はじめに、現時点で、夏休み中の大きな事故やトラブル等についての報告は、入っていないようですので、ほとんどの人が、元気に夏休みを過ごすことができ、今日、このように集まってくれたことを、大変うれしく思います。また、先ほどは、各学年の代表者3名が2学期の抱負を発表してくれましたが、3人の発表からは、2学期に向けての、強い意気込みが感じられました。聞いていた皆さんも、まずは、学校のリズムに合わせた、規則正しい生活を心がけ、充実した2学期に向け、良いスタートを切ってほしいと思います。
さて、1ヶ月以上にわたる長い夏休みが終わりましたが、振り返ってみて、どのような夏休みだったでしょうか。昨年度と比較すると、やや過ごしやすかったように感じますが、それでも、気温や湿度が高く、集中力を保つのが大変な日も多くありました。そのような中でも、各学年の学習会や部活動、四中祭に向けた実行委員会の活動など、校内に前向きな言動が、あふれていたように思います。また、校外においても、陸上部や水泳部、柔道部が、東北・全国大会で健闘を見せるなど、地道に力を身に付けていくことの大切さを、改めて教えてくれたように思います。
さらには、パリオリンピックが開催され、近代五種という競技において、青森県出身の佐藤大宗(たいしゅう)選手が、日本人として、初めて銀メダルを獲得しました。近代五種という競技は、馬術・水泳・フェンシング・射撃・ランニングという異質な5つの種目を、1人の選手が1日でこなす競技であり、その過酷さから、別名「キング・オブ・スポーツ」とも呼ばれています。したがって、体力や技術以上に、精神的な粘り強さが必要な競技となっており、パリオリンピックでの佐藤選手の必死な姿からは、目標達成に向けた、あきらめない強い意志をもつことの大切さを、学ぶことができました。
今日は、この夏の出来事も踏まえながら、2学期の始業式にあたり、特に心にとめてほしいことを、お話ししたいと思います。
令和6年度がスタートしてから、1年生であれば、四中への入学や自然教室、2年生は、地域学習や職場体験学習、3年生は、修学旅行や高校の体験入学などを通して、新たな出会いや様々な人々との関わり、そして、体験活動などにより、皆さん一人一人が自分の視野を広げ、新たな知識を習得してくれたと考えています。この広がった視野や学びは、皆さんにとって貴重な財産となるはずです。
これから始まる2学期においては、まず、ここまでの学びを振り返り確かめること、そして、それを踏まえ、今後の具体的な目標を設定し、新たな挑戦をはじめることで、自分自身が、成果や成長を感じ取れる2学期にしてほしいと思います。
そのためにも、次からお話しする2つのことを、特に心がけてほしいと思います。
まず一つ目は、これから、失敗や挫折があったとしても、そこから必ず新たな学びを得て、次に生かし、挑戦への歩みを絶対に止めないでほしいと思います。
そして二つ目として、自分の目標に向かって頑張るときに、周りの人と支え合い、助け合う姿勢を大切にしてほしいと思います。目標達成に向け、一人で頑張る時はもちろん必要ですが、周りと協働して取り組む時間を組み合わせることで、一人だけでは得られない、大きな成果を上げることができます。困った時には助けを求め、また、誰かが困っていたら、自分がサポートしてあげることで、一人一人はもちろん、集団としても更に成長できるはずです。
これから、長い2学期が始まりますが、失敗や挫折から学び、周りの人と支え合い、助け合いながら、新たな挑戦を進めることで、四中生一人一人が、自分なりの成果や成長を実感できる学期になることを期待し、式辞にしたいと思います。
2学期も、自分自身をライバルとし、互いを応援しながら、みんなで頑張っていきましょう。
先週の入学式で、118名の新入生を迎え、2学年106名、3学年112名、全校生徒336名、そして36名の職員が第四中学校の一員となりました。令和6年度は、このメンバーで、また新たなチームとして1つにまとまり、頑張っていきたいと思います。
それでは、年度のはじまりに当たり、少しお話をしたいと思います。
まずは、2年生、3年生の皆さん、進級おめでとうございます。
