違反建築物とは、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物、または、いったん適法な状態で建築されながら、その後の増築や用途変更、大規模な修繕等により違法な状態となった建築物をいいます。
違反建築物であるかどうかは、現行の規定ではなく、建築された時点での規定に適合しているかどうかによって判断します。
建築指導課では違反建築物発生の予防のため、定期的なパトロールを実施しているほか、隣接居住者や関係機関等からの通報も随時受け付けし、対応しています。
特定行政庁は、違反建築物の建築主、工事の請負人または現場管理者、敷地の所有者・管理者または占有者に対して当該工事の施行の停止を命じ、または、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他、違反是正のために必要な措置をとることを命ずることができます。
次のような事例が生じないように、事前に建築士等にご相談ください。
(建築基準法第6条違反)
新築時だけではなく、増改築や建築物の用途を変更する場合でも確認申請の手続きが必要な場合があります。
(例)
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都市計画区域内において住宅の建築後、カーポート等(床面積10平方メートル以上)を増築する。 ※防火・準防火地域内は面積に関わらず手続きが必要です。 |
・ | 事務所の用途を変更して保育所(床面積100平方メートル以上)にする。 |
(建築基準法第35条違反)
排煙に必要な窓を塞いでしまったり、避難経路の途中に間仕切等を設置したりすることにより違反建築物になってしまうことがあります。
改修後も適法な状態にしなければなりません。
(建築基準法第48条違反)
建築物の用途変更等の場合で、確認申請の手続きが不要な場合でも、用途地域等の制限に適合する必要があります。
違反が判明した際には、建築主、工事関係者等に是正指導を行うほか、是正指導に従わない場合には、法に基づく行政処分を受けることがあります。
違反指導を受けた建築物の建築主や関係者等は、自らの費用と責任において適法となるように是正しなければなりません。
違反建築物を安易に引き受ける設計者・施工業者・不動産業者についても責任が問われます。
違反建築物に関係した業者等には、国土交通大臣や知事から業務の停止や営業許可・免許の取り消し等の行政処分が行われる場合があります。
違反建築物は近隣の方々に悪影響を与えるおそれがあり、違反内容によっては重大な事故を起こしかねません。
建築主自身も安心してその建築物を使うことができなくなるおそれがあり、将来の増改築等の際、様々な建築上の制限やトラブルが発生する可能性があります。
また、違反建築物は、増改築等の際に、金融機関等の融資が受けられないことがあります。
違反建築物を購入した所有者にも適法化のための是正が求められるなど、法的責任が求められる場合がありますので、購入の際には、確認済証、検査済証の交付の確認や、現地確認、建築計画概要書の閲覧、建築士への相談等により、適法であることを確かめてください。
建築主は、建築に際しては必ず建築士等に相談するなど、適法で安心な建築物を建てるようご注意ください。
違反建築の発生を防止し、建築物の安全性を確保するために、建築主は次の事項に気を付けてください。
確認申請の手続きが必要となる際には必ず手続きをしてください。
建築士は工事が設計図書どおりに実施されているか工事監理を行います。
そのため、建築主は建築士に工事監理を依頼し、その内容を報告してもらってください。
建築主は、確認済証の交付後に工事に着手し、中間検査や完了検査に合格して建築物を使用することができます。(適用除外あり)
検査が必要な工事の場合には必ず検査を受けてください。
また、手続きを建築士に委任した場合も「確認済証」「確認申請書の副本」「中間検査合格証」「検査済証」などの書類を受け取り、大切に保管するようにしてください。
建築物を建築する場合は、建築基準法令の規定を守っていたとしても解決できない問題もあります。
隣地との境界の問題や、落雪の問題等は、民事の問題であり明確な取り決めがないため、隣地や周囲の方々に配慮して計画してください。
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担当 建築指導課 指導・審査係
電話 0172-40-7053または0172-40-3736