縄文文化は、約1万年の長きに渡り日本列島各地で栄え、狩猟・採集・漁撈を行いながらも定住を達成した、世界でも類を見ない文化です。
市内には、旧石器時代から江戸時代まで450か所(当時)を超える埋蔵文化財包蔵地(遺跡)が登録されていますが、その中でも縄文遺跡は340か所を超えており、縄文遺跡の宝庫と言えます。また、昭和30(1955)年代から、重要文化財(猪形土製品)が出土している十腰内(2)遺跡[とこしないかっこにいせき]や史跡大森勝山遺跡[しせきおおもりかつやまいせき]など、多くの縄文遺跡が発掘調査され、貴重な成果を得ています。特に、希少な縄文時代晩期の環状列石を有する史跡大森勝山遺跡は、現在「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産の1つとして、世界遺産登録への取り組みが進められています。
令和元(2019)年10月5日、県内や市内の縄文文化の様相を多くの方々に知っていただくため、考古学の専門家をお招きしてシンポジウムを開催しました。
また、「縄文遺跡を掘る-弘前市内の調査成果から-」と題して、令和2年2月11日から2月16日まで、縄文遺跡の発掘調査成果を紹介するパネル展も開催しました。
シンポジウム開催風景
当時配布したチラシです。
令和元(2019)年8月18日と24日、25日に開催しました。
1日目は史跡大森勝山遺跡(弘前市大字大森)と史跡亀ヶ岡石器時代[しせきかめがおかせっきじだいいせき](つがる市)を、2日目は史跡津軽氏城跡堀越城跡[しせきつがるししろあとほりこしじょうあと](弘前市大字堀越、川合)と黒石陣屋跡[くろいしじんやあと](黒石市)を、3日目は如来瀬石切丁場跡[にょらいせいしきりちょうばあと](弘前市大字如来瀬)と史跡津軽氏城跡弘前城跡長勝寺構[ちょうしょうじがまえ](弘前市大字西茂森一丁目)を訪れました。
歴史体感ツアー開催風景〔史跡津軽氏城跡弘前城跡長勝寺構(長勝寺)〕
高杉小学校や文京小学校、三省小学校の3校を対象に行いました。
高杉小学校の児童は、独狐七面山遺跡[とっこしちめんざんいせき](弘前市大字独狐)や松笠森遺跡[まつかさもりいせき](弘前市大字独狐)、大石武学流庭園の須藤氏庭園(弘前市大字前坂)などを訪れました。文京小学校の児童は、中野遺跡[なかのいせき](弘前市大字中野)や弘前学院外人宣教師館(弘前市大字稔町)などを訪れました。三省小学校の児童は、三世寺遺跡[さんせいじいせき](弘前市大字三世寺)や中崎館遺跡[なかさきだていせき](弘前市大字中崎)、野脇(1)遺跡[のわきかっこいちいせき](弘前市大字中崎)などを訪れました。
高杉小学校児童の見学風景(松笠森遺跡)
文京小学校児童の見学風景(中野遺跡)
三省小学校児童の見学風景(三世寺遺跡)
令和2(2020)年1月24日から30日、2月1日から9日、2月18日から24日まで、わがまちの歴史と文化財探訪・紹介マップ事業で作成した成果報告展を、3会場で開催しました。
パネル展開催風景(「文化財マップ作品展」)
平成30(2018)年、市教育委員会は住宅建築等に伴い、市内4遺跡で発掘調査を行いました。
平成30年度発掘調査速報展は、平成31(2019)年3月26日から10月14日まで、平安時代の集落跡、中世の城館跡である大浦城跡[おおうらじょうあと](弘前市大字五代)、平安時代の包蔵地である寺沢(1)遺跡[てらさわかっこいちいせき](弘前市大字清水富田)、また、平成28・29(2016・2017)年度に調査し、平成30年度に整理作業が終了した、縄文時代・平安時代の集落跡、中世の城館跡である坂本館[さかもとだて](弘前市大字館後)の3遺跡を写真や出土遺物で紹介しました。
また、10月15日から令和2(2020)4月まで、企画展「縄文人のムラとマツリ」と題して、弘前市内における縄文遺跡の発掘調査成果を写真や出土遺物で紹介しました。
当時配布したリーフレットです。