学年が1つ上がり、それぞれ思いを新たにしていることと思いますが、私から、2・3年生の皆さんに、それぞれお願いがあります。
2年生の皆さんには、1年生の先輩、いわゆる中堅学年として、1年生の良き手本になるとともに、3年生をしっかりと支えてほしいと思います。今年の10月には、中学校生活の折り返しを迎え、皆さんが、四中の様々な活動をリードすることになります。これからの時間を大切にしながら、基本的な力を、着実に身につけ、先頭に立つ準備をしてほしいと思います。
次に、3年生の皆さん。私も皆さんと一緒に、四中にきましたので、皆さんがいよいよ最高学年となったことに対し、時の早さと感慨深いものを感じています。皆さんには、第四中学校の顔として、1・2年生を正しい方向へ力強くリードするとともに、ここまでの2年間で見てきた、先輩の姿を目標にしながら、玉田生徒会長を中心に、青学年らしい 新しいものを創り上げていってほしいと思います。そして最後には、それぞれの進路目標を達成し、未来を切り拓く一年にしてほしいと思います。
さて、今日から、令和6年度が本格的にスタートするにあたり、全校の皆さんに、四中生の目指す姿を改めて確認してもらいたいと思います。
後ろに掲げられている、四中学区の目指す15歳の姿になりますので、読みたいと思います。
一つ目「進んで学習に取り組み、夢や目標の実現に向けて努力する人」
二つ目「礼節(礼儀と節度を身に付け)と思いやりの心をもち、よき人間関係を築く人」
三つ目「命を大切にし、めあてをもって心身をきたえる人」
四つ目「貢献に誇りと喜びを感じる人」です。
2・3年生の皆さんには、これまで、ことあるごとに、安全への意識を高め、命を大切にすることや、挨拶の重要性、そして、夢や目標の実現に向けて、進んで学ぶことや人に役に立つ行動を心がけるよう、お話をしてきました。また、1年生の皆さんには、入学式で、夢や目標をもち、挑戦してほしいとお願いをしました。
今年度1年、この目ざす15歳の姿を意識し、定期的に振り返りながら、自らを成長させていってほしいと思います。
次に、2・3年生の皆さん、昨年度の最後に行われた離任式において、転出された先生方が、四中のここが、他の中学校よりも優れている、という、お話をしてくれたことを覚えているでしょうか?
多くの先生方が、このステージ上から、応援委員会を中心に、全校が一つにまとまり、一人一人を応援できる雰囲気が、四中の良き校風・伝統であり、いつまでも大切にしていってほしいと、話されていました。そのお話を聞いて、私も改めて、大切にしたいものの一つだと感じました。
これを受け、今年度も引き続き、「ライバルは昨日の自分。みんなが互いを応援するチーム四中」というスローガンを、掲げたいと思います。
全校生徒が、自分自身の夢や目標の達成に向け、昨日よりも今日、今日よりも明日の自分が、少しでも成長できるよう、これからの1日1日を大切にすること、そして、昨日の自分を、少しでも越えようと頑張っている人を、応援できる四中生になってくれることを期待したいと思います。
結びに、ここまでお話を進めてきましたが、まずは、皆さん一人一人の命、心身の健康が第一優先です。皆さんの安全について、一番心配されるのが、自転車の乗り方についてです。大きな事故が起こった場合、命に関わることもある、との自覚をもち、より一層気を引き締め、時間に余裕を持って運転してほしいと思います。また、感染症についても、自分の体調や周りの状況に応じた感染予防を、今後も、心がけてほしいと思います。そして、心の元気さを失ったときには、頼れる人に必ず相談するようにしましょう。
今年度、全校生徒、全職員が、安全、安心に過ごし、充実した1年になることを心から願い、式辞とします。
暖かな日差しとともに、校地内の桜のつぼみも ふくらみはじめ、本格的な春の到来を感じる日が、多くなりました。
本日は、学校運営協議会委員の皆様、並びに保護者の皆様ご臨席のもと、令和六年度、弘前市立第四中学校入学式を挙行できますことを、心からうれしく思い、また、皆様に感謝申し上げます。
さて、先ほど呼名された一一八名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。こうして皆さんの様子を見ていると、とても立派で、頼もしく感じられます。在校生、教職員一同、皆さんの入学を心から歓迎します。
