協会会長、UIA副会長などを歴任する。
日本建築学会大賞、朝日賞、毎日芸術賞、オーギュレスト・ペレー賞など多数受賞する。
代表作には、東京文化会館、紀伊国屋書店、京都会館、熊本県立美術館、東京海上ビルがある。1986年6月26日没。享年81歳。
弘前と前川國男との背景には奇遇ともいえる人と人とのつながりがありました。
前川國男は、前川貫一、菊枝の長男として新潟に生まれました。
父方は旧彦根藩士、母菊枝は津軽藩の忠臣として知られた田中太郎五郎の子孫、田中坤六の娘です。
また、菊枝の兄尚武は明治の外交官佐藤愛麿(津軽藩重臣)の養子となり、後に参議院議長、国連大使、東京青森県人会会長などを務めました。
なお、菊枝の妹は青森県下の富豪として知られた五所川原布嘉、佐々木嘉太郎に嫁いでいます。
縁とは不思議なもので、前川國男が東京大学を卒業、ル・コルビジェのアトリエへ入る際、佐藤尚武が国際連盟事務局長としてパリに駐在、後見人として自宅に預かることとなります。
一方、津軽藩主承昭公が東京に移ったとき随従し、後に大阪土木や広島電力などの社長を勤めた旧津軽藩重臣で弘前出身の実業家・木村静幽は、晩年、郷土弘前に地場産業の研究所設立を決意しますが実現せずにこの世を去ります。
その孫である木村隆三が後にその意を託され理事長となり、駐仏武官としてパリに在住、佐藤尚武を通じ前川國男とも親交を結んでいました。
前川國男は帰国後、東京レーモンド建築事務所に入所します。
まもなく木村隆三から木村産業研究所の設計依頼を受け、前川國男の名で手がける最初の建物となりました。
また、その後には、木村隆三の兄信吾が県立中央高校PTA会長を務めていたこともあり、同校創立五十周年記念事業として講堂の設計依頼を受けます。
こうした積み重ねにより前川國男と弘前とのつながりはより一層緊密なものになっていきました。
弘前には前川國男の初期から晩年までの作品八点が現存しています。
建築物名 | 建築年 | 構造 |
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木村産業研究所 | 1932年 | RC2階建 |
弘前電燈株式会社 | 1933年 | 木造2階建 |
弘前中央高校講堂 | 1951年 | RC2階建 |
弘前市役所 | 1957年 | RC4階建-増6階 |
弘前市民会館 | 1964年 | RC2階建 |
弘前市市立病院 | 1971年 | RC6階建 |
弘前市立博物館 | 1976年 | RC2階建 |
弘前市緑の相談所 | 1980年 | RC2階建 |
弘前市職員駐輪所 | 1982年 | S造2階建 |
市民中央広場 | 1982年 | 東屋つき |
弘前市斎場 | 1982年 | RC2階建 |
原画は、津軽の生んだ世界的版画家・故棟方志功画伯が市民会館の緞帳制作のための原画として精魂込めて制作したもので、弘前市を象徴する鷹揚城(おうようじょう)に四人の若々しい娘たちが跳躍し、春夏秋冬の四季を表現したものです。
ステンドグラス作品「青の時間」は、当市出身で日本を代表する洋画家・佐野ぬい氏が、市民会館開館50周年を記念して特別に描き下ろした原画をもとに制作され、ガラスへの絵付けと制作監修も佐野氏が行いました。
佐野氏は、独特な青を基調とした作品から「青の画家」「佐野ブルー」と称され、ふるさと弘前への想いが込められたこの作品は、佐野氏によるステンドグラス作品のなかでも、唯一自然の光のもとで鑑賞できるものとなっております。
BELCA賞とは、社団法人建設・設備維持保全推進協会(BELCA)が実施、適切な維持管理を行っている建築物の中で特に優良な建築物の関係者におくられるもので、弘前市民会館は、隣接する弘前市立博物館とともに【ロングライフ部門】-建築後20年以上を経過している建築物で特に優秀な建築物に与えられる賞を受賞しました。
担当 市民会館
電話 0172-32-3374
ファクス 0172-32-3381