今日から皆さんは、「健康」「自主」「創造」「誠実」を教育目標にかかげ、歴史と伝統を積み重ねてきた 弘前市立第四中学校の一年生となりました。本校の良き伝統と 校風を受け継ぎながら、四中生としての自覚と誇りをもち、新たな生活をスタートしてください。
さて、皆さんも知っているように、これからはじまる中学校生活は、六年間の小学校生活の半分しかありません。しかし、この短い三年間は、皆さんにとって、心も体も、これまで以上のスピードで成長する期間であり、これからの人生にとって、とても大切な時間となります。
今日は、大切な中学校生活のスタートにあたり、私から、特に心に留めてほしいことを、二つ、お話ししたいと思います。
一つ目として、皆さんは今日から中学校一年生になりますが、それと同時に、義務教育九年間の中の七年生になるということを意識し、これまでの経験や学びを忘れず、これからの生活に生かしてほしいと思います。
先月、学区の小学校の卒業式に参列させてもらい、皆さんが立派に小学校を巣立っていく姿を見ることができました。また、卒業式の中では、皆さんが、最高学年として学校の先頭に立って活躍し、頼りにされる存在であったことが、紹介されていました。
皆さんは、今日、中学校に入学し、一番下の学年になりますが、全ての面で、周りに、頼ろうとするのではなく、小学校での経験や学びから身に付けた力を、ぜひ、家庭や中学校において、積極的に発揮してください。
特に、これからはじまる中学校での生活においては、居心地の良い集団をつくるために、
小学校六年間で得た 経験や知識を生かした言動を期待したいと思います。そして、そのためにも、一人一人が安心して生活するためには、どのようなことを、心がける必要があるのか。また、集団を引っ張るリーダーに求められることや、リーダーを支えるために必要なことなどついて、来週までに、ぜひ、考えてきてほしいと思います。
次に、二つ目として、大きく環境の変わる、中学校生活において、夢や目標の実現に向け、挑戦してほしいと思います。
樹木が太陽に向かって成長するように、人間は、夢や目標に向かって成長していきます。新しい環境の中で、新しい自分づくりをするためにも、目ざすところを明確にし、思い切って挑戦してほしいと思います。
皆さんは、「挑戦する」という言葉を、これまでも耳にしてきたと思います。簡単に言うと、「新しいことや困難なことに立ち向かうこと」という意味になりますが、今日は、福島智(さとし)さんという、東京大学の教授をされている方の言葉を紹介したいと思います。福島さんは、九歳の時に、目が見えなくなり、一八歳の時に耳も聞こえなくなるなど、重い障害をもちながらも、挑戦することによって、様々な目標を達成してきた方です。福島さんは、入学式の祝辞の中で、挑戦について、次のようにお話しされました。
挑戦とは、単に無謀な危険を冒すことではなく、地道な努力と準備があって、成功するものです。
挑戦とは、相手を打ち負かして、競争に勝つことを意味するのではなく、その本質は、自分自身に挑戦することです。
挑戦とは、他者の立場を想像する力と、他者と協力しながら、新しいものを生み出していく 営みです。
これからはじまる中学校生活三年間において、自分の夢や目標を定め、それに向かって
地道に努力するなど、良い準備をすること。そして、自分自身をライバルとして、周囲と協力しながら、新しいものを生み出してくれることを、皆さんに期待したいと思います。
以上、入学に当たり、二つことをお話ししました。小学校までの経験や学びを忘れず、これからの生活に生かすこと、そして、夢や目標の実現に向け、挑戦すること。この二つを、心にとめ、中学校生活を送ってほしいと思います。
結びに、新入生の保護者の皆様、お子様のご入学、誠におめでとうございます。これから、第四中学校の全教職員が力をあわせ、明るい挨拶が響く、互いを認め、支えあう 学校づくりに努めて参りますので、本校の教育活動に対し、ご理解、ご協力を賜りますよう、お願い申し上げ、式辞といたします。
令和六年四月五日
弘前市立第四中学校
校長 石田 盛彦